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ミューオンはすごい !

前回の続きです。

前回は、計測対象となったミューオンについては触れなかったので、もう少し触れておきます。
1つ解説サイトを紹介します。

ミューオン(またはミュオン)とは、宇宙線を構成する素粒子の1種で、手のひら大の大きさで毎秒数個の割合で地上に降り注いでいます。
重さはだいたい電子の200倍です。

歴史的には1936年に、宇宙線の中から発見されています。電子っぽいけど質量がはるかに重く、翌年に日本の仁科芳雄グループも独立に同じ粒子を発見しています。

実はもう1つ日本人つながりのエピソードがあります。

日本人初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹です。

当時彼は、原子核同士を結びつける力となる「中間子」を唱えており、これだ!ということで一時期「ミュー中間子」と呼ばれていました。

そのあとにいくつか実験・理論が重ねられ、結果としては中間子は別の素粒子「パイ中間子」であり、そこから派生したものがミューオンという位置付けです。

その後も、ミューオンの不思議な性質を探求する研究は続けられます。

その応用として利用されているのが、なんと「考古学」です。

ミューオンは、極めて透過力が強いため、なかなか内部に入れない構造物をレントゲンのような写真をとることができます。

ということで、もう想像着くと思いますが、ピラミッドなど立ち入りが難しい古代遺跡でミューオンを使った探索が行われています。

ピラミッドのなかでも最大級といわれるクフ王のピラミッドでも大活躍しました。1つだけおすすめ記事を紹介します。

日本では、卑弥呼の墓候補としてもしられる「箸墓古墳」でも使われています。

以前に卑弥呼の科学調査については投稿したので、そちらに関心のあるかたはどうぞ。


さて、冒頭に手のひらに数個といいましたが、実験で使うにはまだまだ足りません。

そこで人工的につくろうという施設があります。

まずは上記のパイ中間子を、陽子で加速器で衝突させることで発生させます。
それを即(寿命が短い・・・)磁石の力を使ってミューオンとニュートリノに崩壊したものを捕捉します。

これがミューオン実験の材料となるわけです。これを集めること事態がすごい実験に感じられるのは私だけでしょうか?

ミューオンの性質は、核融合反応の媒介や新しい物性を担わせる役割など、結構可能性が期待されています。

ただ、今回は現代科学でも最も成功したとも言われる「素粒子の標準模型」の追加検証、というそこそこ重い作業が数年後に控えています。

古代と未来に影響をあたえるミューオンに目が離せません。

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