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『説得がうまい人』が頂点に上り詰める:禁断の説得術応酬話法-「ノー」と言わせないテクニック-村西とおる【読書記録】

■1. 本の詳細情報


●タイトル:禁断の説得術 応酬話法-「ノー」と言わせないテクニック-
●著者:村西とおる
●初版:2018年3月10日
●出版社:祥伝社
●ページ数:208ページ(ソフトカバー版)

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■2. 本の概要


AVの帝王こと、村西とおる。


●前科7犯
●借金50億円
●求刑370年


壮絶な人生を歩んできた彼が手に入れたもの。

それが『応酬話法』


会話した相手のノーと言わせないテクニックが
本書では紹介されています。


どのような言い回しで伝えれば
相手の心は動くのか?


セールスマンとして
成功も失敗もたくさん経験した彼が語る
説得術は一体どんなものなのか?


そうした疑問を解消してくれる一冊です。


■3. 本書を読んで得られるもの

■ 得られるもの(1) 『聴いてほしいなら、まずは聴け!』という考え方


本書の中で村西氏が何度も語っていることがあります。

それが、
『会話する相手を主役にする』
という考え方です。


応酬話法を仕掛けているわけですから、
最終的には話しかけたコチラ側の目的を達成したい
と考えているのは当然です。


しかし、
人間というのは
『自分の意見や考えを
 最後まで素直に受け止めてくれる人』

の言うことしか聴きません。


言い方を変えれば、


『聴いて欲しいなら、
 まずは聴け』


ということです。


とにかく相手に気持ちよく話してもらうために
●明るい表情
●相槌のタイミング
●声色を変える

などなど

『相手の気持ちを理解しようとしています!』

ということを
全力でアピールせよ!


と言っています。


本書のタイトルは
応酬『話法』ですので、
うまい話し方について念入りに語られている
と思われるかもしれませんが、


どちらかというと
相手の話をドンドン引き出すためのコツ
→『話の聴き方』
について熱く語られている本のように感じます。


確かに普段の生活の中でも
『自分の言いたいことばかりを勝手に言って
 コチラの意見なんて何も聴いてくれない』
なんて人のことを好きになりませんよね。


営業トークでもそれは同じで、
『まずは相手から話を引き出す』
ってことをしないと
相手はいつまで経っても
コチラの声に耳なんて傾けてくれませんよ
ということですね。


■ 得られるもの(2) 相手の『自己承認欲求』が会話の鍵


得られるもの(1)にも通じる考え方ですが、

『この人は自分のことを認めてくれている』
→『じゃあ、私もこの人を認めてあげよう』

という発想になるのが
人間という生き物です。


とにかく
『相手の自己承認欲求を気持ちよく刺激してあげること』


つまり、
相手の話している内容を聴いて、


『あなたは正しいことをおっしゃっています。』
『その通りです。さすがですね。』
と相手の話が納得の行くものであることを
何度も何度も認めてあげることが
相手の気分を良くするポイントです。


村西氏も本書の中で語っていますが、
『お客様は、本音をなかなか言ってはくれません。』
とあります。


営業トークを受ける人=消費者(客)
の本音は、


『ま、できることなら欲しい。
 でも、お金なんて払いたくない。』

です。


できるだけ身銭なんて切りたくないんです。


しかし、
何か自分の売り込んでいるものを買ってもらうためには
身銭を切ってもらう他ありません。


そのためには、
相手の本音に一歩でも近づくために
相手の自己承認欲求を何度も刺激して


『この人なら話くらい聴いてあげてもいいか?』


と思わせることです。


だからこそ、
相手(客)が話すことに対して
『あなたは正しいアピール』を
言葉や表現を変えて
何度でも繰り返す。


コレが『できる営業マン』ということですね。


■ 得られるもの(3)『失敗談は武器』になる


『あ、この人にもこんな過去があったんだな〜』

という話を聴いて、
今まで心を開いていなかった相手なのに
急に親しみの感情が湧いてきた


なんていう体験はないでしょうか?


人間には『同情』という感情があります。


それは、
●失敗して嫌な気持ちになったこと
●恥をかいてしまったこと
などなど、


普段は人に言いにくいような
ネガティブな体験に対して
抱くものです。


相手も自分と同じように
苦しい経験をしている


という共通点が
心を開くキッカケになります。


本書の中で村西氏は
『苦しさを感じさせるエピソードは心惹かれる』
と語っています。


確かに、
泣ける映画や物語というのは、
主人公が様々な理不尽や悲しみをなんとか乗り越えるシーンを
丁寧に描きます。


主人公が葛藤し、
苦しさを感じている状況に
見ている観客達は同情し
応援するのです。


前述にもあるように、
お客さんの本音にちょっとでも近づくためには
『ま、この人の話なら聴いてあげてもいいか?』
と心を開かせる必要があります。


そのために必要なことが
失敗談という苦しさをイメージさせるエピソードです。


『自分の失敗談を同情のキッカケとして使い、
 相手の興味を引く。』


ちょっとズルい作戦にも感じます。


でも、その作戦に引っかかる人が多いのも事実。


相手の本音を引き出すためならば、
自分の失敗を話すことだって
厭わない!


という姿勢は尊敬できる部分です。



●まとめ 『失敗者』のことばは重い


世の中で売れている本の多くは、
『成功者の言葉!』
『成功者の習慣!』

というように
成功している人の考え方を
まとめた本がほとんどに感じます。


もちろんそれらの本は
読んだ方がいいですし、
役立つ情報も満載です。


しかし、
成功者=失敗者
であるようにも感じます。


順風満帆で
何の悩みもストレスも感じずに
ココまで来ました!


なんていう人はいるのでしょうか?


これは事業に成功している人も
私のような凡人も
みな同じでしょう。


そして、
村西とおるという人物は


『今頃、死んでいてもおかしくない』

というくらいの失敗を大量にしています。


本書を読んでみて感じたのは、


村西氏が
『コレが営業トークのコツです!
 その根拠は何かって?
 それは私の失敗です。』

と語っているように感じました。


成功している人と同じくらい
失敗しまくっている人の経験というのも
大いに参考になります。


別に営業トークなんて興味ないって人も
村西とおるという男の壮絶な失敗人生を感じることができる
そんな一冊ですね。


という感想を書き終えて
筆を擱きます。


お読みいただきありがとうございました!

ではまた:D

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