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(133) 自分の授業を研究する方法

2021年5月1日(土)

2020年度の「教える技術オンライン研究会(OGOK)」(全10回)から、研究トピックや研究スキルを紹介するシリーズの第8回目です。今回は研究スキルとして「自分の授業を研究する方法」を取り上げます。最後には、そのレクチャービデオ(25分)を紹介しています。

・授業の成果を測る4種類の方法

自分が担当している授業で、何か新しい教え方の工夫や、ユニークな教材を導入したということがあれば、その効果を測りたくなります。良い効果があればその工夫を継続します。逆に、特に効果がないというのであれば、別の工夫を考えるということになります。それは自分の授業を改善するサイクルの一環です。同時に、そうしたことを積み重ねていくにつれて、それを研究の形にしたくなってくるでしょう。ここでは、自分の授業を研究する方法を紹介します。

授業を実施して、その成果を測る方法は、大きく分けて次の4つの種類があります。

(1) 受講生の最終的なパフォーマンス
(2) 受講生の体験としての授業評価データ
(3) 心理尺度で測られる態度の変化
(4) 自己評価ではないパフォーマンスデータや行動データ

(1) 受講生の最終的なパフォーマンス

1つ目は受講生の最終的なパフォーマンスです。これは、最終テストや最終レポート、あるいは最終プレゼンテーションなどによって、受講生がどれだけの知識とスキルを身につけたかを測ります。これは同時に、受講生の成績をつけるための基礎データとなるでしょう。授業を研究するかどうかにかかわらず得られるデータです。

(2) 受講生の体験としての授業評価データ

2つ目は受講生の体験としての授業評価データです。これは、コースの最後に実施される授業評価アンケートに代表されるものです。通常は大学で統一されたアンケートフォームが用意され、それに受講生が回答する形で得られるデータです。このアンケートでわかるのは、受講生がこの授業をどのように体験したかを感情的側面(おもしろかった、楽しかった)と認知的側面(ためになった、役立ちそう、自信がついた)で測ったものです。

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