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科学のオスカー「ブレークスルー2024」がついに発表

(数学含む)科学系のアワードで最も賞金総額が多いのは、ノーベル賞ではなく「ブレークスルー賞」と呼ばれるものです。

昨年はその概要を分野別にお届けしました。

今年も9月14日に、ブレークスルー賞2024が発表されましたので、その全体像をお届けします。下記の公式サイトを主に参考にしています。(タイトル画像も下記本部内の画像より引用)

分野ごとに概要を砕いてお届けします。特に数学は難解なのでさらっと受け流しましょう☺
また、人の数は多いので、誠に恐れ多いですが、人名でなく研究内容にフォーカスします。

1.生命科学
がん、嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)、パーキンソン病という 3 つの主要な遺伝子疾患にかかわる病気に貢献する研究です。

がんだけ補足すると、遺伝子技術で免疫細胞の遺伝子を改変することでパワーアップし、がんを的確に攻撃する手法を開発しました。これはT細胞がもとになっており、過去にも紹介したので基礎情報はそちらに委ねます。

2.基礎物理学
一言でいうと「場の量子論」という分野への貢献ですが、これだけだとさっぱりわからないと思います。一応Wikiを張り付けておきますが、五十歩百歩かも・・・

香りを感じる意味では、その理論の位置づけでいいと思います。えいやで作った物理学の主要理論の発展ダイアグラムを貼っておきます。

ブライアン・グリーン「隠れていた宇宙」をもとに筆者加工

重力を除く素粒子理論、それに重力を取り扱った一般相対性理論との融合も狙った「量子重力理論」の理論支柱の1つです。

3.数学
数学のみ受賞者は一人でした。
内容は、微分幾何学(トポロジー)と呼ばれる領域への貢献です。以前に少しだけ、その前身ともいえる「結び目理論」について触れたので引用しておきます。

上記投稿のテーマである「数学と物理」は、今回のブレークスルー賞でも物理・数学分野でも見え隠れしました。

もっと直接的な受賞者もいます。

ブレークスルー賞には、若い研究者に絞って贈られたマリアム・ミルザハニ・ニューフロンティア賞もあります。

そのなかで、今回唯一の日本人受賞者 山下真由子さんの研究がまさに「数理物理学」の領域です。
こちらはメディアでも報道されたので2つだけ紹介しておきます。

2つめのサイト本文内に、「トポロジー」「場の理論」「超ひも理論」という言葉が出ている通り、今回の基礎物理とのつながりもありそうです。

特にトポロジーは宇宙や大統一理論といった純粋理論だけでなく、物性物理(素材)やコンピュータにも影響を与えています。

後者についての過去投稿記事を引用しておきます。

私も雰囲気レベルですが、特にトポロジーが多様な物理分野に広がっているのを感じられます。

とても難解ですが(大学では習ったのですが^^;)、どこかで頑張って学び直して・・・と不用意に宣言する前に締めておきます☺

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