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7年ぶりに読書をした人による2023年の読書の歩み

学生時代、本を読むのが好きだった。
なのに私は社会人になってから忙しさを理由に本を読むことをやめていた。

実際は本を読む時間はあるのにスマホをだらだら触ったり、ゲームをしたりする時間に費やしていた。

だけど去年に一冊の本と出会い、学生時代の読書欲が呼び覚まされた。
読書感想文なんて中学生以来書いたことないし、読書自体が7年ぶりくらいなので未熟なりに振り返ってみる。

読んだ順番に並べています。
ミステリー多め。



・小説ダークソウル 弁明の仮面劇 (マイケル・A・スタックポール)

伝説のRPG”ダークソウル”のオリジナル小説。
この小説のおかげで自分の中の読書欲が目を覚ました。

読もうと思ったきっかけは、ダークソウルが大好きでドはまりしていた時期にこの小説の発売を知ったこと。
正直ゲームのノベライズはゲーム体験に劣るという偏見があった。
だけどその偏見を見事に打ち砕いてくれた。

ダークソウルのゲームとは全く異なるストーリー・登場人物だけどシステムはダークソウルのアレなのだ。
不死人で魔法使いの主人公。
何回も死にながら絶望的な強さの敵に挑む冒険。
死ぬと”篝火”に戻されるあの感覚、そして安心感。
敵を倒すと手に入る”ソウル”から得られる敵の本質と記憶。

ストーリーもあのダークソウルの重厚で暗い絶望感がしっかりと再現されていた。
ダークソウルファンだけではなく、剣と魔法のダークファンタジーものが好きな人も楽しめる作品だったと思う。

ファンタジー小説は学生時代にもあまり読んだことが無かったけど、食わず嫌いはよくないと学んだ。


・そして誰もいなくなった (アガサ・クリスティ)

ミステリーの女王、アガサ・クリスティの代表作。

読み終わった後、しばらく余韻に浸っていた。
トリックがすごいというのもあるけど、ストーリーが秀逸。
犯人は最後までわからなかった。


・屋根裏の散歩者 (江戸川乱歩)

”江戸川乱歩と名作ミステリーの世界”という雑誌の付録に江戸川乱歩などの名作ミステリー小説が豪華な装丁でついてくるというもの。

ディアゴステーニの雑誌と同じように創刊号だけ499円と安くなっていたのでお試しに買ってみた。

江戸川乱歩の本は実は生まれて初めて触れた。
それまでは江戸川乱歩の小説は難しくて読みづらいというイメージがあった。

そんなことありませんでした…!
スルスルと文章が頭に入ってくる。
情景が頭に浮かぶ。

普通なら主人公の異常心理なんて全く理解できないはず。
江戸川乱歩の文章を通すと、すんなり主人公の異常心理を受け入れられてしまうことに驚いた。

短編集なのも読みやすかった。
毎日1つの物語を読むと、ちょうど良い長さ。
コーヒーを飲みながら読む、江戸川乱歩は堪らない。

江戸川乱歩の本格的な推理小説と、人間の異常心理を描いた怪奇小説、どちらの作風も好き。

江戸川乱歩の小説は青空文庫で全て無料で読むことができる。


・D坂の殺人事件 (江戸川乱歩)

先ほど紹介した"江戸川乱歩と名作ミステリーの世界 2号"の付録。
しばらく自分の中で江戸川乱歩ブームが訪れる。
こちらも短編集。

"人でなしの恋"と名探偵 明智小五郎の登場する、タイトルにもなった"D坂の殺人事件"の話が特に好き。


・少女地獄 (夢野久作)

こちらも"江戸川乱歩と名作ミステリーの世界 3号"の付録。

夢野久作の短編集。
夢野久作に触れるのも初。
『ドグラマグラで有名な人だな』くらいの知識しかなかった。

まさにタイトル通りの"少女地獄"がこれでもかというほど味わえる。

収録されている物語である"何んでもない"が特に好き。

ヒロインの"姫草ユリ子"というキャラクターの魅力。
とんでもない悪女なのになぜか憎めない。

しかも結末は最初にわかっている、なのに"姫草ユリ子"という女性から目が離せない。
嘘に嘘を塗り重ねていくあの泥沼の感覚、ちょっとわかっちゃうんだよな…

この小説も青空文庫で無料で読むことができる。


・桜井政博のゲームについて思うこと (桜井政博)

”大乱闘スマッシュブラザーズ”や”星のカービィ”の生みの親、桜井政博さんが執筆したファミ通コラムを1冊にまとめたエッセイ。

これがほんっとうに為になる…!
ゲーム開発者はもちろん為になると思う。
ゲームをする側の人間として、開発者の視点を知れたから世界が広がった。

桜井政博さん自身もゲーマーで、様々なゲームを楽しんでいる姿も見られます。
普段ゲームに全くかかわらない人にとっても、桜井政博さんからたくさんの学びを得られると思う。

そして桜井政博さんというひとりの人間が大好きになりました。

仕事がめちゃくちゃできる、桜井政博さん。
愛猫の”ふくら”にメロメロだったり、
家ではエアロバイクを漕ぎながらゲームをしつつ、ドラマを倍速で見ているというエピソードだったり、天才の人間的な一面が見れるのも良い。

マイナスな言葉がほとんど登場しない桜井政博さんのコラムで、唯一怒りをあらわにした”ネタバレ”に関するエピソードが地味に好き。


・カササギ殺人事件 上下 (アンソニー・ホロヴィッツ)

このミステリー、すごすぎるぞ…!

1日で下巻1冊読み切ってしまった。
ご飯食べることも忘れて7時間ぶっ通しで読んだ。
ネタバレ厳禁な内容なので、あらすじを紹介しづらい。

上巻読み終わる。「犯人は誰だ!?」
焦る気持ちを抑えてすぐさま下巻を読み始める。
すると仰天してまた上巻を読んで「え?え?」と言いながら下巻を読んだ。

何も知らずにこの小説を読めて本当に良かった。

"カササギ殺人事件"に関する記憶を消してもう一回読ませてくださいと願わずにはいられない。


・ヨルガオ殺人事件 上下 (アンソニー・ホロヴィッツ)

カササギ殺人事件の続編。
必ずカササギ殺人事件を読んでから読んでください。

相変わらずこのミステリーもすごい!!
読み進める手が止まらなくて2日で上下巻を読み終えた。

・変な家 (雨穴)

雨穴さん自体はあまり知らなかったんだけど、間取りミステリーというジャンルに惹かれた。

ミステリー初心者の自分でもすごく読みやすい!
文章が対話形式だから、インタビュー記事を読む感覚でどんどんミステリーを読み進められる。

最後に全てが繋がる感覚が気持ちいい。
自分のようなミステリー初心者の方にオススメしたい1冊。
もちろんミステリー好きな方も手軽に楽しめると思う。


・変な絵 (雨穴)

変な家は間取りミステリーだったけど、変な絵はタイトルの通り絵をテーマにしたミステリー。

変な家とは話がつながっていないから、変な絵単体でも楽しめる。

一見普通の絵の謎が解けた時、ゾクっとした。
自分なりに絵を観察しながら推理する楽しさを感じた1冊。


・怪人二十面相 (江戸川乱歩)

また江戸川乱歩の本格ミステリーが読みたくなったけど、本を買いすぎてカツカツだった時期。

青空文庫の本が読める無料スマホアプリ"ソラリ"で江戸川乱歩の小説を探していたところ見つけたのが"怪人二十面相"

長編の本格ミステリーで、これがあまりにもワクワクが止まらない作品だった。
推理バトルがアツい!

名探偵 明智小五郎と助手の小林少年、そして怪人二十面相の駆け引きが堪らない。

小林少年が秘密道具を使うシーンが好き。
『小林少年頑張れ!!』と小さな探偵にエールを送り続けていた。
少年探偵団のみんなの健気さにも心を打たれた。

どんな手を使っても盗みは絶対に成功させるけど、人殺しはしないという怪人二十面相が憎めない。 


・ハリーポッターと賢者の石 (J.K.ローリング)

ハリーポッターの映画を観た時の記事でも少し触れたけど、実家に帰省した時に祖母からハリーポッターの小説を手渡されたので読んだ。
「おばあちゃんには字が小さすぎるから、あげるね」とのこと。そうだよね。

子供の頃に見た金曜ロードショーでチラッと映ったヴォルデモート卿が怖すぎてトラウマになったこともあり、ハリポタシリーズにさほとんど触れてこなかった。

なんでハリーポッターがあんなに人気があるんだろうと思っていたけど、小説を読んで納得の面白さ。

魔法界の全てが常識はずれでワクワクする。

ハリーポッターをいじめているマグル(魔法の使えない人間)のダーズリー家の人々が、ハグリッドという黒髭モジャモジャの大男にビビるシーンは痛快。

スネイプ先生が、勘違いでローブを燃やされるシーンもなんか好き。

これを機にkindle unlimitedに登録して、ハリーポッターシリーズを毎日少しずつ読んでいる。


・ハリーポッターと秘密の部屋

これも帰省時に、祖母から小説を渡されたので読んだ。
ハリーポッターシリーズにハズレなし。

・ハリーポッターとアズカバンの囚人

いい話ですよね…
ハマりすぎて1日1冊ペースでハリーポッターを読んでいたので、祖母に心配された。


・ハリーポッターと炎のゴブレット

ここから先のハリーポッターシリーズはkindleで読んだ。
ブラックフライデーのキャンペーンで3ヶ月99円で入会できるというのがあったので迷わず加入。

kindle、めっちゃ快適です。
スマホで読んでいるので、タブレットが欲しいなぁ…と思っている。

炎のゴブレットは最後のシーンでケチョンケチョンに泣いてしまった。
映画版を観て再び泣いた。


・江戸川乱歩ベストセレクション1〜4 (江戸川乱歩)

青空文庫で無料で読めるのに装丁が美しすぎて買ってしまった。
内容は"江戸川乱歩と名作ミステリーの世界"の付録で読んだことのあるものも多かった。

けど2回目を読んでも新しい発見があったりする。

"屋根裏の散歩者"に収録されている、"暗黒星"が好き。
自分はミステリージャンルが好きらしく、明智小五郎シリーズはどれも大好き。

人間椅子の絶妙な気持ち悪さもなんか癖になる。
よくこんなの思いつくなぁ…



ハマったらとことんハマる性格だから、7年ぶりに本を読んだ割には結構気になる本を読めたと思う。

今年に入ってからは"変な家2"も読んだりして、順調に読書を続けられている。
現在は"ハリーポッターと不死鳥の騎士団"も読んでいる最中。

朝スマホをダラダラ触ってた時間を、コーヒーや紅茶を飲みながら読書をする時間にするだけで毎日がすごく充実したものになっている感覚がある。

せっかく復活した読書習慣なので、2024年も自分のペースで読書を続けていきたい。

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