最近読んだ本。

 体調が悪く、家事とかをがんばると読書のための体力すらなかなか残らない中、先月は久しぶりに本を一冊読み終わることができた。
 記録として感想文を書いておこうと思う。

「まほろ駅前狂騒曲」
 三浦しをん/文藝春秋

 読書を始めてすぐの頃から大好きでとても尊敬している作家、三浦しをん先生の、まほろシリーズ三作目にして完結編である。上記リンクは自分が読んだ版のものを貼るようにしているので単行本のものだが、文庫化もされている。
 実は、読み始めたのは年が明けて一月の下旬、車屋さんでリコールの整備作業を待っていた時のことだった。なので、あれから半年かかったことになる。随分長いこと読んでたな。まぁ集中して読める時が、基本的に病院とか用事の待ち時間だけだったこともあるけど…他の本も並行してちょこちょこ読んでたし…。
 ストーリーは、シリーズ一作目のタイトルにもなっている「まほろ駅前多田便利軒」の便利屋である多田と、ひょんなことから多田の所に居候することになってそのまま居着いている多田の同級生、行天の二人が、便利屋の仕事を通してまほろ市の様々な住人たちと出会い、その関係で様々な事件に巻き込まれたり、かと思えばその事件解決に一役買ったりしながら、そして時に自分たちの過去に向き合いつつ日常を送っている様子を描いた話。
 詳しい話はネタバレになってしまうので書かないけれど、今回もすごかった。月並みな言葉でいってしまうと、いい話だった、というやつ。でも、私がこの三浦しをん先生の、最後はほっこり出来る系統の人情ドラマ小説を読むといつもすごいなと思うのが、メインキャラ数名だけでなく、まわりのモブキャラ一人一人まで不思議なほど愛しく感じられること。そのキャラクターたちの中には、人として一般的に見ると、所謂ダメ人間というレッテルを貼られていたり、貼られそうな人たちもたくさん出てくるのだけれど。でも、本当に不思議と、大概のキャラに何故か愛しさを感じてしまう。悪役も、本当にどうしようもない悪人以外は、どこか憎めないキャラも多かったりして。読んでいると、自分を基本ダメ人間だと思いがちな私は、そこに無意識に救いを覚えているのかなぁ、と今この感想文を書きながら思った。
 綺麗で正しいだけの人間なんていないし、正しさや幸せの定義も人それぞれだし、本当に様々な形がある。だから、人を明確に傷付けるようなことをしないように気を付けていれば、無理に綺麗で正しく居ようとする必要なんてないんだなぁ、とか。そんな当たり前のことを、深刻にならない程度に思い返させてもらったりした。
 しかしシリーズほんとに終わっちゃったんだよな…さみしいな…。

 なんか……何が書きたいかよく分からなくなってきたけど、とにかくこのシリーズは著者の作品の中でもとてもおすすめです。とはいっても、一作目は直木賞受賞作だから読んだことある人も多いだろうし今さら感すごいけども。
 ああもう本当に、本当に本当に三浦しをんさん大好きなんだけど、上手くおすすめ出来ない歯痒さ……変な感想文しか書けなくてごめんなさい。本当に申し訳ない。
 

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