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チームの根っこを考える|KOELができるまで #3

こんにちは。KOELの武田です。

私たちKOELは、NTTコミュニケーションズという会社のとある1部門なのですが KOEL という別の名前を名乗り社内外で活動しています。今回は「なぜKOELという愛称やミッション・ビジョン・バリューを作ったか?」ということについてお話ししたいと思います。

バックグランドの違う人たちの想いを、ひとつにするには?

まず、そもそもなぜ「デザイン部門」とは別の愛称、そしてミッションやビジョンが必要だったか、というところから。

一番の目的は、メンバー全員がチームに誇りを持てて、同じ方向を目指せるようにしたい、というところでした。言い換えれば、土台となるチームの根っこをつくることです。

KOELには現在約20名のメンバーがいます。ずっとデザインをやってきたメンバーだけでなく、営業、社内情報システム、コンシューマー向けサービス、研究開発…多くのメンバーが、それぞれのフィールドでデザインの重要性に気づき、KOELに集まってきました。スキルも、マインドも多様で、時には勢い余って衝突することも。

そんなメンバーや、これから迎える新しいメンバー、皆が想いを一つにするためはどうすれば良いか。その答えの一つとして私たちがたどり着いたのが、自分たちの存在意義・目標を明確に定め、それを社内外に宣言していくことでした。

振り返り、これからを考え、再構築する

愛称やミッション・ビジョン・バリューを決めるにあたっては、ワークショップを通じてメンバー全員で考える形を取りました。

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ワークショップでは「前身のデザイン組織で大切にしてきたこと」「それぞれが考えるありたい姿」「こういう未来は嫌だ!」など様々な角度でチームについてを議論しました。議論を重ねて形にしていくと、同じだと思って使っていた言葉にもそれぞれの意味があることに気づけたり、あるメンバーの強い想いはある経験から来ているものだったと知れたり、いろいろな発見がありました。また、ワークショップを通じて自分たちのこれまでを改めて振り返り、未来をみんなで考えることで、更に自分ごとにできたと思っています。

そうして生まれたのが以下のミッション・ビジョン・バリューとKOELという名前。

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作成の過程で特に議論となったポイントが2つありました。

1つは、顧客志向という考え方をどう表現するか
そのまま言葉として入れる案も当然ありましたが、技術志向から顧客志向への転換というテーマを考えても、別の表現ができないか、という議論がありました。その中で出てきた「愛される」という言葉。

もう1つは、「インフラ」という言葉を使うかという点。
「インフラ」という言葉にはある種のレガシーさのようなものを感じる人もいるかも知れない。読んだ人に変革のイメージを持ってもらいたいなら「インフラ」は外した方が引っ張られないのでは。そんな意見もありました。
一方で、我々の公社時代からのDNAとして社会を支えるインフラ企業としての使命感のようなものがあり、それは今に至るまで脈々と受け継がれていると、メンバー全員が感じているところでもありました。「インフラ」という言葉がレガシーさを感じさせるのであれば、そういったイメージを払拭していくこと、それ自体を変えていくことが変革ではないか。そんな議論が交わされました。

最終的にはこの2つの言葉を組み合わせてビジョンの核としました。「愛される」という言葉の温かさと「インフラ」という言葉の無機質さとの組み合わせに、一見、違和感を感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、その違和感をなくしていくことが、私たちが実現したいことの1つです。

お客様のことを考え抜く顧客志向で愛される社会インフラをデザインしていきたい、そう本気で思っている少し暑苦しいくらいのメンバーがKOELにはたくさんいます。

KOELにたどり着くまで

愛称を決めるにあたっては、「表現したいテーマ」と「表現の方向性」という大きく2つの観点を持って、何度か拡散と収束を繰り返しました。
表現したいテーマは、「そもそもなぜデザイン組織を立ち上げるのか」「どういう組織にしたいのか」といったところを具体的に挙げていき、それを統合させる形で3つ選びました。

MASSIVE but AGILE
CHANGE COMMUNICATION
CHANGE / DISRUPT

表現の方向性については、それぞれ以下のようなイメージとしたときに、どういった名前であるか、というのを意識して出すようにしました。

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そうして生まれた約100個の案から絞った最終候補4案について、LPやステートメント、ロゴのプロトタイプを繰り返し作ってイメージを固めていきました。最後はメンバーで投票。満場一致でKOELという名前が選ばれました。

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最終的にできたWebサイトはこちら。

40.89°

こうして決まったKOELという名前には、あらゆるものを「超える」という私たちの意志を込めています。良い意味でNTTらしくなく、これまでのNTTコミュニケーションズを、お客様の期待を、そして距離を、デザインの力で超えていきたいと思っています。

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真ん中に大きく入れた切り込みの角度は40.89° 。これは人が物を投げる時に最も遠くへ飛ばせると言われている角度に由来しています。デザインという手段の投げ手として、時には自ら飛び込むボールとして、より遠くへたどり着きたいという想いを表現しています。

チームの根っこ

今回、ミッション・ビジョン・バリューを言語化し作ったことで、チームや個々人としての判断軸も明確になり、一人ひとりがより自律的に行動できはじめていると実感しています。時にすれ違っていた想いも、チームの根っこができたことでその上に立って議論ができるようになりました。

これからのチャレンジ

KOELは前身の組織の時から、大企業と聞いたときに想像されるようなピラミッドのようなものではなく、かなりフラットでオープンな組織文化があるチームです。これはメンバーそれぞれのパーソナリティやマネジメントスタイルによるところもありますが、KOELとしても引き続き持ち続けたい文化です。ワークショップ時も、これは残したい文化として皆が挙げていた部分でもありました。

当社のような大きな組織でデザインを活用していくためには、都度指示を待っているよりも、大きな目的は共有しつつ、その時々の状況に合わせてメンバー一人ひとりが自律的に活動していくことが大切だと考えています。ミッションを実現する上で組織規模の拡大は避けられないですが、拡大させていく中で、どうやってこの文化を繋ぎ、想いを一つにしていくのか、というのはこれからの大きなチャレンジであると思っています。

今回お話ししたミッション・ビジョン・バリューをどう日々の行動に繋げていこうとしているかについては、また別の機会にお話ししたいと思います。

最後に一点ご紹介を。
KOEL立上げに並走いただいているKESIKIのnoteで、今回のプロジェクトについて紹介いただいています。私たち目線の本記事と合わせてお読みいただくとプロジェクトの意義ややったことについてより深く知っていただけると思います。ぜひご覧ください。

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NTTコミュニケーションズのデザイン組織KOELと、デザインファームKESIKIとで、オンラインイベントを開催します。ぜひご参加ください。


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