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エッセイ集Ⅱ

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ちょっと読むのはしんどいと感じてします本の内容をかみ砕いて書いていきたいと思っています。
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#本

神保町・お茶の水②

神保町・お茶の水②

 本を読み出したきっかけは、何だったんだろうと思い返してみる。確か、通っていた塾で、レコードに納められた、宮沢 賢治の「オッペルと象」(現在の題名は「オツベルと象」らしいが、記憶のまま前の題名で記載した)を聴かされたことだったと思う。そう言えば、あの頃、カセットテープというものも、めずらしく録音されたものといえば、レコードだった。

 塾といっても、そのころ帝京高校で数学を教えられていた先生が開い

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神保町・お茶の水①

神保町・お茶の水①

 多摩と呼ばれる東京郊外で育った僕にとって、子どものころに憧れていた場所がある。それは、古本の王国『神保町』だ。僕が住んでいたところからだと、西武池袋線で池袋に出て、そこから、山手線で新宿を通り、中央線に乗り換えてお茶の水で降りる。後は、徒歩5分ほどで到着する。

 あこがれの場所というのは、大人になった今のようにいつでも電車に乗れる環境ではなかったので、そんな簡単には行けない場所だったという意味

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