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スピンアウトから1年、僕がBOXに伝え続けてきたこと


はじめに

2024年4月17日、株式会社BOXは1周年を迎えました。スピンアウトから数えると1年、「人材紹介事業部」としてセブンリッチグループで組織を立ち上げたときから数えると丸4年が経ちます。

個人の感覚としては5年目に突入しますが、株式会社BOXとして初めての節目を迎えたことは純粋にうれしく、感謝の気持ちでいっぱいです。BOXが無事に1周年を迎えられたのは、BOXをご利用いただいているクライアントの皆さま、僕らを信じてくれた利用者の皆さんのおかげです。ありがとうございました。

本noteでは、この1年、僕がBOXメンバーに何を伝え、どのように組織を作ってきたのかをお伝えしたいと思っています。


約束を徹底し、ルール・規則・オペレーションは最小限。自分の脳みそで戦え

「伝え続けてきたこと」として一番に思い浮かぶのは「約束は徹底し、ルール・規則・オペレーションを作りすぎるな」ということです。

BOXは2023年4月からの1年で、売り上げベースで約300%の成長を果たしました。カルチャーも体育会系の色が濃く熱気にあふれているのですが、実はBOXでは厳しいルール・規則・オペレーションは設けていません。

もしも売上だけを追い求めるのだとしたら、軍隊のように厳しい規則を敷き、一切のイレギュラーを許さないほうが良いのかもしれません。

しかし、僕らのクライアントであるスタートアップの多くは事業が成熟するまでの過程にあり、アジャイルのような形で仮説検証・改善を繰り返しながら事業を育てています。そのような環境で明確にルールや規則を定めるのは難しく、どうしても属人化してしまう部分があると思います。

僕らの行う人材紹介の世界には多くの先人がいて、先行く企業が作ったビジネスモデルやルールに倣うのは簡単です。しかし、僕らのクライアントであるスタートアップ企業を理解し、本質的な支援をするために、僕ら自身がルールや規則に縛られない柔軟性を持つということを重要視してきました。

これには、僕自身のふたつの原体験が影響しています。

ひとつは、高校時代の野球部での経験です。僕は高校3年間野球部に所属していて、3年次には監督とキャプテンを兼任していました。一般的な野球の強豪校では、厳しいルールが敷かれ、監督の決めた練習メニューをひたすらにこなしていきます。しかし、僕は当時からひたすらに「自分の頭で考えてプレーしろ」と伝え続け、圧倒的な量の練習量を課しますが、自分で考え、練習を考案させ、練習させる時間も意図的に作っていました。試合の中で個々が結束もでき、且つ柔軟に勝利のための行動をするチームになりました。

もうひとつは、2020年にセブンリッチグループに参画したときの記憶です。セブンリッチでは、業務のなかで1メンバーに与えられている裁量権が非常に大きく、あえてルール化し・マイクロマネジメントを行わずに成長を続けてきました。一人ひとりが頭を使いながら成果を残していく。その在り方を受け継ぎたいと思っています。

ビジネスを成長させる中で、ロジックに寄った意思決定をするシーンもあります。それらは再現性が高く、誰が決定者であっても同じような結論が出るという良さがあります。しかし逆に言えば「ロジックだけの意思決定」は誰にでもできる。その人ならではの価値を出すなら、ロジックだけではなく感性に従った意思決定も重要だと考えています。

一方で、KPIやプロジェクト成果などの約束事には徹底して厳しくしています。
その厳しさを持ちつつ、KPI達成までの道のり、プロジェクト成果を上げるための手段などは自らの脳みそで考え行動させています。このバランスを非常に意識しています。

BOXでは、数字の約束は徹底的に守りながらも、プロジェクトや案件に関わる人間の良さも最大限に発揮してほしいと考えています。「約束を徹底し、ルール・規則・オペレーションに縛られすぎるな」には、そんな僕の意思が込められています。


遊びを通して観点を手に入れ、血肉にせよ

「遊び」というと、自分の心が踊るもの、好きなことというイメージがあるかもしれません。ですが僕にとっての遊びとは「心と脳と身体の連動のもと血肉化されていく経験」です。

これだけだとわかりにくいと思うので、メンバーにもよく伝えている例をお話しできればと思います。たとえば僕は、野球観戦が好きです。ですが、ただぼーっと見るだけだったら僕にとってはワクワクする行為ではなく、選手の状態、チームの状態、戦略・戦術などを観察し、転用性を考える。そこから学びを得て血肉になって初めて「遊び」になると考えています。

BOXでは2023年、麻布十番祭りに参加したり、渋谷の大きな会場を貸し切って忘年会を開催したりと、時間とお金を投下した「遊び」を作ってきました。これも、ただ楽しくイベントをしたい!と思っていたわけではありません。

自分たちで企画する遊びには必ず、リーダーとそれを支えるフォロワーが必要です。麻布十番祭りでは、入社したばかりのメンバーが旗を振り、忘年会では「カルチャーリード」と呼ばれる、若手メンバーが主体となり、BOX全員が力を合わせてイベントを作り上げました。

日々の遊びで学び得たことを、会社で興す「遊び」に還元し、自らの経験と血肉にする。それを体現できた1年間だったように思います。

普段の仕事のなかに“ちょっとした面白さ”を作ることも意識していました。たとえば、BOXでは1ヶ月に1回のペースで席替えが行われます。その時々のチームの状態に合わせてチームの再編を行っているため、チームメンバーが近くになるようにという目的もありますが、頻繁にコミュニケーションを取る相手が変わることで新しい面白さやアイデアが生まれることを狙っていました。

Qに1回行う締め会(食事会)は、今でも必ず僕が選んだ店で開催しています。それは、会社を率いる立場として、全員が集まる場の「体験」を良いものにしたいから。わずか数万円で体験が変わり、みんなの心が動くなら——そう考え、常に自分の目で見て、舌で味わってから店選びをしています。

すべてにおいて、常に自分が先頭を走り、困難も歓喜も経験し、見たもの、感じたものを次につなぎながら新たな「遊び」を作っています。


ブランドとアピアランスを意識せよ

第一印象がすべてを決める。僕は常にメンバーにそう伝えています。表情、雰囲気、ファッション、話し方まで含めて、その人と相対するすべてが「第一印象」です。

BOXは2023年4月にスピンアウトする前に、約半年の期間をかけてブランドガイドラインを策定しました。そして、ガイドラインに沿ったコーポレートサイト、ビジュアルイメージ、ユニフォーム等を揃え、誰が表に立ってもBOXらしさを認識してもらえるような土壌を整えてきました。

特にユニフォームは自分が野球を通して学んだチーム作りの一つです。
あのユニフォームをきて甲子園で優勝したい、この仲間たちとの夏を終わらせたくない。
そんなチームを一つにするものがユニフォームでした。

2期目からは新たに“アピアランス担当”という役割を作り、さらにブランドと、それを体現するアピアランスを強化していきます。


安定はすぐ壊し、常に不安な状況を

人間は怠惰な生き物です。安定した状態に何もしなければ易きに流され、自然と楽な方へ向かっていってしまうものです。だからこそ“怠惰にさせない環境”を作り続けることが何よりも大事だと考えています。

個人もチームも、怠惰になりかけてきたら壊す。壊し、さらに基準を上げることで、上がった基準値に飲み込まれないように力を振り絞り続ける環境が生まれます。もちろん個人やチームが疲弊するような基準は作りませんが、ギリギリを常に作り続けることは意識しています。

そしてこれらは、僕がそうしているだけでなく、マネージャーやリーダーが行うチーム作りに対して、そして一人ひとりの目標設定に対しても伝え続けていることです。


大事なことを何度も何度も言い続ける

この1年、僕はここまでに述べたことをBOXに対して何度も何度も言い続けてきました。何度も同じことを伝え続けるのは、1回や2回言われただけでは、人の行動なんて変わりやしないからです。

何百回、何千回と同じことを伝え続けたとき、ようやく皆が「大事なことなんだ」と認識します。皆が大事なことだと認識するのが100回目なのか、500回目なのか、1000回目なのかわかりません。人によっては、10000回目ということもあるかもしれません。ですが、何回目になったとしても、あきらめずに毎回毎回熱量を増して伝え続ける。

それが代表としての役割であり、僕がBOXを始めてから最も大切にしてきたことです。


2年目は、顧客の声を聞き、もう一度“格好いい組織”を目指す

BOXがスピンオフするよりもっと前、事業ドメインを人材業界に定めたころ、僕は当時のメンバーに「絶対に格好いい組織を作ろう、格好いい組織になろう」と言っていました。口癖のように。

設立初年度を振り返り、それを言わなくなっていることに気づきました。だからこそ2年目はもう一度、BOX全員で“格好いい組織”を目指していきたいと思っています。僕の定義する「格好いい」とは、中も外も伴ったプロフェッショナルな状態であること。

何よりそのかっこいい組織で、顧客の皆さんの声を聞き、丁寧に事業を作っていきます。
自分たちのエゴももちろんですが、一番は顧客の皆さんへの価値が何かを言及し続け、強いサービスを作ります。

クライアントの皆さん、そしてサービス利用者の皆さんにさらに貢献し、実績を積み上げていくことはもちろん、組織の内外から「格好いい」と思われる存在になってまいります。2年目のBOXも、どうぞよろしくお願いいたします。

2024年4月17日
株式会社BOX 代表取締役 角田光史

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