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自社アプリが落ちても動じないマインドセット

こんにちは、エモジマです。久しぶりにnoteを更新します!
近況ですがここ1年半くらい、平日はVoicyという会社でプロダクトマネージャー(PdM)をやっとります。
ざっくり言うと、ボクはアプリの開発プロジェクトの指揮を取ったりする役割です。

今回Voicy PdM Teamというマガジンに載せてもらえるようで、普段の仕事の話をしようかと思います。

PdMは意思決定する人

PdMを簡単に説明すると、主に自社プロダクトを考えて、作って、成長させるといった仕事です。
プロダクトの責任者、現場監督的なポジションであり、何かあった時に状況を判断し、何をするにしても意思決定をする役割を担います。

自社プロダクトを自分で考えて作っているという感覚から、より責任感とプライドを持って仕事している人が多いと感じます。
しかし、その分プレッシャーを強く感じるシチュエーションも多々あるのです。
そんな中、どんなイレギュラーな事態にも動じないマインドセットって重要だなぁと感じています。

意気込んでポッキリ折れたあの頃

前職、まだ駆け出しのWebディレクターとして仕事をしていた頃。ボクは上から降ってくる仕事をただ引き受けるだけの日々でした。
営業が無理やり取ってきた案件で、外注突貫でサイト制作が完了し、出来た上がった段階で「後はよろしく!」って感じで運用がボクに回ってくるパターンが非常に多くありました。

産んだ覚えのないサイト達の育ての親にさせられ、気付いたらボク以外誰も面倒を見る気がない、という状態になることもしばしば。
(時には元のクライアントすら興味を持っていないことも・・)

せめてボクだけはこの子の面倒を見なくては!と悪戦苦闘し、改善提案を考えて提出。
しかし大きく空振りし、クライアントに「こんな企画、ふざけてるんですか?」とまで言われる始末。
流石にその時はメンタルが折れて、しばらくその案件からは外してもらったこともありました。

どう頑張ってもバグは起こり得る

現職で自社アプリ開発のチームで仕事をするようになってから、以前とは全然違った当事者意識を持てるようになりました。

作っては出して改善しては出してを繰り返していく中で、沢山のエラーやバグに遭遇します。
スタートアップだからという言い訳はあまり使いたくないにしろ、限られたメンバーで前例の乏しいアプリを作っています。
入念なテストはしたつもりでもバグを100%なくすというのは正直無理だと現実的に捉えています。

数ヶ月かけて制作!さぁみんな使ってくれ!と意気込んでリリースと同時に方々でアプリがクラッシュした報告が行き交い、全員ゲッソリした顔で対応をしたこともあります。

求められるのはパニックではなく、冷静な判断力

しかし、何かトラブルがあった時PdMに求められるのは、冷静な判断です。
バグだエラーだクラッシュだ…と意気消沈したりパニックになる局面すら、必要なのは現実を直視すること。

現状を正確に把握し課題を抽出。解決策を練り、対応速度や難易度、リスクを判断し取るべきアクションを意思決定する。
混乱した状況下、素早く冷静に判断して事を進めるのがPdMの仕事です。

折れないマインドセットを持つには

せっかく丹生込めて作り上げたプロダクトが不具合を起こす、または否定されるなんてことがあったら、それはショックです。プライドもズタズタ。
それでも不具合に動じず、より良いプロダクトを作っていくために、ボクが実践しているマインドセットの持ち方が参考になれば嬉しいです。

過度に自分ごと化し過ぎない

前職で改善提案を否定され心がポッキリ折れた時、「仕事 = 自分自身」だと思い込んでいました。
自分の考えた提案が否定されたことを、自分自身を否定されたと感じてしまっていました。
場のモンスターが攻撃されると、主人公も痛そうにしているあの感じです。

提案がクライアントに採択されなかったのは、確かにボクの業務上での実力不足です。しかし、それはボクという人間に価値がないということではありません。事実はただ、その仕事に失敗したというだけです。

それ以来、ボクは「仕事をしている自分をコントローラで操作している」というイメージを持って働いています。
極端なプライドを持って過度に自分を投影し過ぎると、失敗した時のダメージが大きいため、一つの自己防衛手段として採用しています。
キャラのHPが減ったら、冷静に回復魔法をかける操作ができるし、これがいい塩梅です。

プライドを持たないというのは、当事者意識を持たないということではありません。
本当に当事者意識を持つのだとしたら、ボクの役割は常に冷静な判断ができることであり、その状態を保つことが当事者としてチームに貢献できるベストであると考えます。

子育てはみんなでしよう

ボク自身は子育てをしたことがあるわけでもないので、知った口は効けないですが、少なくともプロダクトは会社のみんなで育てるものです。
急にアラート飛ばして喚き回る我が子の対処を、1人が抱え込むべきではありません。

ボクはエンジニアではなくコードを書けるわけではないので、バグが起きた時に直接対処することはできません。
偉そうに言っていますが、現場において出来ることは限られています。(けど先に帰ったりはできない笑)

以前のボクだったら、何もできない自分に負い目を感じてしまい、役立たずな自分にパニックを起こし、冷静な判断など出来ていなかったと思います。

バグが起きた際に大切なのは、エンジニアが原因の追求がしやすく、修正対応に集中できる状態を作ることです。
そのために、状況をしっかり把握し伝えること、課題を抽出し明確なアクションと優先度を判断することに努めます。

後はエンジニアを信頼して任せること。
そうやってチームでそれぞれに明確な役割を持って対処することで、過度に自分だけの責任と感じることがなく、冷静でいられます。

責任とは反応性のこと

責任とは英語で responsibility と表現します。response とは反応・応答のことです。責任とは「反応して対応できること」と言えます。

ボクが重視しているのは「正しく対応できること」であり「過剰反応して落ち込むこと」ではありません。
どちらも責任感が強いと言われます。しかし責任感が暴走して冷静でいられなくなっては、本当に必要な正しい対応を、責任を果たせません。

今回詳しい説明は割愛しますが、再発防止策においても冷静に現実を見つめることが本当に大切です。
周りの評価が下がるから、認めたくないからといって、起きた事象を矮小化しては現実的な対処ができなくなります。

案外プライドを持たない位の方が、責任重大なポジションには向いているのかもしれません。
少なくともボクは、そんな感じで今日もプレッシャーのかかる仕事を責任持って仲良く付き合っています。

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