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「デジタル田園都市構想」に「景観」への投資を!

岸田首相は「デジタル田園都市国家構想」を年内にまとめるようだ。デジタル技術の活用により、地方を活性化し、持続可能な経済社会を実現するという。

私は今年の春に東京から故郷の九州へ移り住み、九州各地を回り、この地域のポテンシャルを考え続けてきた。

この地の自然資源や歴史的文化的遺産には素晴らしいものがあると感じ、また、安価で良質な食べ物が手に入り、東京とは別の豊かさを感じている。

他方、心を痛めることがないわけではない。都市部や山間部において、老朽化した商業施設や使用されていない建物や広告の残骸が目につき景観を台無しにしていることである。城下町の町並みや里山の風景が電柱や看板、空き家等で、見た目に美しくないことに残念な気持ちを抱かざるをえない。

景観の保全や街並みづくりは日本全国で行われていると思うが、文化財保護の予算を除くと、国はほんの僅かな額しか支援をしていないと聞く。

昨今の異常気象により自然災害に強い国土づくりは優先事項だろう。しかし、同時に、外から訪れる人にとって美しい景観、住む人にとって誇れる景観を作っていくことは地域の持続可能性の観点からも重要なことだと思う。

日本は自国の強みや良さの意識が薄く、外へのプレゼンテーション力が弱いと以前からいわれてきた。地方では、まだ、ホームページをウェブ上にアップしていない中小事業者が数多くいる。また、博物館等においても、展示物や資料のデジタル化や多言語対応という点では道半ばだと実感している。

地方の現場では、新しいテクノロジーを活かしたデジタル基盤の実装と同時に、民間事業者や文化施設での電子化も「デジタル景観」として優先課題であると思う。

街並みや里山の景観が良くなれば、当然ながら観光振興にマッチする。そして、地域に若い人が定着し、都会からの移住者も促進されるのではないだろうか。

アナログとデジタルの「景観創造」に投資を惜しまない、岸田首相には是非、年内の検討のテーマに入れていただきたいと思う。

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