見出し画像

このムカつく返答が当たり前の社会になったほうがいいのかもしれない。

先日、漫画喫茶でのことです。

私はよく漫喫でカラオケを楽しむのですが、行きつけの店が JOYSOUND を撤廃するという暴挙に出たため、仕方なく別の店に行きました。


初めての店でしたがカラオケは問題なく楽しめました。
普段通り初恋の記憶が飛ぶほど村下孝蔵を熱唱し、さてひと休み。
無料のソフトクリームでのどちんこを冷やそうとしたときです。


慣れない店ゆえ、ソフトクリームメーカーの置き場がわからなかったのです。


私はフロントに行き、自分より一回りは若い店員に尋ねました。


「ソフトクリームどこですか」

「書いてありませんでしたか?」

「……気がつかなかったな」

「反対側の通路にあります」


紙コップに山盛りのソフトクリームを手にした私は、カラオケルームに戻りました。
ソファに深く腰かけ、沸々と湧き上がるものを抑え込もうとしましたが、我慢なりません。
せっかくのカラオケルームなので大声を出してしまいました。

書いてありませんでしたか? ってのはどういう意味だボケェ!!!!!


見落としたこっちがマヌケだとでも言いたいのか、あ?


書いてあろうとなかろうと訊かれたことにだけ簡潔に答えろ阿呆が!!!



ひとしきり鬱憤をぶちまけると少しは冷静に頭が回るようになって、ふと、いつか観たyoutube動画の内容が思い出されました。

※「過剰なサービスや24時間営業をやめる」のチャプターを参照


労働力人口が減少する日本では過剰なサービスを廃止していくべきだ、という内容です。

元々この動画には大いに納得しておりました。
質の高いサービスは消費者側に立てばありがたいものですが、労働者側に立てばそれだけ時間と労力を奪われるタスクになります。そして、日本のおもてなし精神に象徴されるきめ細やかなサービスの多くは賃金上昇に直結しないのも事実でしょう。例えばコンビニ。二十年前と比べてサービスの種類は五倍にも十倍にもなったでしょうが、店員の時給が五倍や十倍になったわけではありません。


――と、こんなことを踏まえて考えてみると、店員の発言にムカついた私の思考は時代錯誤だと気づきました。
私は安時給であろう漫喫の店員に、「すでに文章で表示してあることを改めて口頭で説明する」という余計なサービスを強いたのですから。

「書いてあるだろ? ボケ」

と毒を吐かれるべきはむしろ私のほうで、サービスをする側と受ける側がこのような力関係になる社会こそ、未来のスタンダードなのかもしれません。


随分前のことですが、マクドナルドが「スマイル0円」なんてやっていましたよね。
あんな精神性、本当に捨ててしまえばいいのでしょう。


「笑顔はタダじゃねえんだよ」


「至れり尽くせりを求めるなら相応しい対価を払って高い店に行け」


世の中がこうなったほうが無駄な仕事は減るし、ソフトクリームが見当たらなくて不機嫌になるおっさんの相手をする必要もきっとなくなりますから!



ちなみに、ちなみにですよ?
廊下にも部屋にも、ソフトクリームメーカーの置き場について記載は一切ありませんでした。
ちなみに! ですがね……