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14. スピーキング能力向上策〜「英検1級二次試験」賛歌

 読む、聞く、書く、話す、の技能の中で、「話す」能力は最も伸ばすことが難しいと私は考えています。
 個人の感想ではありますが、まるで雨水が地面に浸透し、年月を経て湧き水として地上に湧き出てくるような、それくらい能力の伸長に手間暇かかるような気がします。
 同じアウトプットである「書く」ことも難しいのですが、考える時間がある分、瞬発的に言葉を発さなければならない「話す」方に特別な難しさを感じます。

 これを真とできるなら、「話す」力にこそ英語の力が反映されるものだとも言えるのではないでしょうか。

 そんなことで、私は「話す」力、つまり、スピーキング力向上を重視しています。

 なぜそうなったか。

 それは、初めて臨んだ英検1級二次試験の不合格体験が原因です。
 それまでは、仕事でも英語を使う機会はありましたし、商談を成立させるなど、成果も挙げられていたので、自分が話せる方だとは思っていないまでも、話せないとは思っていませんでした。
 しかし、初めて受けた二次試験の面接で痛感しました。

 「あ、やべ。俺、英語話せない…。」「英検の面接難しい…。」

 私が英検1級の面接が難しいと理由は3つあります。
 ①まず、トピックは多彩で、それでいて問題の志向は切り口に悩む抽象的な側面もあります。
 提示される5つの題材に対応するためには、日頃から幅広いテーマに関心を持ち、英語のメディアに接していないと対応不可です。
 不合格を含めて今まで二次試験を3度受検したことがありますが、計15問の中で、自分が事前に準備していたトピックと同じトピックはみたことありません。

 ②次に時間制限のハードルがあります。1分でスピーチの構成を考え、体内時計を頼りに2分以内でスピーチを収めます。
 話しながら考える必要もあります。初めて二次試験に臨んだときは、トピックカードに書かれている問題文の意味が頭に入ってきませんでした。そうです。
 私、緊張して焦っていたんです。
 時間制限の圧力から精神的に追い詰められているが故に緊張すると、元来備わっている全ての能力が目減りする事実を実感しました。

 ③更には、目の前に英語の力が卓越している面接官2名が座っています。
 コミュニケーションの究極は対人的意思疎通です。
 同じスピーキングにしても、パソコンを使用するTOEIC S&Wとは違う圧がその場には存在します。
 自分の話している内容が理解可能であるなら、頷きながら聞いてもらえますが、うまく伝えられていない場合、如実に面接官殿のいぶかしい反応が見て取れます。
 これに耐えうる能力と度胸が必要です。

 つまり、社会情勢の知識とそれらに関する英語の表現を記憶し、さらにそれらの知識を表現できる能力が必要だと私は思っています。
 
どれか一つの要素でも欠けてしまえば合格は難しいのではないでしょうか。

 そのため、英検1級二次試験は、英語の瞬発力が試される高級な知的ゲームだと私は思います。
 英検でなくても、TOEFL、IELTS、ケンブリッジ英検でもスピーキング能力は測定できます。
 中でも、IELTSとケンブリッジ英検では、CEFR C2を測定できるハイレベルな試験です。
 しかし、いずれの受験料も3万円弱です。

 コストの面から見ても、スピーキング能力向上にとって、英検1級はよい試験だと思います。

 私は今後も英検1級への挑戦を続けることとします。

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