20231228

 外に出ると、家族連れの一行をよく見かけるようになった。おそらく仕事納めで冬休みに入っているので一家揃って出かけているのだろう。一様に小さな子どもたちを持つ若い夫婦といった形態が多い。あとは二世代に渡って集まっている親族らしき人々もいる。わたしは幼年期の記憶――三~六歳くらいにかけて。この頃に生きていた母方の曽祖父は写真で彼が幼いわたしを抱き上げているが、わたしには全く覚えがない。こういうものだろうか。――がほぼない。同じくらいの年齢のときは年末年始をどう過ごしたか、年始は親族の家に行っていた記憶はある。幼稚園時の休みの過ごし方を全く覚えていないのだ。なので、彼らを見るととても幸せそうに見える――もちろん、わたしも虐待されていたとか、そういうことはない――。
 デヴィッド・ボウイのドキュメンタリー映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』を観た。デヴィッド・ボウイ財団が公認する唯一のドキュメンタリー映画らしい。三〇年の間、ボウイが保管していたとされる未公開映像をもとにライヴ映像やMVなどで構成されている。『くたばれ!ハリウッド』などで知られるブレット・モーゲンが監督を務めている。ドイツ、アメリカ、日本など世界各地を移住してきた彼が、その度に受けてきたインスピレーションと音楽について語る。両親との確執、徴兵後に精神を病んでしまった腹違いの兄の存在など、彼のアイデンティティの根源について明かす場面は印象的だった。

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