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第4回 カット前のカウンセリングにおいて、大切にしていること

このnoteでは、原宿にてフリーランスで活動する美容師、小浜田 吾央の仕事観についてお伝えしています。前回(第3回)記事では、小浜田がカウンセリングをじっくり行う理由についてお伝えしました。

そして本記事では、もう少し踏み込んで「カウンセリングの具体的な内容」をお届けできたらと思っております。

あ、申し遅れましたが、今回から記事の執筆をします、コピーライターの寺門(てらかど)と申します。今、小浜田くんとチームを組んで様々な創作活動をしていまして、彼の仕事に対する向き合い方、すなわち魅力にもっともっと迫るために、今回から第三者の視点でみなさんに紹介していきます。

カット前のカウンセリングってお客さんの希望を聞くだけだと思っていたのですが……。どうやら彼のスタンスは、少し違うようです。

髪への不満や日々のストレスを言語化していただく

ーー フリーランスになってからは、とくにカウンセリングを大切にしているとのことですが、お客さまに対して、具体的にどのようなカウンセリングをしているんですか?

今の髪型に対しての“嫌な部分”や”日々のストレス”を聞くようにしています。ネガティブアプローチと言いますか。いきなり「どんな髪型にしたいですか?」とは聞かないんですよね。

ーー え!知らなかった。でも初めてのお客さまだと、「髪への不満」ってすぐに答えられなさそうですけど。

そうですね。髪や髪型の嫌な部分を聞いて、パッと答えられるお客さまは少ないですね。でもそれでいいんです(笑)。「悩み?あ、なんでしょう?」「えーーと、そうですねー」というお客さまの第一声から、僕のカウンセリングは本格的にスタートします。

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髪に対するストレスって、お客さま自身が当たり前になり過ぎていて、すぐに言語化できないものなんですよ。あとは「そんなことを言ってしまって困らせないだろうか」という美容師への遠慮、さらには悩みが深刻すぎて心をひらけず、言葉にするのを憚っていらっしゃる場合など、さまざまな要素が絡み合っているんです。

ーー なるほどー。でも自分の髪の悩みを吐露できたからって、カットに影響があるんですか?

自分の髪のことを客観的に把握できるようになると、今後、日常生活を送る上での髪へのストレスってかなり軽減できるようになるんです。つまり根本的な解決に繋がる。今までは「気になることが当然」と思っていたのがいつの間にか気にならなくなっていたり、毎朝のセットに時間がかからなくなったりと。

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そして、根本的な解決をするためには悩みやストレスをお客さま自身でしっかりと認識&把握してもらうことがなにより大事になります。

「くせ毛は気になりますか?」「髪の重さはどうですか?」「前髪はどうですか?」など、こちらからキーワードを投げかけながら、お客さまの悩みに向き合っていると、「あーそいうえば、この感じが嫌ですね」「ハネるのがストレスでした」などとポツポツと言葉にされるようになり、そして核心部分の悩みを一度言語化できると、その瞬間から堰を切ったように悩み・ストレスをどんどん伝えてくださるようになるんです。

ーー すごい。心理カウンセラーみたいですね。

悩みが言語化できれば、あとはそう時間はかかりません。解決策をいくつかご提案しながら、ここでようやくお客様のご要望も伺いつつ、なりたい姿を僕とお客さまとで共有していきます。

カットは魔法じゃない。だから、お客さまにも努力をしていただく

ーーなりたいイメージを明確にしてお客さまと共有できてはじめて、カットが始まるのですね。

そうですね。あ、カウンセリングとは少し話は逸れるのですが、カットの前に必ずお伝えしていることがあるんですよ。それは「過度な期待をしないでください」ということ。

ーー でも原宿の美容室で、ヘアメイクもできる美容師さんに切ってもらうんだから、お客さまが期待するのは当然なのでは。しかも「根本的な解決」と言っていた先ほどの話と矛盾するような……。

もちろん満足していただくために、一人ひとりのお客さまと真摯に向き合っていますし、手を抜いたりするわけではありません。お客さまの悩みに対して根本的に解決できるようにも努めていきます。

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でも、カットの次の日から何もしなくても良くなるわけじゃないんです。きちんと髪を乾かしたり、自分に合った整髪剤で髪を整えたりと「お客さま自身も髪と向き合い続けてくださいね」と正直にお伝えするようにしています。カットは魔法ではないので。

ーー言われてみれば確かにそうですね。どんなにカットで仕上がりが良くなっても、毎日、自分で髪をケアしてなければ意味がない。

お客さまが期待して僕のところに来ていただけるのは本当に嬉しいのですが、僕もがんばるので、お客さまも「毎日の生活で髪への気遣いは忘れないでくださいね」という感じですかね(笑)。

あと僕の場合、先ほども言ったように、お客様の髪の悩みを解決することを念頭に置いたカットをします。だから、仕上がった瞬間に、華やかさや美しさをそれほどお客さまは感じないかもしれません。

ーー え?どういうことですか?

「あ、髪型がなんかいい感じだな」「まとまりがよくなって、嬉しい」などと、お客さまに思ってほしいタイミングって、僕の場合、髪を切り終わったその瞬間ではないんです。

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日々の生活の中でのふとした瞬間、髪型に意識を向けたときに「あれ、ストレスが減ってる」「以前より髪のこと気にしなくなってる」を叶えたいんです。だから、美容室に来ていただいたその日だけ良い感じになるようなやり方はしないんですよ。

ーー たしかに、美容室でカットしてもらった直後って、上手に乾かしてくれて、ワックスでセットもしてくれるから、ものすごく良い感じになりますけど、その後の日常生活では、自分でその髪型を再現できなくて、凹むことはよくありますねー(笑)。

ですよね(笑)。美容室に来ていただいたその日だけ120点に仕上げるのではなく、毎日の生活の中で80点を感じていただく。そんなイメージです。例えば、いつもはものすごく時間がかかっていたセットだけど「最近、カンタンに良い感じにまとまるな」とふと思っていただければ嬉しいなと。そんな想いで日々、活動を続けています。


◎ JR原宿駅 徒歩1分のシェアサロン「GO TODAY SHiARE Stella店東京都渋谷区神宮前1-14-34 FPG links HARAJUKU 4F 」 にてサロンワークを行なっております。下記LINE公式よりお気軽にお問合わせ&ご予約ください。

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