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business design shift

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「business design shift」は、ビジネスデザインのトレンド、革新的なアイデア、変化の兆しを探るマガジンです。noteにある素晴らしい記事をクリップすることで、ビ… もっと読む
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記事一覧

SaaS企業データ分析 | 売上成長によるコスト競争戦略

現在のSaaS企業の市場評価を見ると、売上成長率と利益率を足し合わせた40%ルールや筆者が提唱したシン・40%ルールの高いSaaS企業に高いバリュエーションがつく構造になっています。 つまり、市場からはSaaS企業に対して売上成長だけでなく、利益創出または黒字化の目処を示してほしいという声が高まっているということです。 ここ2年ほどでも、Appier Group、カオナビ、ヤプリは上場後初の通期営業利益黒字化を達成していたり、サイボウズやHENNGEは一度落とした営業利益率

1か無限の話

どうも、すべての経済活動を、デジタル化したい福島です。 今日は最近ぼんやりと考えている「1か無限」の話をしたいと思います。 デジタルが前提となった社会で、企業が取りうる選択肢は、1か無限かのどちらかであるという話を最近は考えています。 1か無限か1か無限かというのは、「1=極限まで製品ラインナップをしぼる」、「無限=極限まで製品(情報)ラインナップを増やす」という両極端な戦略です。 1の会社の典型例は、AppleやTeslaです。無限の会社の典型例はGoogleやAma

再現性を持って事業の"ゼロイチ"を作るフレームワーク

4つの事業を立ち上げてきて気付いたことラクスル、ハコベル、ノバセル、ジョーシスと4つの事業の立ち上げを自身で行い、また仲間が立ち上げる姿を日々真横で見ていて、ゼロイチと言われる事業の立ち上げにも複数のフェーズがある事に気づきました。それぞれのフェーズで正しい目標設定を行うと事業はとても早く、健全に立ち上がりますし、目標設定を間違えると事業立ち上げは膨大な時間がかかります。 ここでは私の体験をフレームワークに落とし込みみなさんと共有をできればと思います。私は下記のように事業の

「非財務情報」を意識した事業計画こそ、その実効性を高める

TAKA(@Murakami_Japan)です。今日は企業経営に触れると必ず向き合わなければいけない「事業計画」について少し書いてみたいと思います。さて、良い事業計画ってどういうものだと思いますか? そしてイマイチな事業計画には何が足りないと思いますか? 会社が作る事業計画が果たす役割は様々事業計画を最初に作るのはどういう時でしょうか。人によって様々かもしれません。まだ何もない構想段階から、ある程度の事業イメージを作るために簡単な事業計画を作る人もいるでしょう。その際は、当

「デザインファーム」はこれからどうなる?

こんにちは、BIOTOPEの石原です。昨年末に報道されたIDEO東京オフィス撤退のニュースからはや数カ月。「デザイン思考」を民主化し、多くの人々のクリエイティビティを解放した功績はもはや語るまでもなく、それだけに「デザイン思考の終焉」とまで言われています。 私たち、共創型戦略デザインファーム・BIOTOPEとしてもこの出来事は決して他人事ではなく、自分たちの在り方や今後進むべき道について深く考えさせられる機会になりました。 これからデザインファームはどんな存在として、どの

システミックデザインで重要なのは「協働」「視覚化」「推論」である

システミックデザイン(Systemic Design)という言葉が日本でも広く聞かれるようになってきた。同時に、誤解が多いのも事実である。今後の健全な発展のためにもこのタイミングで、システミックデザインとは何か?わかりやすくその基本をまとめたい。 複雑な課題にアプローチするための手法 システミックデザインは、システミック(包括的)に対象とするものごとを捉える、関係的な視点に基づいたデザインアプローチである。ではなぜ関係的で包括的な視点に立ったデザインが重要視されているのか

リソース配分の前に、リソース獲得。ポートフォリオマネジメントの前に、PMF。制度作りの前に、カルチャー作り

(※社内報の公開です。メモ的に書いてあるので、読みにくい部分があるかもしれません。箇条書き的に書いてあります) リソース配分を決める、ポートフォリオマネジメントをする、社内制度をつくる。 これらは非常に重要な仕事であるし、やったあと非常に達成感が得られる。しかし急成長企業ではこれの前に(あるいは同時に)もっとやらねばいけないことがあることに留意しないといけない。 リソース配分の前に、リソース獲得 ポートフォリオマネジメントの前に、PMF 制度作りの前に、カルチャー作

最初の100日で何をすべきで何をすべきではないか?

人は無能に到達するまで昇進するという「ピーターの法則」というのがある。 とくにリーダーが劇的な環境変化に異動、転職、抜擢で放り込まれるとこの法則が強烈に作用する。なぜなら周りの方が知識や経験があり自分がその組織内で最もそれがない人になってしまうからだ。一方で、この人は何かしてくれるのでは?という期待を関係者からは持たれる。「組織内で最も無能なのに最も期待される」という特殊状態を過ごすことになる。 12年ほど前に突然、社長をというキャリアチェンジを経験をしことがある。そして

新規事業開発・スタートアップ 鉄板書籍ガイド100(2024年版)

「新規事業開発担当になったのだけれど、どんな情報を参考にすればいいの?」 「スタートアップでの起業を考えているけれど、限られた時間で何から押さえればよいかわからない」 「実践する立場、伴走する立場で活かせる情報に悩んでいる」 僕はこれまで、事業創造デザイナー/中小企業診断士として、社会人や学生などで新規事業やスタートアップを志すイノベーター約500名ほどの伴走支援をしてきました。多くの方が、冒頭の悩みを抱えていました。誰もが限られた時間の中で、アイデア実現のための拠り所を探

センスはアーカイブの力に宿るという話

学生時代にクラスに一人くらい「センスが良い!」と思えるクラスメイトいなかったですか?当時はうらやましくも、少し悔しいという複雑な気持ちでその人を眺めていたような気がします。今でも自分の周りにはセンスが良い人がいます。そんな人になりたいですし、センスが良いブランドにMinimalチョコレートをしていきたいです。センスとはどう養うのか?をテーマに考えてみたいと思います。 センスが良いとは何かセンスが良いというのはとても感覚的で、定義をすることはとても難しいことだと思います。

【ビジネスデザイナーが読むべきnote】デザイナーとは?生成AI時代に求められる役割とスキル

「business design shift」は、ビジネスデザインのトレンド、革新的なアイデア、変化の兆しを探るマガジンです。noteにある素晴らしい記事をクリップすることで、ビジネスデザインの可能性を拡張し、持続可能で意味のある変化を生み出すためのインスピレーションの提供を目指しています。 基本的にはクリップのみですが、適時テーマを設定してキュレーションを行うことで、その集合からビジネスデザインに対する「意味」を考察し、より深く理解へと導いていきたいと思います。 第1回目の

デザインと、価格と、キャリアの話

「デザイナー35歳定年説」というものがありました。 35歳になったらデザインをやめて別の仕事をするという話です。若い自分は恐ろしげに感じましたし、逆に「一生、手を動かしてものづくりをするんだ」と奮起したものでした。 似た話は今でも続いているらしく、業界の都市伝説としてひたひたと続いているようです。30代になったらライフステージや体力面から難しくなったり、感覚が市場と合わなくなる人が出てくるのは漠然とイメージできる。30代になったら、ディレクターやプロデューサーと言った川上

WHYの深堀りをするクライアントインタビューはWHYの前後が重要

プロジェクト序盤でクライアント担当者、また上長や組織の長にインタビューを行うことがあります。その際どのようなことを聞けばプロジェクトのことを深く理解できビジョンを共有できるのでしょうか。よく言われるように大事なのはWHYを深堀りしクライアントの考え方や価値観に触れることでしょう。しかしインタビューにおける本質的な課題はWHYの深堀りの前後にあるように思います。つまりどのようにしてWHYの深堀りまで辿りつくか。そしてどの程度それをデザインに落とし込むかではないかと。これまでのい

2020年にしたプロダクト系図解まとめ

1年間プロダクトマネジメントの体系化を頑張ろうとおもい、2020年はいろいろな記事を書きました。我ながら、今年いい感じにできたと思っている図解を振り返ります。普段は一回書いた話を何度も書かないポリシーなのですが、年末なので許してください🙏 1. 仮説のミルフィーユ プロダクトの仮説を4階層に分けて、高い所にある仮説に変更があるときには低い階層もきちんと見直しましょう、の図です。仮説以外でもプロダクトを捉えるときに、この4階層に分けておくと何かと便利です。 ちなみに、20