教える技術ヘッダ

「深める/広げる/育てる」の3つの層で活動していく。

2017年3月7日

(火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています)

自分の勉強や研究を考えるときに次の3つの層を考えるとよいのかなと思っています。

1. 深める
  自分の専門を深めていく。その専門に特化する。
  専門と自分の興味のベクトルを合わせる。

2. 広げる
  自分の専門とそれ以外の領域やトピックを組み合わせる。
  意味のあるニッチ(隙間)、ニーズのあるニッチを見つける。

3. 育てる
  自分の専門とニッチの仲間を見つけ、協力する。
  そうすることでその領域を豊かにし、その後継者を育成する。

まず自分の専門を「深める」ということ。

実は自分の専門は何によって決められるのかはよくわかりません。最初から自分の関心に従って、これがやりたかったことだという専門になることもあるでしょうし、たまたま偶然の巡り合わせでそんなことになってしまったという場合もあるでしょう。あるいは、いやいやそういう専門をやる羽目になってしまったということもあるかもしれません。

どのような場合にしても一度はその専門を深めていく必要があります。その過程で新たな発見もあるでしょうし、それを心底面白いと思えるようになることもあるでしょう。それは努力をして、そこまでの「深さ」まで専門を掘り下げないと気づかないことなのです。そのプロセスの中で、徐々に自分の興味のベクトルも変わっていきます。面白さの感じ方が変わってくるということです。

次に自分の専門以外のところに「広げる」ということ。

自分の専門を深めていくとそこに軸足を決めることができます。そうしたら、その専門以外のところに関心を広げていきます。そして、自分の専門とそれ以外の領域やトピックを組み合わせます。自分の軸足を決めて、外の領域を広い目で見ていきます。そしてあらゆる組み合わせを考えて作ってみます。

その組み合わせの中から意味がありそうなもの、ニーズがありそうなものを見つけていきます。それがニッチ(隙間)です。そのニッチがまだ世間に気づかれていないものであれば、その場所はあなたのオリジナルとなります。そのニッチの先駆者となることができます。広げるということは、自分の専門と何かを組み合わせてニッチを見つけることです。そのニッチはあなたの強みとなるでしょう。またそのニッチから自分の専門領域を変革することもできるでしょう。

最後に自分の領域を「育てる」ということ。

進歩はひとりの力では起きません。自分の専門とニッチにおいて仲間を見つけ、協力し、分業していくことが必要です。そのことによって自分の専門領域とニッチ領域を耕し、さらに豊かな領域としていくことができます。その中で自分の後継者を育てていくことができます。このような活動が人類の進歩のために寄与することになります。

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