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古代人類史にかかわる10大ニュース2023

年末なので、今年を総括するニュースが増えています。
個人的に面白かった記事を紹介します。

人類の祖先にかかわる新しい事実が今年色々と明らかになりました。補足含めてざっくりとまとめておきます。


1.約100万年前の人類の祖先の危機:

人類の祖先が約100万年前に絶滅の危機に瀕し、その時点で人口は約1,300人だったことが明らかになりました。現代人のDNA分析から、この時期に深刻な人口減少があったことが示されています。過去に取り上げた過去記事を載せておきます。


2.約47万6千年前の木造建築:

ザンビアで発掘された約47万6千年前の木造建築が、人間の古代の親戚によるものと判明しました。これは、古代人類が木などの資源を利用していたことを示す証拠です。発表論文を載せておきます。


3.30万年前の顎骨:

中国で発見された30万年前の顎骨の断片が、未知の人類の系統に属する可能性があることがわかりました。この発見は、人類の進化の歴史に新たな視点を提供しています。(発表論文はこちら
今までは、ホモ・サピエンス、ネアンデルタール人、デニソワ人の3系統が分かっていましたが、どれにも属さないので謎を呼んでいます。これは引き続き追っかけたいネタです☺

4.アフリカの異なる集団からの人類の起源:

人類は、アフリカから誕生したことは定説になっていますが、1か所でなく異なる2つのグループから誕生した可能性があることが、シミュレーション研究で示されました。これは、人類の進化についての新たな説につながる可能性を秘めています。

5.ヨーロッパへの移住:

現生人類が約54,000年前からヨーロッパに移住し始めたことが、研究で明らかになりました。この移住は3つの段階に分けられ、人類のヨーロッパ進出の歴史を塗り替えるかもしれません。つい先日、アメリカ大陸に渡った時期も修正迫られており、科学技術が人類の年表を変えようとしているのが分かります。


6.4万年前の謎の系統:

フランスで発掘された小さな化石が、4万年前の未知の人類系統に属する可能性が高いことが判明しました。これは、人類の歴史における新たな発見です。下記がその比較図で素人目にはよくわかりませんが、こちらももしかしたら新しい人種かも?

冒頭記事内の図より引用

7.ヨーロッパ初の永住者:

5のニュースの関連です。約37,000年前、ヨーロッパに最初に定住した現生人類がクリミアにいたことが、新しい研究で明らかになりました。下記の→のように歩んだ可能性があるそうで、これは、ヨーロッパの人類史に影響をあたえます。

冒頭記事内の図

8.未知の狩猟採集民の系統:

約32,000〜24,000年前のヨーロッパの狩猟採集民の系統が新たに発見され、1.5万年前に始まった温暖期の間で絶滅したと考えられています。
文明が始める直前まで未知のヒト属がいたというのはミステリーをそそります。発表記事を載せておきます。


9.最初のアメリカ人:

最終氷河期にアメリカ大陸に進出した人類の一部が中国出身であることが、DNA研究で判明しました。
記事内で気になったのが(本研究には関わっていない)研究者のコメント。どこかで深堀してみたいと思います。
「日本の考古学的記録について我々が知っていることとよく一致しており、人類がどのようにしてアメリカ大陸に定住するようになったのかについての現在のモデルに重要性を与えるものである」

10.シベリアの人口消滅:

1万年以上前にシベリアにいた狩猟採集民のグループが、現代には存在しないことが発見されました。今回こういった話題が多いですが、いずれもDNA解析の貢献です。

全体を見渡すと、やはり遺伝子解析の進化が人類史に大きな革命をもたらしているのが感じられます。

もしかしたら、人類考古学だけでなく他の人文科学分野においても、科学技術が大きなフレームワークの見直しを図っているのかもしれません。
そんな分野がほかにないかも探してみたいと思いました。



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