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「豊かな食卓」とはなにかを八百屋が考えてみる

 こんにちは。ここのやさいです。
 野菜が猛烈にない時期を乗り越えて、最近は少しずつ野菜が入るようになってきました。野菜がない時期に、「あー売上落ちたーやばいなー」という月並みな心配をし、でもきついときこそ新しいことに挑戦しなければだと思っているので、なぜこの事業を始めて、どんな人に野菜を届けたいのか思い出していました。

枝豆の次は梨にたすけられている

 私は野菜を販売しようと考えたとき、ひとり暮らしをしていました(今もひとりだよ)。フルタイムで働き、仕事終わりに買い物に行き、自炊をし、お弁当を持っていく。それが生活といえばそれまでだけれど、私はこれが納得いかなかった。

「なんで仕事だけでもしんどいのに、しごおわでスーパー行ってもなんも売ってないのォ?!ここからごはん作るのってもう無理なんだが~?!もう帰ったらすぐにでもおねんねしたい!解散!」

それはそれは、ひとり激バブである。地獄絵図。この大変さをみんな当然のようにやっているのか。ひとり暮らしであっても洗濯は溜まるし、生きてるだけで部屋は汚れる。私は昔から通知表で「がんばりましょう」に○がつくくらい、掃除や整理整頓が苦手。家族がいる人は家族の分のこれをやっているのか、そりゃあまりにも余裕がなさすぎる。特に同世代でいち早くママになっていった人たちは、子育てでヘロヘロみたいだ。え、これ何?生活ってバグ?これが続くとかやばない?

生活感と美しさの調和がとれた理想的なおへや(当然私の家ではない)

働く人たち、子育てをしている人たちに、少しでも、自分をいたわる時間を作ってもらいたい。そのために、食事作りや買い物の手間を減らしたい。そんな感じで、野菜の定期配達を始めようと考えました。

 始めた当初、私の頭にあったのは「自炊」の考え方でした。
 「”料理”というと大変に感じるかもしれないけど、”自炊”としてもう少し肩の力抜いて自由に気楽に野菜を食べようよ」。つまり食べる人は、自分。
 だけど、私が野菜を届けることで生活を楽にしてほしいと思う人たちは、他の誰かの分のごはんも用意することが多くて、そうなるともうこれは「食卓」だ。同じように「肩の力を抜いて自由に気楽に野菜を食べようよ」なんだけど、自炊の先にある「食事」と「食卓」は少しイメージが違う。誰かの分も用意する、つまり「食卓」をつくるのは、気持ち的にもう少し大変なのだろう。だからこそ、自分だけでなく、他の誰かの健康も叶えられる、そんな食事づくりには欠かせない野菜を毎週届けたい。食卓をゼロから考えるのは大変だけど、材料やメインが決まってしまえば、あとは意外と簡単にできてしまうことって、あるもんね(私の場合はとりあえずあるものでお味噌汁を作る)。

ツルムラサキを味噌汁にあとのせするとおいしいってかなで食堂さんでやってた

 そんな感じで、「豊かな食卓とは何か」という問いに対して、私は今のところ「季節の食材を中心とした、無理なく自由でおいしいものが並ぶ食卓」という答えにたどり着きました。
 ということで、パンの販売、はじめます。江南区の『Bakery MAA』さんにご協力いただき、野菜に合い、野菜の料理が引き立つようなパンのセットです。すでにお米も販売しているので、パンもというわけですが、MAAさんのパンは、新潟県産小麦や国産小麦にこだわり、自家製天然酵母を使用しているほか、ここのやさいのお野菜を使っていただくこともあったりと、季節や地のものを大切にしているという点で非常にバイブスが合う、そんな素敵なパンでございます。季節のお野菜とぜひ合わせてお召し上がりください。きっとあなたの「豊かな食卓」づくりのお役に立てると思います。

おいしい野菜とおいしいパンを、どうかよろしくお願いします

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