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麹を作るときに欠かせない【種麹のはなし】

こんにちは。

今日は、
麹を作るときに欠かせない「種麹」について。


▼目次
・種麹について
・種麹の歴史について
・種麹の形態と種類について
・麹を家庭で作る醍醐味は?


・【種麹について】


麹を作る時に欠かせない、
麹菌の胞子を種麹と言います。

麹を作られたことのある方ならお馴染み、
あの袋に入った粒や粉です。

植物に種を蒔き、やがて芽を出し、
成長する様子を想像してみてください。

麹は、いわゆる麹の種である種麹を
蒸した穀物に蒔いて、
麹菌を繁殖させたものです。


そしてこれを製造販売することを家業としているのが、種麹屋さん。
昔は沢山の種麹屋さんが存在していたようですが、
今となっては全国に約7軒ほどしか残っていません。

▪️現存する種麹メーカー

・菱六もやし
・ビオック糀屋三左衛門
・秋田今野商店
・丸福/日本醸造工業
・樋口松之助商店
・石黒種麹店
・河内源一郎商店
  


家庭だけでなく、醸造蔵でにおいても、
いつでも、自由に安全、確実に麹作りができるのは、
種麹屋さんの存在があってこそなのです。


・【種麹の歴史について】


種麹が生れたのは、
平安時代末期から室町時代と言われています。

室町時代になると、安定的に種麹を供給できる種麹屋さんが存在していたようです。


顕微鏡はもちろんのこと、
微生物学の知識や基礎、そして科学技術などがまだ発達していない時代、
有用な麹菌だけを繁殖させることは難しかったはずです。

ところが、日本人のすごいところは、
蒸したお米に木灰を混ぜることでアルカリ性側に傾け、
麹菌以外の雑菌が繁殖できない環境を作り、
麹菌のみを上手く繁殖させていたことです。

日本の種麹屋さんは、
「世界最古のバイオビジネス」と言われており、
菌の種を製造販売する商売は、世界を見渡しても存在していませんでした。

まさに、種麹を作るという仕事は、
日本人ならではの繊細な感覚と知恵、そして伝統を引き継いだ素晴らしい技術なのです。



・【種麹の形態と種類について】


種麹の形態は主に2種類あり、
胞子が着生したお米そのままを乾燥させた「粒状」と、
乾燥後、胞子のみをふるいにかけて回収した「粉状」があります。
(醸造メーカーが機械散布する用の「粉末」もあります。)

また、種麹の種類によって、
・胞子の色
・菌糸の長さ
・褐変度(麹の色の変わりやすさ)
・酵素の力価
・菌糸の増殖速度
などが異なり、どんな種麹を使用するかによって、
麹の仕上がりが変わってきます。


一般的に種麹のパッケージには、
菌種や、醤油用、麦用など用途が記載してありますが、

種麹メーカーによって複数の菌株が独自の配合でブレンドされていたり、
メーカー独自で代々引き継がれている菌株もありますので、それそれ特徴があります。


・【麹を家庭で作る醍醐味は?】


甘酒や味噌などの発酵食品を作る場合、
麹を購入される方がほとんどだと思います。

家庭で麹作りから始める場合、
まず、どのメーカーのどの種麹を選ぶか
という選択からはじまります。

前述の通り、
種麹によって、出来上がる麹の見た目だけでなく、特性が変わりますので、その麹を使って仕込む甘酒や味噌の風味が変わってきます。

さらに、麹を作る際の
・温度変化
・育てる時間

によって麹菌が生成するの酵素や酵素量が変わり、甘みやうま味の強弱が変化します。

つまり、
種麹の種類、麹作りの際の温度変化育てる時間の選択や調整によって、好みの味を作ったり、甘酒や味噌の味や香りを自分でデザインすることが出来ます。

「目指す発酵食品のイメージに合わせて、
種麹から設計出来る」


ここが麹を家庭で手作りする醍醐味でもあります。



以上、
「種麹について」
いかがだったでしょうか?

 

いつも最後まで読んでくださり、
ありがとうございます。

次回は、
「麹って日本にしかないもの?」
各国の主食や気候とも深く関係する麹をテーマにお届けします。

お楽しみに。

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