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こういう金は、一晩で使い切らな、あかん

クソ生意気な役員に、どうしてやろうかと思いながら、話聞いてた。

展示会行った。

お豆腐製造過程で必ず出るおから。

毎月何十万もかけ、産業廃棄物として捨てていると聞いた。食べられるものを捨てることももったいないし、大事なプロテインだ、なんとかならないものか。ナショナル・ジオグラフィック記事によれば、高タンパク質摂取を補給するサプリメントの市場規模は58億3000万ドル(約8490億円)という。

おからを再利用できないものか。良質のプロテイン。ずっと考えてる。

ナショナル・ジオグラフィック2023.10.13付記事

粉をテーマとする展示会、地下鉄車内吊り広告で知った。場所はJOYWOWウラの大阪産業創造館。ここは立ち上げに携わった。

こけら落としセミナーやった。

最高にとんがってた頃だ。

一周年記念イベント基調講演はバンドで出演を条件とした。高額のギャラを、しかも当日現金でくれ、という無茶言い、了解もらった。そのギャラをバンドメンバーで4等分、「こういう金は、一晩で使い切らな、あかん」と、夜の心斎橋へ繰り出したのだが、それはまた別のお話。

粉にする 
粉体をシートにする 
粉を錠剤にする

三社が直接関係ありそうなので、資料もらった。説明も受けた。

「粉にする」会社で最初に対応してくれた社員はまったく商品知識がなく、どうしたものかと思っていた。見かねたおっさんがカバーに急遽入ってくれたのだが、この役員氏、クソ生意気だった(笑)

おからの含有水分を話すと「それは多いですね。普通はこれこれなんですが」

これでカチンときた。

そりゃ製造方法はメーカーごとに違うんだから、おからの含有水分も変わってくるだろう。君も製造業の役員だったら、「普通は」なんていう思考停止言葉を使うなよ。

機械のサイズは、と聞くと処理能力を答える。いやいやそうじゃない。おから処理で一番問題になるのは運賃であり、だからこそ、可能なら工場内に設置し、その場で加工したいんだ。なので、サイズはとても大事なんだよ。

10メートル四方必要という。体育館か。

そういう大きな設備を置ける豆腐屋さんの方が希少で、たいていは小さな設備、小さな工場でがんばってるお店なんです。

プロダクト・アウトを絵に描いたような姿勢。

ちょっとそこ座れ

説教しようかと思ったが、周囲の目もある。

とはいえ、オーダーメイドで製造も可能、というから名刺と資料もらった。

次は;
「粉を錠剤にする」会社で説明を受けた。

おからを粉にしたあと、たとえば錠剤にして、新製品を開発、というのはあり。だから聞いてみた。

ところが、「あー。口に入れるものですかー。うちは」・・・とサンプルというか、配布しているグッズ(バブみたいなの)を渡しながら・・・「これ、お風呂に入れるシュワシュワなんですが、こういうのなら、作れます。人間の口に入れるものになると、製造ラインが別に必要になりますので」

ここも同じくプロダクト・アウト、自分ちの現時点製造ラインを前提に話している。

でも、ぼくからの話は、光源つまりニーズとして、活かせるはずなんだけど。

世の中の豆腐屋さんがみんな欲しがる「粉を錠剤にする」製造設備のヒントを、いま、あなたはもらったんですよ。

でも気づかない。

「うちが売ってるのは、口に入れるものじゃない錠剤製造なので」

B2B企業の何がダメかというと、この姿勢だ。
というか、彼らぜったい、話面白くないよ。

アートに触れることないだろうし、映画観ないし、文学読まない。芝居行かない。

昨日の続きで言うなら、「自分の外」の話しか、できない。
自社の文脈を共有できる内輪ネタとか、スポーツとか(大谷翔平がグラブ6万個寄贈したらしいですね)。

自分の中を掘る、ということは、自社の提供価値を掘る思考につながる。

工場で製造する製品を売っているんじゃないんだよ。

価値を売ってるんだよ。

そしてその価値は、出会いから生まれる。

自分の家のにおい、外から来た人にははっきりわかるのに、自分では気づかない。
それと同じで、

売っているもの
いま工場にある設備

を前提として、それをたくさん売る

ことしか、アタマにない。

何のための展示会か。

世の中のニーズを知るためだ。
対話する相手と出会うためだ。

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