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学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その1】

 2011年1月に香川県高松市で「学生服リユースショップさくらや」の店舗を開設した馬場加奈子さん。最初の取材は、早くも2月26日号のリビングたかまつという無料のコミュニティ新聞でした。開店情報が写真付きで掲載されました。

 そして3月4日には、毎日新聞の四国版に「さくらや」が紹介されました。その後、産経新聞の地方版や四国新聞(香川県内の地方紙)にも「さくらや」の記事が掲載されました。学生服のリユース店自体が全国初で珍しかったので、取り上げられやすかったのかも知れません。

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  その後、9月にはコミュニティラジオのFM高松とテレビせとうち(テレビ東京系列)に取り上げられました。翌年2月にはNHKのローカルニュースにも取り上げられました。このときの取材は印象が良かったと馬場さんは言います。NHK高松放送局に在籍していたその記者は、その後本局のスポーツ担当になったそうです。

 メディアに取り上げられることが増えるにつれて、馬場さんには起業をテーマにした講演の依頼が来るようになりました。2014年7月には、高松商工会議所が主催する「高松創業塾」にパネリストとして出席しました。8月には馬場さん自身も受講した高松市主催の「地域チャレンジ塾」でプレゼンターを務めました。

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 2015年12月に「さくらや」がTBSのがっちりマンデー!」に取り上げられると、講演の依頼は全国から寄せられるようになりました。このころは、起業をテーマにしたセミナーや講演会が主体でした。馬場さんは女性の起業応援塾である「キャリスタ塾」の運営にも関わっていたので、メンターとしての経験も講演に活かしたそうです。

 その後、全国的に「子どもの貧困」や「子ども食堂」が注目され、政府でも子どもの貧困対策が講じられるようになると、「さくらや」の運営を通じて子供の貧困の実態を日常的に経験し、社会福祉協議会とも連携し始めていた馬場さんに、自治体などから「子どもの貧困」をテーマとしたフォーラムなどで、プレゼンテーションやパネリストの依頼も来るようになりました。

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 こうして講演やセミナー、フォーラムなどで「さくらや」での起業や「キャリスタ塾」でのメンターとしての経験、さらには子どもの貧困の実態や対策について世の中に伝えていると、出席者や聴衆の反応が良くて馬場さんとしてもやりがいを感じたそうです。

 日本大学文理学部での講義で馬場さんがゲスト講師として「さくらや」での経験をしゃべったときは、受講した大学生が書いた感想のコピーが後日送付されて、講義の準備が大変だった馬場さんも苦労した甲斐があったと感じたそうです。

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 そんな経験を積み重ねていくうちに、馬場さんは自分の経験をもっと多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。講演や講義でたまたま馬場さんの話を聴く人以外にも、馬場さんの経験を知りたい人がいるのではないかと思ったのです。

 ちょうどその頃、英誌「エコノミスト」の元編集長のビル・エモット氏が、日本で活躍する女性にインタビューする本をまとめるために日本を訪れていたのですが、馬場さんにもインタビューしたいと香川までやってきました。馬場さんは、東京都の小池都知事らと並んで自分が取材されると聞き、自分の経験が求められるのなら、それをまとめて出版するのもいいなと思うようになりました。

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続く


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