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文学フリマで本を売るための3か条

最近、「文学フリマで本を売るためには」みたいなnoteが増えてきた気がします。流れに乗っかって、ぼくもそういったnoteを書いてみることにしました。

とはいえ、まず最初に書かなければいけないことは、

「これさえやればどんな本でもとぶように売れていく!」なんて魔法はない!

ということ。

本やZINEやリトルプレスの価値の源は、作品の持つ魅力です。

そして、本を売るということは、この作品の魅力を売り場でいかに引き出すか、にかかっています。

だけど、作品の魅力というのは作品ごとに大きく違う。ざっくり考えても、恋愛小説と怪奇小説と評論系の魅力は大きく違うわけです。

魅力が違うものは、その魅力の引き出し方も違う。同じ売り方でいいわけがない。

つまり、「どんな本でも飛ぶように売れる売り方」と言うのは存在しないわけです。

これから、僕がZINEの販売で実践している三つのことを書くけれど、決して「こうすれば売れる!」という話ではありません。「最低限これだけはやっとけよ」という、超基本のお話です。

僕、一応、文学フリマ東京で100冊以上を売り上げているので、最低限の効果はあるはずです。

基本① 敷物を用意するべし

読んで字のごとく。ブースのテーブルに何か布を敷いてから、設営を始めましょう。

実際、文フリをはじめとするイベントでは、敷物を用意しているブースがほとんどです。何もしかずに机むき出しにしているブースは、やはりちょっと粗末に見えてしまいます。

そのブースや作品の魅力を引き出すための最低限の演出が、「敷物を敷くこと」なのです。

僕の場合は、いつもZINEを風呂敷に包んで搬入し、その風呂敷をそのまま敷物として使っています。

正確に言うと、最初から敷物として使うために風呂敷を購入しました。柄も「ブースの敷物として使う」ことを前提に、こだわって選びました。

僕は忘れ物が多く、イベントの2回に1回は何か忘れ物をしています。

敷物なんてひらひらするモノ、絶対忘れやすいに決まってる!

でも、「ZINEを風呂敷に包んで搬入する」「その風呂敷をそのまま敷物として使う」、これなら絶対に忘れない! 「ZINEを風呂敷に包んで搬入する」を徹底すれば、絶対に忘れることはない!

基本② なるべく本は立てて見せるべし

たまにただ本を平積みしてるだけのブースを見かけます。

ですが、本は可能な限り立てて見せた方がいいです。

僕は4冊を立てて、4冊を平積みと言うスタイルでやっています。ちなみに、立てて見せてる方が、売れ筋です。

もっと本格的な台を用意して、9冊ぐらい立てて並べるブースもあります。

なぜ立てて見せる方がいいのか。

少しでも人の目線に近い方が、売れやすいからです。

他のイベントでの話なのですが、僕の隣のブースがかなり気合の入れた装飾をしていたんです。

ところが、そのブースの本はほとんど売れず、あきらめたのか店主は途中で帰ってしまいました。

かなり気合入ったブースだったのに何がだめだったんだろう、と思い返してみたところ、そのブース、装飾にはこだわっていたのですが、全ての本が平積みだったんです。

このことから学んだ教訓。どんなに目立つブースでも、まずは本が目立ってなければ意味がない、ということです。本を目立たせるためには、立たせまよう。

ちなみに、上に載せた写真は、紙で作った棚(A3の画用紙に切り込みを入れて、折るだけで完成)に、75度で立てかけてるだけです。これだけでも、まず倒れません。

基本③ 極力スマホは見るな

文学フリマなどのイベントではお客さんがいないときにブースに座ってスマホをいじっている人をよく見ますが、僕はそれを極力やらないようにしています。

なぜか。

ヒマそうに見えるじゃん。

ヒマに見えると、「このブースは人気がないのかな?」というイメージを与えてしまう、それだけで客足が遠のく可能性があるからです。

実際、文学フリマに出たら、スマホを見ている暇なんてありません。たとえ、一冊も売れてなかったとしても。

むしろ、売れてないときこそ、スマホなんぞ見ないで、「なぜ売れないのか」を真剣に考えなければいけません。

いまがたまたまお客さんがいない時間帯なのか。導線の問題で人の流れが来ないのか。人は来てるのに自分のブースの前で足が止まらないのか。

さらに、気にはなっているんだけど結局足が止まらないのか、そもそも目線すら止まってくれないのか。

もっと言えば、どういうお客さんが興味を持ってくれるのか、どういうお客さんが全く興味を示さないのか。

スマホを見ている間、こういった現場でしかわからない貴重な情報を、全て見落とすことになるんですよ。

文学フリマに出る以上、売れようが売れまいが、「ヒマな時間」なんてほとんどないのです。


以上の3つが、文学フリマで絶対にやらなきゃいけないと僕が考える3か条です。

くどいようだけど、この3つは「これさえやれば売れる!」ではなく、「最低限これはやっとけ」というものです。やらなかったらまず間違いなく売り上げは下がると思うけど、これをやったから売り上げ爆上がり、なんてことはないです。

この3か条に加えて、それぞれの本の魅力にあった売り方をしないといけません。

逆に言うと、敷物も用意せず机丸出し、棚も用意せず平積みのみ、ずっとスマホをいじってる、つまり、ただ作品を置いただけではよほどのことがない限り売れません。

「よい作品さえ作れば、置いとくだけで飛ぶように売れる」なんて幻想を捨てること、これこそが文学フリマで最低限売れるための、最も基本的なことなのです。

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