農舎(のうや)オガッサ 小板和由

毎日食べるごはん、みそ、しょうゆを、原料から自給したいと思い、無農薬、無化学肥料で十年…

農舎(のうや)オガッサ 小板和由

毎日食べるごはん、みそ、しょうゆを、原料から自給したいと思い、無農薬、無化学肥料で十年ほど前から少しづつ増やしながら作り続けています。そんな手づくりの暮らしの話や、日々感じたことなどをつらつらと綴っています。

マガジン

  • 豆腐の話

    豆腐にまつわるあれこれを綴っています。

  • 味噌汁百椀

    <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから 「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。 味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。 私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。旬の野菜、山菜、地元の食材、風俗、歴史、伝統、文化などを題材にお味噌汁の話を書いています。ここでは私の書いた文章をまとめて紹介しています。

  • 大豆を作ろう。

    ワタシの大豆の作り方。飛騨の在来大粒青大豆「ハトコロシ」晩生種の場合です。

  • 戦国武将と味噌汁の話

    <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから 「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。 味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。 私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。旬の野菜、山菜、地元の食材、風俗、歴史、伝統、文化などを題材にお味噌汁のきじを書いています。ここでは私の書いた文章をまとめて紹介しています。 その中でも人気の「戦国武将と味噌汁の話」をまとめてみました。

最近の記事

豆腐の話(2) 生しぼりと煮しぼり

「美食地質学」入門 和食と日本列島の素敵な関係(巽好幸著)という本を読んで、豆腐についての長年の謎が解けたのだった。この本は日本独自の食文化と、日本列島の成り立ち、地形、地質から切り込んだ、とっても面白い本だった。 生しぼりと煮しぼり豆腐(豆乳)の製法には、生しぼりと煮しぼりというものがある。 ◉生しぼり→大豆をすり潰した呉を生のまま圧搾して豆乳をしぼり取る。 ◉煮しぼり→大豆をすり潰した呉を煮てから圧搾して豆乳をしぼり取る。 日本のほとんどの豆腐は煮しぼりで作られている

    • 107椀 飛騨の玉味噌でロール白菜のお味噌汁

      初出:2024年2月11日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから https://www.facebook.com/misoshirusoup テーマ:お味噌諸国漫遊 「飛騨の玉味噌でロール白菜のお味噌汁」先日数十年ぶりに飛騨高山へ立ち寄りまして、朝市で玉味噌を購入しました。玉味噌というのは、大豆を蒸して潰して握った団子を吊るして冬中乾燥させます。春にその味噌玉を割り塩と米麹と水を加えて数年熟成させて作る味噌です。これをお味噌汁にしますと豆味噌と

      • 豆腐の話(1) 絹ごしドウフ

        豆腐は中国で生まれた。 「え、日本の伝統的な食品でしょ?」と言う人が実は意外と多い。 で、そんな逸話の書かれた本から引用。 岡本太郎著「今日の芸術」のなかの、「新しいこととは、何か」という章の「根のない日本主義」という項で書かれた一節。 古くから輸入されていたものには、昔からあったもののように安心しているのに対して、新しく輸入されたものは、軽いもの、流行りものと一蹴されるてしまうのだという例え話である。 絹ごしドウフここでちょっと違う視点かと思うのだが、私が着目する

        • 106椀 すんき雑煮

          初出:2024年1月11日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:お雑煮 「すんき雑煮」お正月ですのでお雑煮ということで。我が家のお雑煮は以前にも紹介させていただきましたが、昆布と鰹だしの醤油すまし仕立てで、鶏肉、かまぼこ、豆腐、もち菜(小松菜の一種)、角餅を煮たお雑煮です。これに花鰹をたっぷりかけていただきます。そして元旦のお雑煮だけは男衆が作るのが習わしです。実はお雑煮って他の家のものは食べたことがないのですが、人に聞きますとご近所さん

        豆腐の話(2) 生しぼりと煮しぼり

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        記事

          平和と自由。

          自分の名前の話をするんだけども、よく漢字の説明をする時「平和の和と、自由の由と書きます」と言ってる。するとだいたい「いい名前ですね」と言ってもらえる。 この名前は父が付けてくれたものと聞いていたが、父とはほとんど会話することもなかったので、どんな意味や思いで付けたとかは聞いたことなかったけど、自分がこんなん良いなと思う世界の先には、平和と自由があって欲しいと思うので、この名前をいただいた事を父には感謝してる。 平和と言うと地球規模まで願うのは理想ではあるけども、そこまで言

          第105椀 中濃の豆味噌で麻婆豆腐鍋

          初出:2023年12月9日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:お味噌諸国漫遊 「中濃の豆味噌で麻婆豆腐鍋」江戸時代まで岐阜県は上半分を飛騨、下半分を美濃と言ってましたが、現在も地域区分するのに使っています。そして美濃の真ん中あたりを中濃と呼んでるんですけども、その中濃にある美濃加茂市の味噌醤油屋さんと大変懇意にさせていただいてまして、今回はそのお店の一番人気商品であります「豆味噌」について少し書かせていただきます。 「豆味噌」とは、大

          第105椀 中濃の豆味噌で麻婆豆腐鍋

          第104椀 たま麩だけのお味噌汁

          初出:2023年7月9日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:『◯◯だけのお味噌汁』 第104椀 たま麩だけのお味噌汁 普段は自由なテーマで書かせていただいてますが、久しぶりにお題に沿って投稿してみたいと思います。私ごとですが、地元で万歳保存会に入っております。バンザイではなくマンザイ。そして漫才ではなく万歳。万歳と言いますのは、祝福芸、門付芸の一つで、平安時代にはすでに職能として存在していたと言われている伝統芸能です。戦国時代には矢避

          第104椀 たま麩だけのお味噌汁

          けいちゃん。とんちゃん。てっちゃん。とか。

          けいちゃん。 けいちゃんとは、岐阜県の南飛騨や奥美濃の郷土料理で、甘辛のタレに漬けた鶏肉を野菜と一緒に鉄板で焼いた料理である。下呂など南飛騨地区は醤油、郡上など奥美濃地区は味噌で味付けしたものが多い。ちなみに写真はうちでいつもやってる塩味。 農家だったらたいてい各家庭でニワトリを買っていた時代、卵を産まなくなったニワトリは「廃鶏(はいけい)」と呼ばれ、自宅で潰して(食肉にして)、正月に雑煮や煮物などの御馳走として食べていた。 かくいう我が家でもおぼろげに、毎年正月のどん

          けいちゃん。とんちゃん。てっちゃん。とか。

          ソラマメにまつわる雑記。

          ソラマメの収穫の季節。 うちでも7本ほど植えていて、わさわさ実がなって来てる。 なんでソラマメだろ? 空に向かって上むきにサヤがつくので、日本語で「空豆(ソラマメ)」と言うそう。居酒屋とかでたまに「天豆(ソラマメ)」って書いてあることもある。お店で「空」ってゲンが悪いからかな。きっと。 「蚕豆」と書くのは中国から来た漢字で、蚕が作る繭のようなので「蚕豆(ソラマメ→中国語でカンドウ)」と呼ぶとよく書いてあるが、中国の蚕の繭があんなに長細いのか?それとも昔の中国のソラマメ

          第103椀(?) 味噌川

          初出:2023年4月9日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ「お味噌諸国漫遊」第103椀(?) 味噌川昨年より、お味噌「汁」にはこだわらず「お味噌諸国漫遊」として、各地のお味噌に関係するお話を紹介させていただいております。特に今回は味噌でも味噌汁でもありませんが、余興的にお楽しみいただけましたら幸いです 先日、オークションで「味噌切機」を落札しちゃいまして、直接受け渡しのために長野県木祖村の道の駅に向かいました。「味噌切機」と言うのは、い

          第102椀 丸子のとろろ汁

          初出:2023年1月11日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:お味噌諸国漫遊 「丸子のとろろ汁」 *** あけましておめでとうございます。お味噌「汁」にはこだわらず「お味噌諸国漫遊」として、各地のお味噌文化について隔月でお届けしています。 私の実家では、お正月二日の朝に芋汁(とろろ汁)をご飯にかけていただくのが恒例となっております。山芋(自然薯)をすり、乾椎茸でとった出汁と生卵、醤油で調味して、ふわとろになるまで鉢で空気を含ませな

          フライドチキン。

          クリスマスなので、こんな話でもひとつ。 今年読んだ本で最も興味深かったのは、上原善広著「被差別のグルメ」と「被差別の食卓」と言うノンフィクションのルポだった。 著者自身、被差別部落の出身で、路地(同和地区)で食べていた、アブラカス(食肉の脂身や内臓を揚げたもの)やサイボシ(干し馬肉)が、一般家庭では食べられていなかったことを知り、そこでしか食べられていないものに興味が湧いたのだという。 日本ではアイヌや北方少数民族、沖縄の食事、世界ではアメリカやブラジルの黒人奴隷時代の

          すんきを漬けよう。

          今年7月、「発酵の学校」でもって、東京農業大学名誉教授の岡田早苗先生による「すんき」の話をとっても興味深く聞かせていただきまして、そのおいしさの秘密と、作り方のコツを伝授いただきましたので、早速原料である「木曽赤かぶ」の種を入手して9月初旬に播いてみました。 「木曽赤かぶ」と言っても、地域ごとで微妙に形など違っていまして、御嶽山麓周辺の地域ごとに「開田かぶ」や「王滝かぶ」など、微妙に形や色味が違っています。300年以上の時間のなかで、地域それぞれに合った種を選抜しては継いで

          今年(2022)の大豆畑備忘録。

          今年の6、7月は平日の仕事も詰まっていたために、大豆の播種を一ヶ月かけて、なるべく日曜日に定植できるように一週間おきに細かく播種してみた。 そしたら、実験したみたいに結果が露わに。ちなみに品種は何度も書いてくどいようですけども、ハトコロシって言う飛騨の在来青大豆。 写真左端、1回目6月3日に播種したやつ。いわゆるツルボケってやつで、実付きが良くない。写真のはまだいい方のやつで、全然ついてないのも多々ある。2回目6月10日、3回目6月16日播種ぶんも同じような感じ。ここまで

          今年(2022)の大豆畑備忘録。

          第101椀 高遠そばのからつゆ

          初出:2022年9月7日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:お味噌諸国漫遊 「高遠(たかとう)そばのからつゆ」 毎月記事を書かせていただき100椀を越えたところで、今月から隔月で、お味噌「汁」にはこだわらず「お味噌諸国漫遊」として、各地のお味噌文化について紀行文的に深掘りしてみたいと思います。これからもまた楽しんでいただけましたら幸いです。 「からつゆ」というのは、長野県伊那市高遠町の「高遠そば」のつけ汁のことです。この「高遠そば」と

          第100椀 冷奴のお味噌汁

          初出:2022年7月15日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:『個性の違う味噌を合わせて作るお味噌汁』 おかげさまで、お味噌汁復活ライターとして足掛け八年、今回で百椀目を数えさせていただきました。数回でネタが尽きるのかと思っておりましたが、こんなに長く続けさせていただけるとは夢にも思っておりませんでした。ご拝読ありがとうございます。 さて、百椀目をどうしたものかと思案しておりましたが、やっぱり豆腐で。今までの記事で百椀中一体何椀に豆腐