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道端に少々黒ずんだバナナの皮

タイトル通りである。

道端にバナナの皮が落ちていた。それ以上でもそれ以下でもない。

ただそこに落ちていたのである。少々黒ずんだバナナの皮が。


私はこの光景を見たその瞬間、マリオカートを思い出した。

というか、道端にバナナの皮が落ちているなんて、マリオカートの世界でしか見たことがない。

マリオカートとは、マリオという名のチョビ髭を生やしたイカした男が、彼の仲間や敵達と共に小型自動車に乗って熾烈しれつな争いを繰り広げる、という趣旨のレースゲームである。

このゲーム内では、アイテムの一つとしてバナナの皮が高頻度で使用される。

車道にバナナの皮を放り投げ、それを踏んだ相手の運転を制御不能にするという、非常に悪質な行為が横行している。

煽り運転と同じかそれ以上に危険な行為であり、バナナの皮というのも馬鹿にならないものである。

幸いにも私が見た道端のバナナの皮は、車道ではなく歩道に落ちており、かつ誰も踏まないであろう圧倒的隅の方に鎮座してた。

これがもし歩道の中央に鎮座していたらと考えると、私は恐ろしさのあまり身悶みもだえるのである。


それにしても、一体どんな人物がこのご時世に、道端にバナナの皮を放り投げたのだろうか。摩訶不思議である。

その人はきっと、バナナをムシャムシャ食べながら歩いていたのだろう。

まず、その時点で実にアグレッシブである。イカしてる。少なくとも私は、今までの人生で一度も「歩きバナナ」をしている人を見たことがない。

と思ったが、かろうじて一つだけ例外がある。祭りの屋台のチョコバナナ。

こやつに限っては、「歩きバナナ」の対象となるであろう。だがしかし、チョコバナナには肝心の皮がない。

つまり、皮付きのバナナをムシャムシャ食べ歩いている人というのは、現代において非常に稀有けうな存在ということである。

そして、その人はムシャムシャとバナナを喰らった後、その余った皮を放り投げたのだ。路上に。

私の想像では、その人は鼻歌でも歌いながら、左手首のスナップを存分に効かせて左斜め後ろに向かってポイッと投げたのだと思う。

投げられたバナナの皮は、綺麗な放物線を描きつつ無残な形で地面に着地。

バナナの皮はこれからの日々を、その道端で過ごすこととなるのである。


さあ、このバナナの皮は一体どんな末路を辿るのだろうか。

カラスに捕まって、遠い地へと飛ばされるのか。雨風にさらされて、あられもない姿形となってしまうのか。微生物に分解されるのだろうか。

一体どうなってしまうのだろう。

そんなことは微塵も分からない。でも、ただ一つだけ確かなことがある。

バナナの皮、道端に捨てちゃダメ。
ゼッタイ。

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