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調教と育成の違い

 経営者かフリーランスでない限り、基本的には上司という存在がいる筈です。そんな上司とは、当然相性があります。好き嫌いもあります。相性が良かったり、人として好きだったりすると、近くにいて居心地が良いのでストレスなく働けますが、実はそこだけを見ていては危険です。本日はその様な内容です。

 では上司の何を見極めるのが正解なのか、答えはマネジメント方法です。マネジメントの中でも特に部下の育成方法を冷静に見極めることが大事です。

 実際の貴方の上司を想像してみてください。貴方が何か新しい仕事を始めてなかなか思う様に成果を上げられなかった時、今の貴方の上司はどんなアドバイスをすると思いますか?

 Aパターン:ニコニコと「これはこうだから、こうした方が良いよ!」
 Bパターン:怪訝な表情で「何が上手くいかない?なぜ、そうしようとした?」

 Aパターンの上司はずばり回答を出してくれるので、とても良い上司の様に感じますが、実はいわゆる地雷上司です。今時の表現だと上司ガチャで失敗しています。なぜなら、「これはこう」という発言が、まるで全てを理解している風だからです。その上司は昔は良い成績を上げていたかもしれませんが、今は担当者ではなくて管理職です。管理職は現役を退いた表現されることもあります。そんな現場から離れた人が言う「これはこう」という発言の根拠は数年前の経験か、もしくは他の部下から聞いたいわゆる人聞きの情報です。そんな薄っぺらい根拠を元に「これはこう」と言われても信憑性に欠けます。また、「こうしたら良い」という発言も良くなくて、なぜその行動をするべきなのかという思考プロセスや説明プロセスを排除してしまっているのです。これでは部下は育ちません。もし部下がこの手のマネジメントに慣れてしまうと、いつまで経っても「次に何をすれば良いか」と聞いてくる部下になってしまいます。

 ではBパターンはどうでしょうか。「何が上手くいかない?」「なぜ、そうしようとした?」と質問ばかりするので、嫌味を言われている様な気になるかもしれません。ですが、質問すると言うことは、貴方の悩みや思考を理解しようとしているだけなのです。わざわざ質問してまで貴方のことを理解しようとするのは、貴方と一緒に答えを出したいからです。自分が一方的に答えを出しても正解とは限らないし、仮に正解だったとしても貴方の成長に繋がらないから、まずは同じ目線に立つことから始めて、そこから一緒に悩み、一緒に課題解決しようとしているのです。一人で悩むより二人で悩む方が頑張れますよね。きっと、そこまで理解しての寄り添いだと思います。

 以前、この様なツイートをしました。

 先ほどのAパターンが”調教”で、Bパターンが”育成”です。今の時代に担当者として現役で頑張っている人は、今の時代のやり方を見極める必要があります。過去のノウハウをバカにするつもりはありませんが、あくまで参考程度に留めるべきです。そうしないと、いつまで経っても同じことの繰り返しで会社は発展しません。

 今の時代に今の会社を発展させるには、今まさに担当者として現役で働いている人に頑張って貰わないといけないのですから、そんな担当者を如何に成長させるかに注力するべきなのです。そう考えるとAパターンの様に、主観の回答をすぐに提供するといったマネジメントはしない筈です。部下と目線を合わせ、部下と一緒に悩み、部下の個性を活かした解決策を一緒に導くことこそが最高のマネジメントです。

 



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