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管理職は担当者の上位互換ではありません

 担当者として働く人は常に様々な課題に悩まされていると思います。そんな悩みは上司に相談する事が推奨されていて、それはとても良い事です。なぜなら上司と担当者は仕事に対しての捉え方が違うからです。本日は、そんな内容です。

担当者は仕事に狭く深く取り組みます。所謂その道のプロフェッショナルです。それと違い、上司の立場である管理職は仕事を広く浅く取り組みます。会社というのは担当者がコツコツと積み上げた成果によって成り立っていて、上司の立場の管理職はその担当者の仕事の生産性を如何に高めるかがミッションとなります。なので上司は業務の細かい事を知る必要はなく、逆に幅広い知見を有して、その知見をヒントとして部下に与える事で部下の生産性を向上させます。この為、担当者である部下が仕事に悩んだ時、上司に相談するのは正しい行動と言えます。業務のプロである担当者が自分のノウハウの中で課題解決出来ない場合は、上司に相談し、社内の類似課題と解決方法を教えてもらうのです。そうする事で課題は無事に解決し、皆が一歩前に進めます。

 担当者から見て、そんな課題解決してくれる管理職は頼もしい限りです。実際に管理職の役割を果たせている人がどれくらい居るかは会社次第ですが、助けてくれたら嬉しいでしょう。では、そんな管理職は担当者より優れているのか、所謂上位互換なのかと言うと、答えは「ノー」です

 担当者と管理職はそもそも仕事における役割が違うのです。まず前述のように仕事に対する捉え方が違います。担当者は業務におけるプロである事に対し、管理職は社内情報管理のプロなのです。管理職が知っている社内情報を担当者が知らないように、担当者が知っている業務の情報は管理職は知りません。知っている情報や仕事の役割が違う時点で、担当者と管理職は同じ土俵で比べてはいけないのです。

 若干話は逸れますが、担当者が業務の悩みを上司に相談した際に、上司の正しい行動は社内外の別の事例などを紹介して担当者に新しい気づきを与えて課題解決に導く事です。所謂目線を広げてあげることです。しかし、担当者の悩みを聞いた時に、実際には担当者目線で「もっとやれ」と深い目線で課題解決しようとする上司が多いです。これが典型的なダメ上司です。前述の通り、担当者は業務のプロなのですから、業務の素人である管理職が担当者と同じ目線で課題解決しようとしてはいけないのです。これは人として失礼な事だとも言えます。

 以前、こんなツイートをしました。

 昔の日本は社員を同じように教育し、同じ様に育てました。ビジネスというフィールドでの戦い方は同じで、そこには個性はありません。ではどうやって同僚と差別化を図ってきたかというと、”他人よりも少しでも長く働く”のです。これは前のnoteにも書きました。

 同じように働いた結果として、担当者でいつづける人と管理職になる人に別れるのであれば、スキルは同じである以上、より努力した管理職が担当者の上位互換だと思われても仕方ないかもしれません。でも今の時代は違います。働き方は人それぞれ。むしろ人の働き方を真似する人は評価されません。個性を発揮することこそが正義の時代です。この為、昔と違って管理職は担当者の上位互換とは言えないのです。

 余談ですが、昔と違って今は誰もが管理職になりたい時代ではありません。担当者の仕事がクリエイティブなことに対して、管理職の仕事はマネジメント。どちらにやりがいを感じて楽しめるかは人それぞれです。管理職になることを「現役からの引退」と捉える人も少なくありません。そういった意味でも、管理職を特別に思うことは間違っていると言えます。

 話を戻しますが、管理職と担当者は役割が違う時点で同じ観点で比べては駄目なのです。言い換えると管理職になったことを「昇格」と表現することが間違っています。まだまだクリエイティブな仕事を続けたい人からすれば「降格」です。上司を人として敬う姿勢は大事ですが、担当者の人は管理職の人を「自分よりも優れている人」「自分よりも偉い人」という考え方を無くしましょう。そう思っている限り、上司と適切な人間関係は気付けません。上司と意見が合わない場合、「業務のプロとして、こう考えます」と堂々と言い、上司に無駄な言動に振り回されない事が大切です。

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