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元優等生現問題児〜(4)抜け殻〜

ホームルームが終わり、久々に授業を受けると、まるで見知らぬ外国にいるかのような気持ちになった。ノートを取ってもまるで意味がなかった。意味がわかっていない写経のようなものだ。おまけに課題を何度も出さないものだから、もう問題集1冊分以上溜まっていて、更に気が重くなった。担当教師からの視線も痛い。

それでも何とか授業を受け終えて学校から家に帰ると、疲れ果てて玄関でへたり込んでしまい、そこから動けなくなった。それと同時にこみ上げてくる言いようのない虚無感。この3年間、竜宮城に行った浦島太郎のように中身が変わらないまま無駄に年を取り、身体だけ大人になった自分の存在を抜け殻のように感じていた。

それでもお腹は空くもので、暫くすると冷蔵庫に向かった。どれだけ頭で小難しいことを考えても、生理的欲求には勝てない自分が馬鹿らしかった。今日は金曜日だから、父が週始めに作り置きしてくれていたおかずも残りわずか一品となっていた。明日には単身赴任している父も帰ってくる。そう思うと心は少し楽になるのだった。夕飯を取りながらテレビを眺めていたが、テレビでニュースが流れ始めると消した。何だか急にしんどくなってきて、食事の片付けもできないまままた動けなくなった。風呂に入る気も起きない。携帯電話が電池切れで画面が消えてしまうように、私もそのまま眠りに落ちた。

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