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新規事業を推進したいなら、たたき台を作る人を大切に

マネックスグループ株式会社代表執行役会長、マネックス証券株式会社取締役会長CEOの松本大さんの2003年の著作、「10億円を捨てた男の仕事術」の中で、その後の自分の人生に強く影響を与えた話があります。初版で購入したと思います。今から20年前のことです。


今、その本は自宅のどこかにあるのですが、みつからず、その文章の意図だけ記します。

松本さんが勤務していたゴールドマン・サックスでは、何もないところから新しいビジネスモデルを開発した人には、高く評価され、開発した時だけでなく、その後もずっと、一定の報酬が支払われるという制度がある、という話でした。

僕は、これは、ロバート・キヨサキさんが言うところの、バランス・シートの資産上の「知的財産」だと思いました。

資産は私のポケットにお金を入れてくれる
負債は私のポケットからお金をとっていく
知らなくてはいけないことは本当にこれだけなのだ。金持ちになりたいなら、ただ「資産を買うこと」に生涯を捧げればいい。

「金持ち父さん貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ)

ロバート・キヨサキさんは、不動産、株式、債券、手形と共に知的財産も記してました。「サラリーマンの自分にとって不動産投資なんて怖くてできるわけがない」と思いました。「でも、松本大さんがいう会社の中で、新しいビジネスモデルを作り、それが資産として利益を生み続けるようになれば、金銭的に恵まれるかどうかわからないけれども、仕事人生において何らかのご褒美が自分に返ってくるだろう」と思いました。それからです。新規事業の領域にのめり込むようになったのは。

かれこれ20年やってきたわけですが、莫大な利益を生むようなビジネスモデルは作れませんでした。失敗もたくさんしました。それでも会社はずっと私のチャレンジに寛容で、いつの時代の経営幹部も上司もバックアップしてもらえました。だから同じ会社に居続け新規事業開発をやり続けました。
そして、来年定年むかえるにあたり、支援し続けれくれた会社への恩返しはようやくできそうだと感じてます。ぎりぎりでしたが。
松本大さんの本から始まった新規事業一筋のサラリーマン人生は、自分的には大満足です。

今、多くの企業が新規事業立ち上げに必死になっています。もう、既存事業の繰り返しでは、利益は縮小していくのが明らかだからでしょう。でも、新規事業領域の知り合いや仲間と話をしていると、社員がちょっとしたアイデアを生み出した瞬間から、周りから、やる気を削ぐようなネガティブなコメントや指摘されることが実に多いことに気づきます。

僕は、ぜひ「たたき台を作る人」を大切にしてほしいと思います。そう言う企業文化が醸成されれば、きっと、その中から、新しいビジネスが生まれます。そして新しいビジネスを開発した人をずっと評価する制度ができれば、皆リスクを取って新規事業に挑戦するモチベーションが湧きます。

大袈裟な部門を作ったり、人事制度変えたり、外部から新規事業立ち上げのプロを呼ぶことよりも、自分で必死に考えて、アイデアをまとめ、他人に披露することのできる、たたき台を作るれる人を大切することが初めの一歩だと思います。定年後は、そう言う人を支援する仕事をしようと思ってます。


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