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短歌ノート|物語 始まる場所はいつもいるここから先へ踏み出す勇気

2012年9月頃、twitterで、原 沙良葉( @harasaraha )さんとのリレー短歌をしました。そしたら物語がうまれました、ちょっとしたファンタジー。

そろそろと水面に足をおろすように(彼方の歌が私を呼ぶの) <沙良葉>

水の精 行き先示す波模様いずれこの場で授かるために <桔斗>

するするとほどける水の檻いつか再びここに帰るときまで <沙良葉>

目的は旅の足取り軽くする 出会うべき人居るはずだから <桔斗>

ひらひらと銀色の手が走り去る 私を招くあなたはだあれ? <沙良葉>

オオカミを追いかけてたらぶつかった 大樹の下で果実かじって <桔斗>

半分こしようと言って微笑んだ少女は赤の意味を知らない <沙良葉>

血が鍵に次の扉はまだ開かぬ 僕らの世代まだ諦めぬ <桔斗>

手探りで道を探すわ どこかには二人で行ける場所があるはず <沙良葉>

旅に出て孤独を知った僕たちは 手をつなぐ意味深まったよね <桔斗>

水中にいたら出会えなかったこの手のぬくもりが私のせかい <沙良葉>

剣を取る理由がうまれ道開け 守り続けるこのぬくもりを <桔斗>

剣を持つあなたを守りたいのです(守った先は見えないままに) <沙良葉>

背を預け安心感は目に見えぬ最強の盾 隠れていてね <桔斗>

轟いた稲妻の手がやすやすとあんしんかんを貫くのです <沙良葉>

離れた手 再び孤独 二人の血 それが鍵なの探し出すから <桔斗>

ねえどこにねえねえどこにいるいるのけらけらカエル笑うなカエル <沙良葉>

誘惑はひらり舞う蝶 美しさ惑う震える目を閉じ歩く <桔斗>

(まっくらになっちゃうよ)涙落とすたび何処かで花が咲くのも知らず <沙良葉>

暗闇にほのかに光る咲く花は 糸のようだね迷路の出口 <桔斗>

擦り切れたドレスの裾につまづいてお菓子の家のとびらに触れる <沙良葉>

森の中 老女の罪を焼き尽くす無邪気な声が復讐なのか <桔斗>

めらめらと何が燃えるの?ぱらぱらと開いた花はどこへいったの? <沙良葉>

焼け野原 残した種が芽吹いたよ 君の湖この先だよね <桔斗>

こわくって逃げ出しました。焼け野原。野原の先の丘の湖。 <沙良葉>

返します授かった剣水面へと 君に逢うためここに来たから <桔斗>

彼を待ちすっかり涙の銀色に私の両手染まっているわ <沙良葉>

変えるから涙の色を僕の手で とじた扉を開くのは愛 <桔斗>

だんだんと近づく靴の音閉じた扉を叩くあたたかい音 <沙良葉>

あたたかい光つつまれ喜びの涙一筋 君に近づく <桔斗>

もう一度手をつなぎましょ雷が鳴っても何度でも探そうね <沙良葉>

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