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第1回 「うつ病」の基礎知識と「精神科を受診する目安」【一部100円返金可】

この記事では、うつ病がどういうもので、受診すべきかどうかの基準について述べます。また、受診の際に注意すべき重要なこと、受診のメリットとデメリットを述べます。(※☆の部分のみ有料ですが無料部分だけでも役に立つ内容となっています


〇うつ病について基礎知識

この節では『うつ』とは何かしっかり確認します。『うつ病』は『うつ状態』(あるいは抑うつ状態)が長く続き、生活に支障が出る病気です。

では『うつ状態』(あるいは抑うつ状態)とは何か?分かりやすく言えば、気持ちの落ち込み・悲しみ、興味・関心・幸福感・自尊心の低下、希死念慮(死にたいという気持ち)に苦しんでいる状態と言えるでしょう。

『うつ状態』は、短い期間で消えてゆき、生活に支障なく回復してゆく場合もしばしばあります。ところが、中には回復してゆかず長く続き、生活に支障が出てくることがあります。こうなると『うつ病』ということになります。

生活に支障が出るというのが、次にあげる例のようなものが、複数現れる状態だと思って差し支えないでしょう。

気持ちの落ち込みにより

  • 眠れない・寝すぎる

  • 歯磨きや入浴、更衣などが困難

  • 食欲減退・過食

  • 趣味などの楽しみ・喜び・興味の消失

  • 職場や学校でのミスの多発

  • 就労や学業が難しくなっている

  •  死にたい気持ちにとらわれる

などが現れる状態です。

そしてうつ病の本質は生活に支障が出ることで物事が出来なくなり、最悪生きている事すらできなくなるということです。

〇うつ病のメカニズム

うつ病がなぜ起こるのかは正確には解明されていません。一説として脳内の物質の異常が原因の一つと考えられています。脳内の神経細胞はたくさんあり、それぞれ繋がっています。つなぎ目にはわずかな隙間があり、これを「シナプス間隙」と呼びます。ここでは脳内物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどが行き来して連絡を取り合っています。この隙間で行き来しているセロトニンという物質が少なくなるとうつ病になると言われています。しかし、それ以前では、ノルアドレナリンが少なくなるとうつ病になると考えられていました。精神科の薬は、シナプス間隙でのセロトニンやノルアドレナリンの濃度を高めるものが殆どです。

〇うつ病はこころの風邪ではない!

一昔前より、うつ病は『心の風邪』と言われるようになりました。これは『身体だけじゃなくてこころも病気になることがあるのですよ』という意味で使われると思います。

ただ、重要なことを一つお伝えすると、うつ病は風邪のように軽い病気ではありませ。うつ病は、重症度の差こそあるものの、基本的には『心の複雑骨折』くらい重度のものです。最悪の場合は命を落としかねない恐ろしい病気なのです。そのため、本気で治療に専念する必要があります。このことを御存じない患者さんも多いです。

私が精神科の看護師をしていた時、患者さんから尋ねられることの多い質問に、『私のうつは軽症なのではないでしょうか?甘えているだけなのでしょうか?』というものがあります。これは患者さんがうつ病の重さを自覚できていない典型的な例です。

この質問に対する私の答えはこうです。「うつ病自体がしっかりと治療に専念しなければならない重い病気です。『自分は甘えているのではないか』と考えるのは、自分を責めるという『うつ病の症状の一つ』の可能性もあります」このように伝える場合があります。

もう一つ重要なことを言うと、うつ病は治る可能性のある病気ではあるものの、治っても再発しやすく繰り返すことがある、しぶとい病気です。そういう意味でも、簡単な病気ではないと言えるでしょう。うつ病が治ったとしても、再発しないように心身のコンディションに気を配る必要があります。

〇精神科を受診するかどうかの見極め

精神科受診を検討する目安として、一番簡単なのは、先述のうつ状態が2週間以上続き、改善の兆しがない場合というものです。うつ病は実は時間の経過とともに治ってゆくこともあるのですが、そうでないことも多く、2週間改善がなければ、うつ病を疑われます。

あとは、死にたい気持ちが強い場合です。うつ病は自殺を引き起こす可能性のある、重い病気という事は先述した通りです。死にたい気持ちが強かったり、自分を傷つけるような行動があれば、受診を検討する必要があります。

〇精神科にかかる前の注意

精神科にかかろうと思っても、多くの病院は予約制になっています。ですので、かかりたいと思ったときに書かれるわけでもないのです。予約は数週間待ちというところが多いですが、数日という場合もあり、クリニックによります。初診ですと、診察に1時間ほどかかりますので、予約が取りづらいという現状があります。そのため、受診を決めたら予約を早めに入れないといけません。内科や外科などとは違い、飛び込みで見てもらえるわけではないからです。

〇精神科にかかるメリット・デメリット

初めて精神科にかかる方には分かりにくいかもしれませんが、精神科にかかると、メリットとデメリットを受けることになります。これを知らずしてかかると後々損することもあります。メリットには症状が悪化したときの逃げ道を得られることが真っ先に挙げられます。一方、デメリットはお金に関する事が挙げられますが、克服方法もあります。ここでは

  • 精神科にかるメリットー苦痛から逃れる道を得られる

  • 精神科にかかるデメリットーお金の問題のクリアの仕方

を説明いたします。大変申し訳ありませんが、以下は有料になります。特に初めて精神科にかかる方には値段以上の価値があるよう書かれています。この先を読まれない方は、次回「精神科の上手なかかり方」をご期待ください。

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