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旅30-ギリシア神話を辿る旅の始まり

『ギリシア神話を知っていますか?』
これは阿刀田高氏の小説の題名だ。その後に『旧約聖書を知っていますか?』、『新約聖書・・』『コーラン・・』と続く、『知っていますか?』シリーズの第1作目。長編であり難解な書物を軽快に描いた入門書でもあるこのシリーズ。
阿刀田高氏は、現実に人間界で起こった出来事を神の仕業や関与として作られたのがギリシア神話といった捉え方をしている。シュリーマンがギリシア神話の描写を基にトロイを発見したのは有名な話であり、阿刀田氏のご意見には納得している。(僕の理解不足だったら申し訳ございません。)
20代の、まだまだ駆け出しのなんちゃって研究職であり、ファンタジーベースの考え方でない理系脳の僕にとってはそう思ったのは必然であり、興味をひかれた。このシリーズを読んで以降、ギリシア神話に関する本を結構読み漁った。しかし満足できない。ギリシア神話が基本短編集であるのに、何回も同じ神々が登場し、後日談みたいなものだってある。根幹を構成するイーリアスはトロイ戦争を語ったものであるからそれはそうなのだけれど、その前後も結構つながるなあと思い、ちゃんと繋げてみようかなと思ってまとめてみたのがこのnoteの文章だ。作者は20代の僕。

僕は旅行以外の記事をnoteにあげるときにはサブnoteを使っている。にもかかわらず今回の記事を挙げた理由は、ギリシア神話の物語を辿ることが旅の一部になっているからだ。参考にしているのは以下の『新トロイア物語』。

この本の後半で語られているのが、トロイア滅亡後に新トロイア国の建国を目指し残党が旅に出たアイネイアスの旅。彼はトロイア王家に属する英雄であり、戦争でも大活躍している人だ。そのルートついて、少々紹介しておくことにする。

『新トロイア物語』より

上図が彼の旅の経路であり、点線が彼らのルートである。原資料はヴェルギリウスの『アエネーイス』他であるらしい。
トロイアの南・アンタンドロスからの出港後、現ギリシア領のエネズに立ち寄った。そしてエーゲ海を抜け、クレタ島、イオニア海を北上しイタリア南部へ。シチリア島を廻ってカルタゴに流された後に再度シチリアへ戻り、ローマへ。ここがアイネイアスたちの終着点、そしてアイネイアスゆかりの場所を辿る僕の旅の目標地点となる。
B.C.1300頃のお話。そこに遺跡が残っているわけではない。できることと言えば目を閉じて想像するだけなので、別に現地を訪れる必要はないのだろう。
けれど、神話で語られる偉大なる冒険とロマン。熱き情熱。たった一人の人間の人生なんて所詮は泡沫でありエッセンシャルなものではない、というのは僕のベースにある考え方。同時に、エッセンシャルなものでなくてもすべては生きる活力となるエンターテイメントとして彩られて然るべきものでもある。
『ギリシア神話を繋げてみたら』で語りきれなかった所を補足しつつ、この本を片手に行く旅路を僕の世界一周ルートに是非とも加えたいのだ。



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