コミュニケーション支援では、発信よりも受信(確実はキャッチ)から。
この記事は1,535文字あります。個人差はありますが、3分〜4分でお読みいただけます。
このnoteではVoicy(音声配信)で配信した内容のテキスト版(要約版)です。詳しくはVoicyで聴いて頂ければと思います。
ちなみに、Voicyは下記チャンネルで毎日更新しています!
今回は「コミュニケーション支援」がテーマです。
どうぞお付き合いください。
どうして受信が大事なのか?
コミュニケーションに関する相談で多いのは、特に発信に関することです。たとえば、「どうすれば言葉が出るようになるのか?」や「どうしたらコミュニケーションが上手くなるのか?」などです。
これは、当然と言えば当然です。
ただ、この点について僕がいつもお伝えするのは、「発信は重要だけれども、それ以上に大切なのは受信」ということです。僕らは、理解できないことは表現できませんから、わかることを増やすというのがコミュニケーションのスタートと言ってもいいかもしれません。
たとえば、このテキストは日本語で書いていますが、それは僕が日本語を知っているからです。ただ、その中でも、日本語であればなんでも使えるわけではなく、「自分が理解している言葉に限る」という条件付きです。つまり、自分が知らない言葉は使えないということです。
今「己己己己(いこみき)」という四字熟語をネットで調べました。こういう言葉があるんだと知ったところで、その意味を知らなければ使うことはできません。たとえば、
それなのに、「難しい言葉を使えば、頭が良さそうに見える!」とか勘違いして、「僕、今日は己己己己なんだよね」とか言われても、意味がわからなかったりします。ちなみに、己己己己(いこみき)って、互いに似ているものをたとえていう四字熟語らしいんです。
そう考えると、ますます「僕、今日は己己己己なんだよね」ってわけがわからないわけです。
ですから、意味のわからない言葉だけを覚えても、コミュニケーションという文脈で考えたら意味は薄いわけです。
わかるから活用できる
学習障害(限局性学習症)のある方々にとっても同様です。たとえば、漢字を書くには、その形をとらえる必要がありますが、読みが難しくて、そもそも形を捉えることに困難を抱える場合には書くことも難しかったりします。
コミュニケーションの支援を考えるとき、まずは相手が何を期待しているのか、どのような情報が必要かを理解することも大切です。他にも、発語がなくて、話し言葉も十分に理解できないお子さんがいたとします。そのため、「ご飯だよ」と声をかけても反応しないとしても、お茶碗を見せて「ご飯だよ」と言えば、反応してくれることがあります。そうすると「お茶碗=ご飯」を意味しているということがわり、ご飯の要求をお茶碗を使ってできるようになったりします。
仕事でも、言いたいことをまとめるのが難しいと指摘される際に、そもそもどのような情報が求められているのかが十分に伝わっていない結果、全てを説明してしまう場合もあったりします。
たとえば、「〇〇はどうなっている?」と質問された時に、それが何を意味しているのかわからなければ答えることはできません。でも、「〇〇の進捗状況は、何%くらいまで進んでる?」と聞かれれば幾分は答えやすくなります。
まとめ
キャッチボールで言えば、ボールを捕れなければ投げ返すことはできません。仮に捕れなくても、ボールを拾いにいって投げ返すことはできますが、面白くないので、「もっとキャッチボールしたい」とは思わないでしょう。
コミュニケーションも同じです。わかるから、楽しいし、もっとコミュニケーションが取りたいと思うのではないでしょうか。
より詳しくはVoicyを聴いてもらえればと思います。
では。
佐々木康栄
災害時に役立つさまざまな情報
これまでnoteにまとめていましたが、TEACCHプログラム研究会東北支部のホームページに集約しました。宜しければご活用ください。
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