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広報ネタ作りのための"創発"

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営16年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.ひらめきはアイデアの引き出しの数で決まる

メディアが今求めているのはどんなニュースか、今、旬のテーマは何か、社会的な関心事はどこにあるか。そんなことを常に考えながら、自社の商品、サービスがニュースになる切り口を探していく。パブリシティを成功させるには、アイデア(発想力)が欠かせません

アイデアは、まずは量を出すことです。ひとつのテーマに取りかかったら、これ以上出ない限界まで、アイデアを搾り出す。

「ひらめきはアイデアの引き出しの数で決まる」といった人がいましたが、私もそう思います。混ぜ合わさった情報が頭の中で融合し、発酵して、新しい情報(アイデア)に生まれ変わっていくんです。考えてはストック、考えてはストックを繰り返し、引き出しの中身を増やしていく訓練が、発想力をより強力にしていきましょう。

そのなかで、現実に世に出るものはわずかだとしても、その他のアイデアはストックしておいて、次の出番を待つこともできるから、決して無駄にはなりません。

2.ネタのアイデアを生むためのフレームワーク

「オズボーンのチェックリスト」をご存知でしょうか。「ブレーンストーミング」の考案者でもあるA・F・オズボーン氏による、アイデア抽出のフレームワークです。私はクライアント企業のPRアイデアを考えるときにいつも活用しています。

https://jairo.co.jp/keyword/588

①他に使い道は? 
②応用できないか?
③修正したら?
④拡大したら?
⑤縮小したら?
⑥代用したら?
⑦アレンジし直したら?
⑧逆にしたら?
⑨組み合わせたら?

という9つの視点を持つことで、既存のアイデアや商品に新しい価値を加えることが可能となり、新しい価値が生まれれば、ニュースネタになる可能性を生むことができるわけです。

たとえば、伝統的な大福もちの中にいちごを加えた「いちご大福」。塗り絵のターゲットを変えた「大人の塗り絵」。勉強ドリルのテーマを変えた「うんこ漢字ドリル」。商品のネーミングをあえて長くした「じっくリコトコト煮込んだスープ」。女性が髪を洗う時間帯を夜から朝にずらした「朝シャン」・・・。

これら話題となって大ヒットした商品群も、もとあった商品を様々な切り口から見直して、今までの常識から外れた、新しい価値を見つけたものです。

3.アイデアを持ち寄って、ネタの「創発」をもたらそう

そうはいっても、人間一人が考えるアイデアには限界があります。そんな時、いろんな人が集まって、自分の持つ既存の情報を持ち寄ってシャッフルしてつなげていくと、筋書きのないドラマが生まれ、より創造的なアイデアが飛び出すことがあります。

この現象は、システム系の専門用語で「創発」と呼ぶのだそうです。たとえばアリは一匹一匹には高い知性はありませんが、群れとしてはとても複雑な共同作業をします。巣をつくり、ゴミ捨て場や死んだ仲間の墓地も作る。

個々の単純な動きが相互に作用し、思いがけない高度な成果が生み出される。そういう現象を「創発」と呼びます。「三人寄れば文殊の知恵」とは一人よりは三人の「創発」による結果を表しているものです。

社長ひとりで考えるのではなく、社内のスタッフも一緒に、自社のパブリシティのためのアイデア出しをしてみましょう。社内だけでは足りない時は、社外の仲間にも協力してもらいましょう。

一個人、一企業だけでは考え付かなかったものが、他の誰か、あるいは他の企業と連携することによって、思いもよらないニュース価値を創造していくことになるかもしれません。

パブリシティのネタの源泉である「ひらめき」は、様々な立場、環境、領域にいる人が話すことで生まれてきます。「創発的視点」こそ、アイデアの創造に最も重要な要素なんですね。

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