4-お勧めの本19

【本】糸井重里『インターネット的』:インターネットというお皿に何を盛るか

木曜日はお勧めの本を紹介しています。

今回は、糸井重里『インターネット的』(PHP文庫, 2014)を取り上げます。

■要約

インターネットとインターネット的の違いは、自動車とモータリゼーションの違い、お皿とそこに乗せるものの違いだ。その鍵は3つあって、リンク、シェア、フラット(とグローバル)。リンクとは、役割や肩書き以外の情報や人のつながりということ。シェアとは、おすそわけであり、それをすることで市場の中で好感を持たれること。フラットとは、人を仮面舞踏会にすることと、価値観が多様化するということ。

■ポイント

2001年に新書として出されたにも関わらず内容的には古さを感じさせないどころか、インターネット的ということの重要性が増している。それを「ほぼ日」をどうやって作っていったかということとともに語っている。

インターネットではソフトがイニシアチブをとって何かが生まれていく。それはいかにも値段に見合った商品らしい商品ではない。完成品でなくても今すぐ欲しいという人もいる。その一部だけ欲しいという人もいる。少しの人たちが熱望しているという場合もある。

文章がヘタなのに面白い、ということが成り立つのがネット社会。書き手が楽しくイキイキとした生活をしていれば、書いたものは面白い。

プライオリティが大事。いろいろな価値があり、その中で一番大事だと思うものを決めることが大事。その優先順位を決めていくには、「やりたければやる」「選びたいものがあったら、もっといいものを待つよりも、すぐにやる」というのがインターネット的。

いま思っていることは、新鮮なうちに、今言ってしまわないと、ほとんどが消えてしまう。試しに語ってみる、とりあえず始めてみることによって、アイデアやクリエイティブは膨らんだり転がったりして、大きな何かに化ける可能性がある。

インターネットという、いつでも、いくらでも仕事をし続けられるような道具ができたら、もっと「休み方」を真剣に考えていかないと、キツイことになる。休み方の上手な人になる。

作者の幸せ観・世界観が必要。それがなければビジネスは「利益のため」だけの戦争になってしまうし、作品は「当てる」ためだけのものになってしまう。

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