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京都その1

冬に京都に行った。たしか二月頃だと思う。今は六月だから四ヶ月も前になる。
そのとき付き合って二、三ヶ月の恋人と京都行きたいねーとなったので行くことになった。
旅行っていうのがそもそもそんなに得意ではない。何年か前に一人で北海道に行って友人の家に三、四日泊まったことがある。そのときは基本的に一人で行動していて、夜だけ友人と話すといった感じだったからストレスはあんまりなかったが、それでもすごく疲れたのを覚えている。持って行ったメモ帳に意味のわからない四コマ漫画を大量に描いていたのでかなり疲れていたんだと思う。
フランスにも行ったことがある。イギリスに一ヶ月くらい語学留学していたとき、その中の休日に行ったのだが、あまり仲の良くない人と行ったせいで何か良くないものが身体の中に溜まった感じになり、僕は彼に「じゃあ」と言って別々で観光することにした。一緒に行った彼にも迷惑な話ではあったと思うが無理なものは仕方がない。
そういったことを彼女に話していたので旅行は一泊で行くことになった。一泊でも僕には僕がまた一人行動し始めるかもわからないのでとても緊張していたけれど、まあそうなったら仕方がないから別行動でもOKという感じで許してもらった。(オードリーの若林のラジオに西加奈子が出ていた回があったのだが、そこで若林が「西さんみたいにこじらせたやつの気持ちがわかる人なんてほとんどいないですよ」という感じのことを言って西加奈子は「クラスに一人はいるで」と言っていたのを思い出したけど、クラスに一人はいなくてもまあまあいるらしいということに気付いたときはすごい助かった気持ちがしたが僕の友人はまだ気付いてないっぽいので早めに気付いた方がいい。しかしこじらせたやつの気持ちがわかるやつはこじらせたやつであることもあるがおあいこ。)

京都へは新幹線で行ったのだけれど、朝が早かったから彼女はずっと寝てたので僕はずっと外見てた。じゃがりこ買い忘れたなあと思いながらずっと外見てた。京都に着くと駅の中に蕎麦屋なのかうどん屋なのかみたいなところがあって、そこのガラスケースの中にニシン蕎麦というのがあって、なんだこれとなって、たぶん京都名物なんだろうなあとか思って通り過ぎる。泊まるところに荷物を置きに何駅か地下鉄に乗って荷物を置いたあと、ごはんでも食べようとなって入った小さな蕎麦屋にもニシン蕎麦がある。僕はニシン蕎麦を頼んで、彼女は天ぷら蕎麦を頼んでた。ニシン蕎麦はかけ蕎麦の上にニシンの甘露煮が乗っているというものなのだが、魚と蕎麦って意外と合うんだなと思って食べる。でもこれ一緒に食べなくても良くない?という声もどこかから聞こえてくる…

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