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AIが超新星爆発の広がりを予測

最新のAI技術は、基礎科学への影響をも与えており、最近はこんなニュースに目が留まりました。

ようは、
AIの深層学習を活用して、従来のシミュレーション方法だと困難だった超新星爆発の広がりを予測する方法を編み出した、
という話です。

まず今回の予測対象の「超新星」とは恒星の終末期(エネルギーを使い果たす)で自身を支えきれなくなることから起こる爆発現象です。

あまりにも明るいため、目視でも確認することができるようですが、まれにしかおこらないので人類史でもその記録はごくわずかです。

過去に触れた記事があるので、それ以上の深堀りは委ねます。

今回のシミュレーションの目的は、この激しい超新星爆発が発生したときに、大量のエネルギーが発生し、それが周囲にどのように影響をあたえるのか?という点です。

特に、新しい星の形成を阻むまたは促進するという点に注目が集まっています。しかし、周囲の星の人生に影響を与えるとは、改めてスケールの大きさに舌を巻きます。

記事内に美しい図があったので張り付けておきます。(記事元もぜひおとずれてください)

冒頭記事内の図

なお、はじめに深層学習と書きましたが、厳密にはそれを使った画像生成AIモデルを新たに作り上げました。

通常のシミュレーションは、段階を踏み、まずは数値計算を行います。そして次にその結果を踏まえた画像または動画を再現するわけですが、この後者で新しいAIモデルを導入することで相当コスパが良くなった(早く安くできた)、というわけです。

特に今回適用した領域は、上図の右にある殻(シェル)状の領域が膨張して密度が変化していく様子です。

記事内では、今回の成果を受けて、もっと広範囲にこのモデルが適用できる可能性を示唆しています。

興味深かったのが、元々コンピュータシミュレーションによって銀河形成を表現していくプロジェクト「ASURA-FDPS」があり、ここにも今回の新しいモデルが組み込まれていく予定です。

このプロジェクトの存在を知らなかったのですが、思っている以上にコンピュータを使った天文学の研究は進んでいることもわかってきました。

となっていくと、今回は画像生成だけでしたが、数値計算部含めてよりAIが展開されていく領域は増えていきそうな感覚を持ちました。

若干混乱を招く話題を追加しますが、この自然は実はコンピュータシミュレーションの産物ではないか?という一見トンデモ仮説があります。

過去にまじめに取り上げたので、興味ある方のために張り付けておきます。

この説を仮に受け入れると、コンピュータの結果(自然)を改めてコンピュータで再現しようとしているという、奇妙な構図になりますね。

ややイメージが異なりますが、ウロボロスの蛇を連想しました。

いずれにしても、天文学のコンピュータ化動向は結構ホットにみえるので、引き続き追っかけしていきたいと思います。

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