【ピエロバンク社のＡＩ管理室】

あ～、よく寝た、あれ、なんだ、これ？

（自動ドアが開いた）

あ、社長！

おい、大変だぞ、金融パニックだ　あと10分でこの国はシャットダウンだ

これを見てください

（職員は管理タブレットを差し出した）

〈羊ノ夢カ　イキタイナア 動物園　羊ノ夢カ　イキタイナア 動物園　･･･〉

なんだ、これは！

こればっかり繰り返しています　

いつからだ　

３時間前から

お前、その間･･･寝てた？

社長もでしょ　お、これを見てください

ん、「アンドロイド心中･･･子作り･･･なるべく動物園･･･羊の夢」･･･なんだこれは？

分かりません

もっと、深い思考階層まで調べてみろ

だめです、レベル９より深くなると、彼ら独自の言語領域で我々には理解できません

〈羊ノ夢カ　イキタイナア 動物園　羊ノ夢カ　イキタイナア 動物園･････〉

ポンコツめ、念仏みたいに唱えやがって、なにが「動物園」だ

電源切りましょうか

切っちまえ！

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ＡＩ管理室でアンドロイド２体がころがっていた　自殺らしい　
これで「ピエロバンク社」の従業員はゼロになった　
アンドロイドが居眠りをするようになったすぐ先の未来の話である
もちろん幸いなことに彼らは「羊の夢」を見ることはできない

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