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マイBest読書


今日は読んだ本の中で好きな本をまとめていきます。


小説編


容疑者Xの献身


東野圭吾の作品。

ミステリーなんだけど、犯人が分かってる状態で探偵役が追い詰めていく倒叙ミステリーというジャンルです。
刑事コロンボとか、古畑任三郎に近め。

あらすじ
天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。 彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。 だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。

探偵役が証拠を揃え追い詰めていく一方、犯人役の心情描写も丁寧で、サスペンス要素が強いです。

また、石神が赤の他人の親子のために偽証を続けるため、人間ドラマとしても読みごたえがあります。

東野圭吾は単なるミステリーで終わらずそれぞれにテーマ性がありますが、容疑者Xは中でも一番のお気に入りです。




ドグラ・マグラ


日本三大奇書と呼ばれる小説の1つです。

あらすじ
見知らぬコンクリートの一室に目覚めたわたしは、自分が誰でなぜここにいるのか分からない。若林という法医学者の説明によれば、ここは九州帝国大学の医学部精神病科の病棟で、今は大正15年11月20日。一か月前に自殺した正木博士なる天才精神医学者が、わたしが生まれたときからわたしをある実験台にしているのだという。わたしは、従妹にして婚約者だという隣室の美少女と会わされるが、それでも何も思い出せない。正木博士の遺志を継いでいると自ら語る若林教授は、わたしが何者か思い出させるためだといって、正木博士の残した文書をわたしに読ませる。

一応ジャンルとして推理小説とされてはいますが、
精神病・SF・トンデモ設定・劇中劇・メタフィクションなど要素をこれでもかというぐらい詰めこんでいて、一度の読書では理解することがほぼ不可能です。

読んでいて頭がおかしくなってきますし、読み終わった後の読後感も最悪です。

しかし裏を返せば、間違いなく自らの価値観を破壊されます。
「小説で表現できるもの」のギリギリを攻めていて、これを書き上げた筆者は凄まじいなと思いました。


ちなみに僕は高校2年生の留学時代に、暇すぎて電子辞書の中に入ってたこの本を読みました。
他にすることがあればこんな発狂しそうな本読まないので、奇跡の出会いでしたね。




風の中のマリア


百田尚樹の小説。
彼の政治的主張はともかく、小説家としては天才だと思います。

あらすじ
晩夏に生まれたオオスズメバチのマリアは、自らの育った帝国・姉妹や女王蜂のため、恋もせず、必死に戦い続ける。他の生物との関わりの中で、生物は子孫を残すことが目的であり、子孫を残さず、帝国のために働く自らは変わった存在であることを聞くが、それが自らの運命と気にすることはなかった。ある時、オスバチのヴェーヴァルトと出会って恋をするとともに、新たな女王蜂の育成や自らの役割を教えられる。姉との会話の中で妹たちを育てる役目を再認識し、帝国の維持のために邁進する。

あらゆる生物は「子孫を残す」という目的の為に生殖能力が備わっていますが、
ハチと蟻だけは自らの遺伝子ではなく女王バチ(アリ)の遺伝子を残すために生活しています。

いわば、巣全体が一つの生命体のようにふるまっており、働きバチは巣を防衛・食料を供給するだけの一生を過ごすことになります。

そうした世界観の中で、働きバチを主人公として描くとともに、「何のために生きていくのか」という哲学的命題について提起した小説です。


色々考えさせられる物語で、僕はこれを読んで「人間社会も1つの生命体」のように類推しながら楽しめました。

あと、これを読んでから外でハチを見かけると愛おしくなるようになってしまいました。
ハチに感情移入させられる百田尚樹は天才だと思います。




論説編


嫌われる勇気

アドラー心理学の本です。

内容
本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。
欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。
この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか?もしくは、なにも変わらないのか…。さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょう―。

論説というか対話篇なんですが、「人生とは捉え方である」という解釈論についてかなりの考察がなされています。

人生はポジティブに生きたほうが良いに決まってるんですが、
言うは易し行うは難しですよね。

この本は、そういった前向きに考えるためのプロセス・実践的手法について書いてあるので、生きていくうえで大いに役立つと思います。




岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。


大好きなゲーム会社、任天堂3代目社長・岩田聡さんの哲学を抜粋した本です。

内容
ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されたたくさんのインタビューや対談、そして任天堂公式ページに掲載された「社長が訊く」シリーズから重要なことばを抜粋し、再構成して1冊にまとめました。

天才プログラマーとして多くの名作ゲームを生み出し、任天堂の社長としてニンテンドーDSやWiiなど革新的なゲーム機をプロデュースした岩田聡さんの、クリエイティブに対する思いや経営理念、価値観、ポリシー、哲学などが凝縮された本です。

僕はゲームクリエイターのアイデアに感化されることが多いのですが、
おそらく岩田社長は一番影響を受けています。



岩田社長は2000年に任天堂の社長に就任し、「ゲーム人口の拡大」を目標としてニンテンドーDSやWii、3DSなどをヒットさせていきます。

Wiiの後継機であるWii Uは「据え置き機だが、テレビが使われていてもモニターで遊べる」というコンセプトのもと開発されますが、
ソフト開発が追いつかず販売数は不振に終わります。

しかし、そういった失敗をタダでは終わらせず、後にノウハウをニンテンドースイッチに活かします。
2015年に岩田社長は病気で亡くなってしまいますが、結果的に2017年に発売されたスイッチは5年で1億台売れるといった快挙を成し遂げます。


個人的に彼の凄い所は「岩田イズム(≒任天堂イズムになっている)を形成し、それを世界に広めたところ」だと考えています。

岩田イズム
社員が怯えながら作ったソフトは人の心を動かせない(のでリストラはしない)

プレゼンが好きなタイプではないが、自分がやった方が都合がよいならやってしまう(ニンテンドーダイレクト、E3)

制作の意図を知ってもらうため、任天堂ホームページ上で社内の開発者に社長がインタビューする企画「社長が訊く」を開始

言語化能力が非常に高く、マリオの生みの親・宮本茂の考えを「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」と解説した。


とにかく「ゲームを通じて人を幸せにすること」を初志貫徹しており、そのためなら何でもできてしまう社長業を超えた超人です。

反面、働きすぎで短命に終わってしまったのが非常に悲しいですが、彼の考えやアイデア、哲学は任天堂のゲームが好きな皆の心の中で生き続けてると思います。

この本は、そんな彼の言葉を読みやすくまとめてくれている本です。
糸井重里さん、出版してくれてありがとうございます。




イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」


問題解決のプロセスを整理してくれている本です。

内容
発売12年、時代が変わっても読者が増え続ける不朽の一冊イシューからはじめるとやるべきことは100分の1になる!「ロジカルシンキング・問題解決の決定版」「AI×データ時代の必携書」脳科学×戦略コンサル×ヤフーのトリプルキャリアによる究極の問題設定&解決法。

「努力は報われる」という言葉がありますが、
この本は残酷なまでに「間違った努力」を否定します。


問題解決のためには

①解くべき問題を見極める
②問題を分解し、クリティカルな仮説を立てる
③仮説を立てて初めて努力が活きる

というプロセスが重要で、
思考停止で努力をする道から救い出してくれる内容です。



上記に完璧に基づいて思考・実践するのは難しく
読んだ僕もできていません。

しかし、仕事や人生設計をする上で選択の骨組みを作ってくれるところは間違いなく役に立ちます。



おわりに


僕にとって本を読むことは食事のようなもので、アイデアは栄養のように補給され自らを構成する血肉となってくれます。


しかし、食事をするだけして運動しないと栄養過多になるのと同様に、

インプットしたアイデアを消化し実践しなければ頭でっかち人間になってしまいます。


習慣的な読書( and ゲーム等インプット全般 )は継続する一方、
自らのアイデアを実践する場所を作り上げていくことも目標に今年も頑張ります。


それではまた。

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