見出し画像

第83椀 あら汁&つぎ汁

初出:2021年2月2日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。

テーマ:冬のお味噌汁の工夫
「あら汁&つぎ汁」


先日魚屋さんでイサキのあらが売ってましたのでまずあら汁をいただき、翌日にお寺のつぎ汁風に仕立ててみました。あら汁なので精進料理ではありませんが、つぎ汁はお寺の修行道場で凍えるような寒い冬に、厨房から食堂まで運ぶうちに煮物が冷めてしまうために、いただく直前に熱々の汁を注いで供したものだそうです。寒い冬にはそんな心遣いがホッとあたたまりますね。

あらは熱湯をかけてから汚れや細かいウロコを洗います。鍋に水と日本酒、あら、ダイコン、玉コンニャク、ショウガの薄切りを入れて強火で煮立てたらアクをすくい、弱火でコトコトとダイコンが柔らかくなるまで途中で味噌を加えながら煮込み、まずはいただきます。イサキのあらは頭や中骨からホントいいお出汁が出るんですよねぇ。

翌日残ったあら汁に、豆腐とヤマイモを加え(昨日の具もそのまま引き続き)お好みの加減まで煮込んだら、具をお椀に盛り、食べる直前に熱々の汁を注げば完成です。

味噌汁は煮えばなをいただくのが常法ですが、煮込み料理の場合香りがなくなるのはある程度目をつむります。そして一晩置いて中までよ~く味が染みたものを、何度も煮返していただくのもまたコクが増しておいしいんです。これも冬の楽しみですねぇ。

***

「あら汁&つぎ汁」
出汁:日本酒、イサキのあら
具材:イサキのあら、ダイコン、玉コンニャク、ショウガ、木綿豆腐、ヤマイモ
味噌:手前味噌(米麦混合麹)
吸口:自家製山味(山椒、唐辛子、胡麻)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?