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詩人の石垣りんさんを知り考えたこと。


本の紹介をしているテレビ番組から

次に読もうかなという本の情報探し中。
そんな時、NHKのこんな番組を発見。
録画していたのをやっと見ました。

子どもたちには興味ないから
平日の昼間に私だけで見ることの多いもの。
でも、春休みなので私が見ているのを
そばで息子も見ていました。

平和と暮らし

一緒に見ていた時に、息子は
くらしという詩を見ていて
「何か……こわい。」とつぶやきました。

 「くらし」  石垣りん

食わずには生きてゆけない。
メシを
野菜を
肉を
空気を
光を
水を
親を
きょうだいを
師を
金もこころも
食わずには生きてこれなかった。
ふくれた腹をかかえ
口をぬぐえば
台所に散らばっている
にんじんのしっぽ
鳥の骨
父のはらわた
四十の日暮れ
私の目にはじめてあふれる獣の涙。

この頃は、戦後。
女一人で家族を支えていた作者の生活から
心情が詩に現れています。

そんなことは未体験の、現在令和。
息子にとっては異世界でしょう。
よくわからない。
でも、何かこわい印象をうけています。

怖いこと。
それは、みんな逃げたいでしょう。
だとしても、過去にそういう時代が
あったことは事実です。

小学校高学年なら、いけるかもしれない。
知ることも必要だから。
なるべく、身近な例えを出して
「これは本当にあったことなんだよ。
ほら、ワンピースのマンガにもあったでしょ。
ワノ国みたいな状態の人が多かったの。」

ワンピースのおかげで何となくわかったようです。
「これは、昔の日本なんだね。」と言っていました。

そう。
そうなんだけれど、
本当に昔のことなのかな……。
今でも、世界では武器を売り、武器を買い
戦争は終わっていません。
巨大ビジネスは動いています。

私は、母として息子に何て教えていくといいんだろう?
未来を創っていく子どもたちに
平和とはどういう状態のことなのか、
どういう言葉で伝えていけばいいのでしょうか?

一番いいのは、言葉なんかよりも
大人が本当に平和で楽しい世界を生きて
背中を見せていくことなのかもしれません。
言葉が足りない私では、
今日はうまく伝えられませんでした。

ルフィが叫んでいた
友達だち友達が腹いっぱいメシを食える世界!!!!」が
やっぱり最高なのかもしれません。
よしっ、尾田先生におまかせしよう。
そして、私は美味しいご飯をつくろう。

ここで、息子はテレビから離脱しました。
まぁ、お付き合いありがとうございました。

自分の手で表札をかける

こんな詩も紹介されていました。

「表札」  石垣りん

自分の住むところには
自分で表札を出すにかぎる。

自分の寝泊まりする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない。

病院へ入院したら
病室の名札には石垣りん様と
様が付いた。

旅館に泊まっても
部屋の外に名前は出ないが
やがて焼き場の鑵にはいると
とじた扉の上に
石垣りん殿と札が下がるだろう
そのとき私がこばめるか?

様も
殿も
付いてはいけない、

自分の住む所には
自分の手で表札をかけるに限る。

精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない 
石垣りん
それでよい。

堂々と、自分の名で生きる。
私で言うとなんだろう?と考えさせられました。

なごやっこ和は、
名古屋に住んでいる和ちゃんです。
そして、いろいろな名前(表札)があります。
専業主婦。
元保育士。
母親。
妻。
娘。
長女。
女。
嫁。
楽天家。
日本人。
店の客。
noter。
発信者。
読書家。
作家。
旅人。
地球に住む人。

これらの中には、社会の役割として
与えられたものもあるし、
自分から名乗っているものもあります。
ここに、様や殿をつけてしまうと
驕りが発生してしまいます。
「おひとり様」とかにしても。
天狗にならないように注意が必要です。

それでも、
人は、褒められると嬉しいものです。
丁寧に扱われると、いい気分になります。
上品にもてなされると、自信がつきます。
そして、いろいろな人から選ばれます。

「綺麗だね。」
「かわいいね。」
「かっこいいね。」
「素敵だね。」
「センスがいいね。」
「うまいね。」
「すごいね。」
「さすがですね。」
「憧れます。」
「最高です。」
「天才。」
「お先にどうぞ。」
「これ、あちらの方からです。」
「サービスでございます。」
「あなただから指名したの。」
「あなたがふさわしいの。」
「さぁ、どうぞ。」
「あなただけの特別の一品となります。」

これらの言葉をかけられて、
嫌な気分にはなりませんよね。
尊重されている感じがしますから。

そうだとしても、「表札」の詩を読むと、
他人からのもてなしに酔う自分に気づけます。

自分の寝泊まりする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない。

もてなしを素直に、「ありがとう」と
受け取ることは大事です。
その上で、驕らないように。

精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない 
石垣りん
それでよい。

自分の名前のまま生きる。
堂々と、自信をもって。
それって、とってもかっこいい。
そう思いました。

豚もおだてりゃ木に登る。
そんな自分を恥じれるように。
名著から学びます。

思考のまとめ

初めて知った石垣りんさん。
本音で書かれた詩から気づかされました。

平和な暮らしは、美味しいご飯から。
人を幸せにするごはんは、笑顔がついてきます。
今ある小さな幸せに気づけました。

表札は自分で掲げて、驕らない。
上質なおもてなしを感じると心地よいです。
それにあらがえない自分に気づき、
そこで調子にのらないことを思い出させてくれました。
自分の名で生きることの大切さを。

言葉は、思考のタネです。

今日の学びは大切な2つのこと。
①平和と暮らし
②自分の手で表札をかける

ふとした時に思い出せるように、
今日もnoteに綴っておきます。


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