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【GWの読書にいかがですか?】賛否は別れるけど面白いミステリー:『ユージニア』

滋賀県の成瀬が天下を取りに行く話を紹介しても「そんなの知っとるわー」と言われるだけなので……やめておきます。

今回はあまり知られていない「へー、こんな本あるんだ」という小説を紹介します。


今回紹介するのは『ユージニア』というミステリー小説です。
2008年発売ですから、かなり古いです。

これは本屋大賞を取った『蜜蜂と遠雷』、『夜のピクニック』で有名な恩田陸さんの著書です。
恩田陸さんの新しい『Spring』も好調ですね。私はこれから読みます。

さて、『ユージニア』は有名な恩田陸さんの作品の中でも、比較的マイナーです。
読んだことある人は少ないと思います。

ちなみに、日本推理作家協会賞長編賞を受賞しています。
だから、知っている人は知っている話です。

本屋大賞の『蜜蜂と遠雷』や新書の『Spring』は動きがあって、読んでいてスピード感を感じられます。私もそういう話は好きです。

でも、『ユージニア』は真逆です。
登場人物に動きはありません。最後まで謎がボヤっとしたまま展開します。消化不良と思う読者も多そうです。

あらすじを書くとネタバレになりそうなので、書籍の概要をコピペします。

-----【概要】-------------------
あの夏、白い百日紅の記憶。死の使いは、静かに街を滅ぼした。
旧家で起きた、大量毒殺事件。未解決となったあの事件、真相はいったいどこにあったのだろうか。
数々の証言で浮かび上がる、犯人の像は――。
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未解決の大量毒殺事件の真相を追う、ミステリー小説です。
私自身は『ユージニア』は今まで読んだ中で一番面白いミステリー小説だと思っています。

私は狭義のミステリー(探偵ものなど)が好きではありません。どちらかというと、広義のミステリー(物語の中に謎がある)が好きです。
狭義のミステリーを期待して読む人からは、『ユージニア』は期待外れなのでしょう。

賛否がすごく分かれる作品だと思います。
アマゾンのレビューを幾つか紹介します。

Aさん:星2つ
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うーん。
残念ながらまったく楽しめなかった。
多分、頭のいい人ならわかるのかもしれないなぁ。
別の恩田作品にもあったけれど、ほぼ独白だけで進むので、きちんと読まないと、
指示語などがナニを指すのかわからず、残念なことに最後のオチがわからないのだ。
いやいやそこは、書いてくださいよ。
<中略>
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Bさん:星1つ
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導入部は魅力的、徐々に坂道を下るように、冗長にくどくどしくなり、そして結末は尻すぼみ。
最初から、こんな形で終わることを想定して書いているのでしょうか?
読み終わったときの疲労感と失望感は半端ないです。
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Cさん:星4つ
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蜜蜂と遠雷などわかりやすい作品とは反対で、何が真実か最後まで読んでもはっきりとしない。しかしそれが本作の持ち味で魅力となっている。
はっきりとしないことに不満を持つ人は少なくないだろうが、その靄のかかったような読後感が私にとっては非常に心地よいものだった。
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辛辣なコメントが書き込まれていますね。
こんな感じで書き込まれると……私だったら凹みますね。

古い本ですからブックオフなどでも買えると思います。

GWに読む本を探していれば、ぜひ読んで下さい。

私は今まで読んだ中で一番面白いミステリー小説だと思います。
ただ、他の人が面白いと思うかどうかは……どうでしょうね?


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