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【日記】流行遅刻

わたしは流行に疎いほうだ。
服は年々自分に似合っていれば良くなり、漫画もアニメ化!実写化!と話題になっていても、本気で気になったときから読み始める。その頃にはとうに、アニメ第一期が終わっていたりする。

毎年気にするのはせいぜい眉のデザインくらいだ。
それでもなんとなく形を見てこんなもんかなと整える程度で、昔のアムラー全盛期に芋くさい学生だったおかげで、細眉から抜け出せないといった悩みも無かった。

一昨日の記事で、こんなことを呟いた。

微熱で喉の痛みが大きいらしく、高齢に差し掛かったこともあり念のため今日診察に行った。母は3回熱を測りいずれもギリギリ発熱外来に相当していたので、二階の個室に通された。
個室は焦げ茶色のツヤツヤした清潔なフローリングで、緑とクリーム色の中間のような色合いの壁紙が張られており、病院というよりは平成初期に建て替えた家のようだった。小学生の頃なにかの縁で遊びに行ったお金持ちの友達のおうちに似ていた。

元気で明るい男性医師が母の扁桃腺を覗きながら、
「ちょっと腫れてるかなー。でもまあ大丈夫そうだよね!!一応コロナとインフル検査できるけどどうする?やんなくていいって患者さんもいるよー」
と聞いてきた。母が”自分で決められない病”を発動する。

「じゃあ、せっかくなんで、お願いします」
とわたしが答える。

検査には15分ほどかかるようで、わたしは脇に置かれたスツールに腰掛け、タブレット端末で色塗り作業をしながら待っていた。

1枚終えたところでスリッパの足音が聞こえ、元気な医師が気持ちの良い声でわれらに告げる。

「いやーお母さん!コロナでしたよ!検査しといてよかったですねー!」


検査しといてよかったですねはわたしの台詞だと思ったが、元気な医師は元気に感じよく応対してくれたので、個室にいる全員で「そうですね!いやあ、ほんとにそうですね!」と和気あいあいしていた。


薬を処方してもらい、バタバタ自宅療養セットを薬局で買い揃え、いまは母に安静にしてもらっている。幸い熱は下がっており吐き気もなく、食欲も味覚もあるのでかなり軽いほうだと思う。

流行は遅れてやってくる。
わたしだけではなく母もそうだったのかと驚いた。

こういう流行は取り入れなくていいのだけれど、こんなときこそわたしが健康であらねば。



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