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メディカル英語<基礎知識>体位変換編

体位変換と触診をカバーしようと思いましたが、内容がごちゃっとしそうだったので、体位変換だけに絞って紹介します。
(追記)ちょっと長くなってしまいました。

体位変換の基本

体位変換は「座る」「立つ」「片足立ち」「仰向けに寝る」「うつ伏せに寝る」「横向きに寝る」「片膝立ち」「少しずれる」が主だと思います。その他に、身体のポジションを変えるだけではなく、着替えたり、袖をまくるなど着ているものを変えてもらうフレーズ、そして、すごく限られた言い方ですが、足や手を"あるところ"に置くなどのフレーズを紹介します。
ROM(可動域)は別で紹介します。

基本の言い方

Let's have you ~.
I'll have you ~.
Can you ~?
Can you ~ for me?
face ◯◯.(文の後につける)
facing 〇〇.(文の後につける)

〜のところに、この後紹介する動詞を当てはめてみてください。
この他にも、ただ日本でいう「命令形」のように動詞からスタートする言い方も普通に使えます。例えば、"lie on your back"などですね。その時には、"for me"などをつけると少し柔らかい印象になります。ただ、すべての体位変換で"for me"をつけるとくどいので気をつけましょう。
そして、"face"は「顔を向ける」「〜を向く」という意味になるので、例えば、"sit on the table facing me." なら、「私の方を向いてテーブル(ベッド)に座ってください」という意味になります。
"face"は動詞なので、"sit on the table and face me"というように動詞を"and"で繋げた言い方になり、facingは状態を表しているので(現在分詞?すみません、品詞わかりません笑)"and"では繋げずに"sit here facing me"のように使います。
faceの次に来る言葉は、そのまま「あの壁(that wall)」とか「こっち(this way)」「あっち(that way)」「私(me)」「彼(him)」など物体や物理的な方向を使ってください。"facing front"でも言えますが、その場合、どこが前なのかがはっきりとわかる状態で言いましょう。授業中の教室とかならどこが前でどこが後ろかは誰でもわかるので、そのようなイメージの時に使えます。

座る

sit
sit on ~
sit here

簡単ですね。"on"は〜の上にというイメージなので、椅子やマッサージベッドなど、腰をかける対象が続きます。
楽なのは、"sit here"といって、座って欲しいところを指差したり、手で示してあげることです。

立つ

stand
stand up
stand by the door

"up"はあってもなくてもいいですが、やはりよく聞くのは"stand up"です。少し混乱させてしまうかもしれませんが、"up"は立ち上がるイメージがあるので、座っている状態や寝ている状態から立ち上がる時は"stand up"と言います。しかし、例えば、エクササイズ中に既にボックスの上に立ってて、床に立って欲しい時などは、"come down and stand here"と言ったりします。注意点は、既に上にいたり、立っている状態から立つ場所を変える場合は、"up"がつかない点です。
"by"は「〜のそばに」という意味があるので、「◯◯の近くに立って」なら、"by"を使います。

片足立ち

stand on one leg.
stand on right/left leg.
get into single leg stance.

片足立ちという特別な動詞があるわけではなく、「片方の足に立って」という言い方なんですよね。
「片足立ち」というスタンス(立ち方)はあり、それはそのまま"single leg stance"と言います。ただし、これはあくまで立ち方(身体のポジション)のことなので、動詞ではないことに注意してください。つまり、"can you sigle leg stance?"とは言わないということです。

仰向け/うつ伏せに寝る

lie on your back
lie on your stomach
lie on the table face up/down
flip over

"lie on"で「◯◯の上に横たわる」という意味です。つまり、背中の上に横たわると、背中が下にいきますよね。なので、これが仰向けです。逆に、"lie on your stomach"だと、お腹の上に横たわるので、お腹が下になって、うつ伏せを意味します。
"on"はべちゃっと接触しているイメージの前置詞なので、どちらがベッドなどと「べちゃっとくっつくのか」を考えるとわかりやすいと思います。
他には、先ほどのfaceも使えます。"face up"だと、顔が上を向くので「仰向け」、"face down"だと、顔が下を向くので「うつ伏せ」です。
おまけですが、仰向けからうつ伏せやその逆を言いたいときは、"flip over"と言います。flipはひっくり返すという意味があります。

横向きに寝る

lie on your side
lie on your right/left side.

仰向け、うつ伏せと同じです。それが、ただ身体の横を下にしてもらうだけになります。
先ほどと同様に、「どちら側がベッドとベッチャリつくのか」を考えてもらうと迷わないと思います。
つまり、右を下にして寝てもらいたいときは、"lie on your right side"になるわけです。
「横向きになって、膝と股関節を曲げてね」と言いたい時は、この記事で紹介しているフレーズと関節の動き編を組み合わせて、"Let's have you lie on your right side and bend your hips and knees at 90 degrees"という言い方ができますね。

膝立ち/片膝立ち

kneel
get into kneeling position
half kneeling position
get down on one knee

"kneel"は「両膝立ち」で、お祈りをする時の姿勢のことです。「両膝立ちの姿勢に入る」という意味で"I'll have you get into kneeling position"と言ったりします。その他にも、"get into"ではなく、"in"を使って"I'll have you in kneeling position"とも言えて、同じ意味になります。
half kneelingに関しては、個人的に、halk kneelのようにこれを動詞で使っている人には会ったことがありません。なので、"Let's have you in half kneeling position"のように使いましょう。この時、「左足を前にして」と足すなら、"with your left foot forward"を最後に付け足しましょう。

〜まで/〜に向かってずれる

scoot towards
slide towards
till(until) 

scootもslideも「ずりずり」と移動するようなイメージです。
towardsは「に向かって」なので、例えば寝てもらったけど、少し足の方に向かってズレて欲しかったら、"can you scoot towards your feet a bit?"などと言います。
足首の評価やテーピングの際には、足がベッドからでててほしいですよね?そんな時には、"slide/scoot towards me till your ankles are off the table"と言ったります。これは、「足首がベッドから出るまで、私に向かってずれて来てください」という意味です。

着替えや服をまくるなど

そのパーカーの下にTシャツ着ていますか?

Are you wearing T-shirt under your hoodie?
Are you wearing some sort of shirt underneath?

日本でいう、フード付きのパーカーはアメリカ英語だと"hoodie"と言います。発音は「フディー」です。fの発音ではないので、下唇を噛まないように気をつけてください。
2つ目の文は、「その下に何かシャツのようなもの着てますか?」という意味です。"some sort of ~"で「〜のような何か」という意味になります。"underneath"で「下」という意味です。

それを脱いでもらえますか?

Would you mind taking it off?
Could you please take off your hoodie?
Can you take it off?

take offで「〜を脱ぐ」という意味です。服を脱いでもらいたいときは、必ず1個前のフレーズを使って、下に何か着ていることを確認してからにしましょう。
would you mindの言い方はとても丁寧な「〜していただいてもいいですか?」という意味のフレーズです。この文への返答は日本語の「いいですよ」なら"No I don't mind""not at all"になることに注意してくださいね。

これに着替えてもらえますか?

Can you wear these shorts?
Can you change into this T-shirt?
There is a changing room behind you.

"change into~"で「〜に着替える」という意味です。何か院内着が上下など複数ある場合、"can you change into these?"となります。
日本語でいう短パンはshortsと言われます。これは、ズボン全般がそうですが、足が2本分あるので、1つであってもshortsとsがつき、数え方はa pair of jeans, two pairs of shortsとなります。
最後の文はおまけですが、「あなたの後ろに更衣室がありますよ」という意味です。

服・袖をまくってもらえますか?

can you roll up your sleeves?
Would you mind pulling up your shirt?

"roll up sleeves"で「袖をまくる」という意味です。ちなみに、ズボンの裾をまくって欲しい時は、"can you roll up your pants?"と聞きます。
"pull up"は、引き上げるという意味なので、シャツの裾を引き上げるイメージで、「服をめくってもらえますか?」と言いたい時に使います。
「背中のシャツをめくってもいいですか?」と聞く時は、'Would you mind if I pull up the back of your shirt?"と聞きましょう。

おまけ

足/手をここに置いてもらえますか?

Could you put your foot on here?
Can you put your hand up here?

"put"で「置く」という意味です。"put"だけで意味が完結するので、"up"や"on"はどこに置くのか、どういった位置関係なのかを明確にする時に"足すことができる"前置詞です。
put your hand upの場合は、例えば、普通に座っている患者さんに、「手をこの上に置いてください」と台を出したら、普通に座っている状況よりも台の上に置いた方が手の位置が高くなりますよね?そのような場合に、"up"が使えます。ちなみに"on"に変えても構いません。

リラックスしてください

relax
relax for me

relaxは文字通り「リラックスしてください」とか「力を抜いてください」という意味になります。スペシャルテストやPROMをチェックする前に使ったり、実際のトリートメントでもよく使う言葉です。
身体の部位を限定して伝えてもいいので、身体の部位、上肢編下肢編体幹編と合わせてrelax your neckなどの文を作ってみてください。

さて、だいぶ長くなりましたが、「基本の言い方」とそれぞれの姿勢を表す動詞を組み合わせて、文を作ってみてください。
これを作っていたら、動作確認の仕方も英語にした方がいいかなと思ったので、それも次回かその次で紹介しようと思います。

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