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スラム砦の伝説

[2016年4月24日の日記]

鑑賞日:2016/04/23
場所:新宿 K’s シネマ
監督:セルゲイ・パラジャーノフ

これを観たのは昨日で、実は今日も「火の馬」を観るために足を運んだのだけど、アホみたいな行列ができていたので断念。「石の上の花」の時はガラガラだったのに!油断した・・・

というわけで「スラム砦の伝説」、正直に申し上げてやっぱり僕にはパラジャーノフは難解だ。絵面はキレイ。固定カメラで被写体に垂直に向き合うカメラの映像はまるで絵画のよう。その美しさだけがパラジャーノフの全てだというなら特に難しい事は何も無い。でも見てくれの美しさだけが全てであれば、魅力を感じることもない。

パラジャーノフという人は、自分が作った映画が原因で投獄されたという経歴を持っている。果たしてそんな人間が「キレイな映像撮りたい」というだけで映画を撮り続けるものだろうか。一体何がパラジャーノフを突き動かしたのか。それが知りたい。でも僕の感受性では残念ながらこの映画から汲み取ることはできなかった。

僕が自分で観て理解できたことと言えば、「何回補修しても崩れてしまうスラム砦を不落のものにするために人柱を使った話」ということくらい。冒頭で説明されることなんだけどね。

再現ドキュメンタリーというか、ナレーション形式?になっているのも意図が分かるようで分からない。劇中の登場人物の会話にかぶせて、男性がナレーションというか同時通訳みたいなことをするのですが、これも正直鑑賞の邪魔だという印象しか無かった。

というわけで、僕のパラジャーノフ週間はおしまい。本当は「ざくろの色」や「アシクケリブ」も観たかったけど、ちょっと無理っぽい。

ちなみに「スラム砦の伝説」は自分で映写した経験があって、映写技師として初めて「上映中にフィルムを切った」という思い出深い作品。ボロボロだったんだ、本当に。映写する前からスタッフの間で「このフィルム切れるかもね」と話題になっていたくらい。

でも今日観たのは全然キレイだった。ニュープリントなのかな。

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