ほんまきよこ(Homma Kiyoko)/絵描き

岐阜の山里加子母で暮らしながら、絵や絵本を描いたり、マトリョーシカを作ったりしています…

ほんまきよこ(Homma Kiyoko)/絵描き

岐阜の山里加子母で暮らしながら、絵や絵本を描いたり、マトリョーシカを作ったりしています。 制作のことはもちろん、古楽器奏者の夫ハルさんと主宰している「アトリエ玉手箱」のこと、特別支援学校に通っている超個性派ムスメちゃんの日々について、徒然書いていきます。

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    2024本間希代子 絵画 カレンダー【A4壁掛け】

    2024年のカレンダー出来上がりました。 三角帽子の不思議な子たちと、静かで優しい森の時間。 ほっとするような、語りかけるような、絵を集めました。 あなたの1年のお供に。。。 ・A4サイズ ・2ヶ月1枚+表紙=7枚 ・月の満ち欠けマーク入り ・用紙はアートポスト180kg。ツルッとしています ・紐はワックスコードです 1冊1000円
    1,000円
    アトリエ玉手箱 GALLERY
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    新美南吉絵本『ひとつの火』

    第3回安城市新美南吉絵本大賞作品が絵本になりました。 わたしのデビュー作です。 懐かしくあたたかい、落ち着いた物語、未来へ広がる想像、、不思議な読後感の残る作品になりました。 大切な方へ、ご自分へのプレゼントに。 <あらすじ> 山のふもとの小さな村。ある晩、牛飼いがちょうちんとろうそくを買いにきた。わたしは牛飼いに頼まれて、生まれて初めてろうそくに火をつけた。この火はどこまでゆくのだろう…。少年が灯した火の行く末に思いを巡らせるお話です。 ひとつの火 2023年10月10日 発行 文/新美南吉 絵/ほんまきよこ 編集/松田素子 デザイン/タカハシデザイン室 発行 ‏ : ‎ 安城市図書情報館 印刷・製本/図書印刷株式会社 言語 ‏ : ‎ 日本語 ハードカバー ‏ : ‎ 32ページ 寸法 ‏ : ‎ 21 x 30.3 x 0.7 cm
    880円
    アトリエ玉手箱 GALLERY

記事一覧

絵本『ひとつの火』 できました!

第3回安城市新美南吉絵本大賞受賞作品の『ひとつの火』が、やっと10月に発売されました。それから1ヶ月ぐらい、やっと気持ちが落ち着いてきました。とにかく良い経験させ…

第3回新美南吉絵本大賞いただきました

新美南吉さんの作品を絵本作品にして応募する新美南吉絵本大賞で、大賞をいただきました。何かで一番をいただくことが人生初なので、とても嬉しいです。 制作していた去年…

はじまり

4月になった。 新しい学期が始まった。 始業式の日、ムスメちゃんと一緒に学校に行った。 昨年度の3学期ほとんど丸っと不登校だったムスメちゃん、勇気を振りしぼって学…

片隅のヒヤシンス

クリスマスのちょっと前、ヒヤシンスの栽培セットを買った。 こどもの頃、育てた覚えがあるヒヤシンス。 根っこが水の中で伸びていくのが好きだった記憶が思い出された。 …

日めくりな日々

去年の暮れ、以前車を購入したお店の方が、日めくりをくれた。 「あ、御迷惑じゃないですか?  この頃、日めくりは要らないってお客さんもみえるので、、、  無理には、…

傷ついた心が溶けるまで

ムスメちゃんが、家にいる。 不登校である。 言葉の拙さ、理解の特殊さで、幼い子のように扱われがちなムスメちゃんも11才。本当は年相応に複雑で繊細な世界がある。 自…

同じ景色を写す

去年の終わり頃から、学校に行けなくなったムスメちゃん。 行けなくなったスイッチは、ひとつだけではないだろう。 文化祭で出てきたクッパが怖かった。マスク生活のスト…

絵と向き合う 今の私と向き合う

「ある夜の出来事」 と題した4枚の連作(響宴・エスケープ・束の間の休息・夜明け)を描きました。 1枚が畳より大きい水彩画です。 夕暮れから明け方へ、120人ぐらいの…

アーティスト イン スクール〜小学校で制作した3週間

6月のことです。 私は3週間に渡って小学校の空き教室をお借りして、絵を描きました。 窓から見える山、子どもたちの授業中や遊ぶ声が聞こえてくる教室で、朝から夕方まで…

とにかく走っているよ

バカみたいにやりたいことを詰め込んで、 てんてこ舞いの日々を送っている。でもそれは、自分がやりたいことなのでがんばれている。 去年の今頃、画家だった伯母が死んだ…

夫がニッチすぎるYouTubeを配信している

古楽器奏者の夫は、チェンバロの演奏家であり、またチェンバロを作っている。 ノルウェー留学中に師事していた先生も、演奏家であり楽器製作者でもあったそうで、作ること…

もうすぐ容量が増えるはず

去年は、新しいこと(絵本塾に通う)を始めた。 毎月1回以上絵本のラフ本を作って提出しては、講評を受ける。 結構しんどいと言えばしんどいけれど、毎回新しい発見があ…

埋めるために抱き合って眠る

もう10才になったムスメちゃんと、一つの布団で抱き合って眠っています。 「好きよ〜」 「大好きー」 ちょっと近すぎると思うくらいベタベタしています。 ベタベタし…

可愛いもの

可愛いものを、いろいろ作っていました。 「絵を飾る」ってハードルが高いでしょうか。 よく「飾るところがなくて」とおっしゃる方がいます。 作者の私は実はどこでもオ…

2020年

今年も、もう終わる。 思い返すと、なんだか山ほど色んなことがあった。 身内が何人か亡くなった。 画家だった伯母の作品整理はまだ終わらない。 仕事が無くなったり、延…

11月は憂鬱

今朝は久しぶりに雨。 ムスメちゃんが起きる時間、カーテン越しの部屋はまだ薄暗い。 起きた瞬間から機嫌が悪いのは、夢でも見たのか、気圧が低いからか。。 小さい時から…

絵本『ひとつの火』 できました!

第3回安城市新美南吉絵本大賞受賞作品の『ひとつの火』が、やっと10月に発売されました。それから1ヶ月ぐらい、やっと気持ちが落ち着いてきました。とにかく良い経験させていただいたなぁと感謝感謝です。 昨年12月に大賞受賞をお知らせいただいてから、すぐに編集の松田素子さんとお会いして作品について色々と意見交換をしました。原画を見ながら私がどう考えて描いたのか話したり、物語をより深く理解していくヒントをいくつも下さったり、構図のこと、ノドのこと、細かく打ち合わせしました。私にとって

第3回新美南吉絵本大賞いただきました

新美南吉さんの作品を絵本作品にして応募する新美南吉絵本大賞で、大賞をいただきました。何かで一番をいただくことが人生初なので、とても嬉しいです。 制作していた去年は、ムスメちゃんが不登校でほとんど家にいて、結構不安定で、家族も大変で、そんな中で夫が時間を作ってくれて、なんとか描きあげた作品でした。 描いた物語は、「ひとつの火」 このコンペティションの為に読んだ課題文で、はじめて出会った物語でした。 という文章で始まるこのお話は、 まだ小さい「わたし」が初めて擦ったマッ

はじまり

4月になった。 新しい学期が始まった。 始業式の日、ムスメちゃんと一緒に学校に行った。 昨年度の3学期ほとんど丸っと不登校だったムスメちゃん、勇気を振りしぼって学校に行った。 車で20分。着いた時、もう始業式は終わっていて、体育館では入学式が始まっていた。その体育館の裏に小さな広場がある。幼児向きの滑り台とベンチと人工芝の小さなスペース。そこで一緒に遊んで過ごした。新しい担任の先生が来てくれて、しばらく一緒に遊んだ。 体育館から、和太鼓の音が響いてきた。 ドンドンと響く

片隅のヒヤシンス

クリスマスのちょっと前、ヒヤシンスの栽培セットを買った。 こどもの頃、育てた覚えがあるヒヤシンス。 根っこが水の中で伸びていくのが好きだった記憶が思い出された。 それは幸せな記憶だった。 私は植物を育てるのが本当に苦手で、花瓶の花も植木の花も、申し訳ないことになってしまうことが多いのだけど、ヒヤシンスなら大丈夫かもしれない、、と思い切って買ってみたのだ。 みんなで過ごす部屋に置こうと思って説明書を見たら、最初は暗いところに置くように書いてあった。暗いところ、、でも目につ

日めくりな日々

去年の暮れ、以前車を購入したお店の方が、日めくりをくれた。 「あ、御迷惑じゃないですか?  この頃、日めくりは要らないってお客さんもみえるので、、、  無理には、、、」 とっても恐縮している姿が気の毒になって 「いえいえ、使います。ありがとうございます!」と受け取った。 でも、本当のこと言うと、日めくりカレンダー、最後までめくったことはない。 大体途中で忘れてしまって挫折していた。。。 今年はせっかくいただいたし、お店の人の姿が心に焼き付いちゃって粗末に出来ないし、

傷ついた心が溶けるまで

ムスメちゃんが、家にいる。 不登校である。 言葉の拙さ、理解の特殊さで、幼い子のように扱われがちなムスメちゃんも11才。本当は年相応に複雑で繊細な世界がある。 自尊心だってある。 自分はこうやりたい、という思いもある。 例えばそれが「良し」とされる「見本」と違っても、ムスメちゃんの中では成立している。「こうしたいのだ」「これでいいんだ」と言葉で説明できないもどかしさに、感情が昂る。昂ることに罪悪感も覚える。 周りの善意による対応が、良かれと思っての態度が、きっとサク

同じ景色を写す

去年の終わり頃から、学校に行けなくなったムスメちゃん。 行けなくなったスイッチは、ひとつだけではないだろう。 文化祭で出てきたクッパが怖かった。マスク生活のストレスがここにきて辛くなった。自分ができないことに気づいてしまった。いつかの嫌だった思いが蘇って脳内をヘビーローテーションしてしまう。何かが足りてない。。。。 推理するしかない。 「みんな がっかりしちゃうよ。」が引き金だった。 誰が、どこで、どんな状況で、誰に向かって、言ったセリフなのか。さっぱり分からないけれ

絵と向き合う 今の私と向き合う

「ある夜の出来事」 と題した4枚の連作(響宴・エスケープ・束の間の休息・夜明け)を描きました。 1枚が畳より大きい水彩画です。 夕暮れから明け方へ、120人ぐらいの登場人物(人じゃない存在も含めて)が、それぞれ“そこ”にいます。 制作する前に、父が亡くなりました。死を目の当たりにして、まだ消化されていない悲しみや喪失感を持ちつつも、生き物として自然と受け止めている自分がいます。 だから『死』は描きたかった。 それから『生きること』と『新しい命』や『夜明け』に繋がる希

アーティスト イン スクール〜小学校で制作した3週間

6月のことです。 私は3週間に渡って小学校の空き教室をお借りして、絵を描きました。 窓から見える山、子どもたちの授業中や遊ぶ声が聞こえてくる教室で、朝から夕方までみっちり、だいたい縦1メートル×横2メートルの水彩画を4枚。 こんなサイズを描いたのは久しぶりです。 実は思いの外広い空間で展覧会をすることになったのです。 せっかくだから、大きな作品を描いてしまおう。 売れる売れないなんて頭から放り投げて、絵と向き合おうと。 そうだ、大きな絵を描くモチベーションを保つ為に、子ど

とにかく走っているよ

バカみたいにやりたいことを詰め込んで、 てんてこ舞いの日々を送っている。でもそれは、自分がやりたいことなのでがんばれている。 去年の今頃、画家だった伯母が死んだ。 生まれた時から伯母というには近い関係で育ち、お絵かき教室に通い、大きくなったらアトリエに通い、そのうちモデルのバイトをし、私は絵描き以外の将来を想像したこともない人間に育った。 伯母のことは、いつも批判的な目で見ていたが、画家としてはなかなかやるもんだとも思っていた。 93歳だった。 もうちょっと絵描きと

夫がニッチすぎるYouTubeを配信している

古楽器奏者の夫は、チェンバロの演奏家であり、またチェンバロを作っている。 ノルウェー留学中に師事していた先生も、演奏家であり楽器製作者でもあったそうで、作ることは意外と当たり前のようだ。 最初は、「イタリアンタイプ」を何台か製作し、A3サイズの小さな「こどもチェンバロ」を考案し、「ルネサンスチェンバロ」と名付けた机におけるタイプのチェンバロも作っている。 ちなみに、大きい方が「イタリアン」。手前のちっちゃーーーいのが「こどもチェンバロ」。絵は私が役得で描いています。「ル

もうすぐ容量が増えるはず

去年は、新しいこと(絵本塾に通う)を始めた。 毎月1回以上絵本のラフ本を作って提出しては、講評を受ける。 結構しんどいと言えばしんどいけれど、毎回新しい発見があって、なんだかレベルアップしているような気がする。やりたい何かに挑戦している時は楽しいに決まってる。私、おめでたい。 正直、いつも絵本の内容をどこかで考えているから、頭の中はいっぱいいっぱいで、その上コロナで不自由だし、経済的にはどうしようもないし、ストレスも溜まるし、私のキャパはとっくに超えている感じ。 でも、

埋めるために抱き合って眠る

もう10才になったムスメちゃんと、一つの布団で抱き合って眠っています。 「好きよ〜」 「大好きー」 ちょっと近すぎると思うくらいベタベタしています。 ベタベタしながら、ふと思います。 ムスメちゃんが、小さかった頃。 泣き叫び寝転んで暴れるムスメちゃんをどうしたらいいか分からなくて、呆然と見下ろしていた私。ひどい言葉も投げつけた。居なくならないかなーと思った。どこかへ行ってしまいたいと思った。 本当は分かって欲しかったムスメと 「その時」が辛くてどうしようもない私。

可愛いもの

可愛いものを、いろいろ作っていました。 「絵を飾る」ってハードルが高いでしょうか。 よく「飾るところがなくて」とおっしゃる方がいます。 作者の私は実はどこでもオッケーで、小さな額やカレンダーをトイレに飾ってくれてるの、すごく嬉しい。何気にトイレってじっくり絵と語れる時間だと思うので。 とはいえ、身に付けるものや小物だと、もっと手に取りやすいですよね。 ということで、水彩画の作品からブローチ作ってみました。 こちら、妖精ブローチシリーズの「ポットの妖精」。 マトリョー

2020年

今年も、もう終わる。 思い返すと、なんだか山ほど色んなことがあった。 身内が何人か亡くなった。 画家だった伯母の作品整理はまだ終わらない。 仕事が無くなったり、延期されたりは、まだ続きそうだ。 新しいことも始めた。 noteもそうだ。 マトリョーシカもたくさん作った。 絵本の勉強も始めて、たくさん原稿を描いた。 弱いものにしわ寄せがいく社会を、まざまざと見た。 私はムスメの将来のために、何を用意できるだろう。 本気で始めなければと思った。 無くなったものもあり、出会

11月は憂鬱

今朝は久しぶりに雨。 ムスメちゃんが起きる時間、カーテン越しの部屋はまだ薄暗い。 起きた瞬間から機嫌が悪いのは、夢でも見たのか、気圧が低いからか。。 小さい時からのことを思い返すと、11月は結構情緒不安定なムスメちゃん。癇癪起こして暴れたりする頻度も高い。 ネットで調べたら「11月病」とか「季節性うつ」ってワードが出てきた。冬に向かって気持ちが鬱々としたり、やる気が出なかったりするらしい。 そういえば保育園の時「子ども達11月って荒れるのよ」って言ってた先生いたな。