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リモート法務雑感

私も4月6日からリモートで業務をしている。映画館に行けなかったり、ライブにも行けないのがつらいところではあるが、通常業務や日常生活においてはそこまでの支障はない。仕事がなくならないのは、ありがたいことである。

今の会社では、緊急事態宣言辺りから、原則リモートワークになっている。
今回は、リモート業務について思ったことをダラダラと書く。

取締役会

取締役会は全員ZOOMでやっていて、社長だけが開催場所である本社会議室に来ている(そこからZOOM参加)状況なので、別に自分が会社に行く必要はない。しかし、社長が出社しているので一応、という理由と、事務局として一応開催場所に居ておく、という程度の消極的理由から、この時だけは出社している。

会議自体は、特に支障なく行われている。事務局として、事前に疎通確認したり、「ハウリングしないように音量上げ過ぎないで」とか、「しゃべるとき以外はミュートにしておいて」程度の注意書きを事前通知するという事はした。

しかし、何より、これまでは取締役会の際に、前回の取締役会の議事録に押印をしてもらっていたのだが、それができなくなったのが痛い。登記事項がある場合に押印を急ぎ目でかき集める作業が大変である。

リモートワークのコミュニケーション

効率が落ちている部分としては、直のコミュニケーションの代わりに文字のコミュニケーションが増えているということだ。ちょっとしたことをお願いするのでも、文字で細部まで書いて置かないと齟齬が生じやすい。指示を受ける側としては口頭で説明されるより、安心なので助かる部分は大きそうだが、指示出し側の文字を打つコストは増えているだろう。

私は依頼や指示をするより受ける方が多いので、効率が良くなるかと思いきや、そうでもなかった。Slackやメールであちこちから依頼が来るし、その内容に不足があれば(大体ある)聞き返さなければならない。更に自分だけで回答できないことは、上司にも相談しなくてはならない。

メールはともかく、チャットツールでは即レスが求められているように感じてしまうため、ほかの作業中でも一旦中断して見に行ってしまう。Slackのスタンプで「確認します」とつけ、既読だけを伝えて、ブックマークして回答は後にするという工夫はしているが、再度見に来るより早いと思い、回答したりすると、それまでやっていた作業が中断して、順番が狂っていく。

いかにチャットを後回しにできるかが、効率化の成功を左右しそうに思える。

残業の増加

リモートワークであることで、片道30分程度の通勤時間が削減できているわけで、また、雑談も減ったことで確実に、効率化できて余力ができる見込みであったんだが、やたら忙しい。残業時間も大分増えた。リモート関係なく単純に業務が増えている事もあるが、平時より効率が落ちているのかもしれない。

会社で仕事をしていて時間が遅くなってくると、同じフロアの人間が徐々に帰っていくことで焦りが生まれて、変える方向に意識が向かう。しかし、家で仕事をしているとそれがないので、区切りがつかず遅くまで作業してしまう。

細かいところでは、VPNで繋いでいるファイルサーバーへのアクセスがもっさりしているので、その辺りの作業はすごくストレスフル。全部Google Driveに移行してしまいたい。

印鑑撲滅したい

法務として良い変化は、電子契約が促進されていることである。前職で失敗した電子化も世の流れに後押しされれば、何の苦労もなく簡単に進む。少なくとも社内に電子契約での締結を嫌がる人はほぼいない。取引先に拒絶されることもレアケースになっている。しかし、会社の代表印等の捺印が必要なケースは困る。民間同士の方は、内容さえ合意しておけば捺印が多少遅れても許容できるが、悩ましいのは登記周り。

登記についてはオンライン申請を今回から導入して、法務局が認める電子署名の取得までやった(申請はこれから)のだが、取締役会の議事録等は、役員全員の電子署名がないときっと認められなさそうなので、まだそこまでは踏み込めていない。結局全員から押印をもらうように手配しているのが、なかなか大変。

その他にも登記事項の多い会社なので、いちいち「これオンラインでできるんだっけ?」という確認をすること自体が面倒だったりする。自ら研究を進めたいが、新たなガイドラインができることを期待している。

あとは、許認可系の書類提出。労〇局からは、4月中に書類が届き、押印した書類を直接もって来るように書いてあったので正気を疑った。後から電話で確認したところ、書類でも大丈夫とのことだったが。

最後に

やはり出勤時間を削減できるのは大きい。混雑する電車に乗るストレスがない。朝、その分、自宅周辺をお散歩するのは優雅である。

現在、感染拡大がない状況であるから、緊急事態宣言が解除されそうな雰囲気ではあるが、解除と同時に一斉に出社が始まれば、あっという間に後戻りしてしまうこともあり得る。リモートでも回る会社が、緊急事態宣言の解除と同時に原則出社に舵を切るような判断をしないよう願いたいものである。

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