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【となりの家のはなし⑤】家族の風景~母のこと(下)~

前回のnoteで、母が私を1週間無視し続けた理由が、私が憎き父に顔が似ていて腹が立ったからだという、なんともモヤる話をしました。その続きのお話です。

母は、私の言動が気に食わないと、私と話さないだけでなく、今度はあれだけ嫌っている父と仲良くして私を仲間外れにします。そうなると私は一人になって・・・その時が一番心がぎゅっと縮まります。

おそらく母は、いつでも見方してくれる母親の代わりを私に求めたんだろうと思っています。なぜなら母と祖母の間にも色々ありまして・・・。そのお話はまた後日。

母は、私に優しい母親像を求める代わりに、私が「かわいそう」な目にあったら、全力で見方をします。例えば学校で仲間外れにされたと子供が言ったら、大人は色々な見方ができますし、自分の子供が100%悪くないわけでもないことを、視野に普通は入れておくと思います。しかし母に少しでも相談すると、相手が100%悪い、自分の子供には非がない事として話が進みます。

「母親が自分を信じてるんだからいいでしょ」と言われそうですが、子供とて事実はもっと複雑だってことぐらいわかっています。自分があの時サボったから成績が落ちたこと、仲間外れにされたきっかけが私の余計な一言かもしれないこと、ダメだと言われたことをしたこと・・・。私が何か犯罪に手を染めても、私を叱ってくれないのではないか。真実でジャッジできる人が欲しいと、当時はそんな気分になり、それ以降自分のことはあまり話さなくなりました。そして同時に相談したり助けてほしい、とも言えなくなりました。

私が中学に上がると家業が忙しくなって家計も潤って、父は毎晩飲み歩き、週の半分は家にいませんでした。そして忘れもしない高校受験の前日、塾から家に帰ると、玄関を開けた途端、めったにその時間に家にいない父の「離婚届もってこい!」という怒号が聞こえました。家に入ると母は泣きながら「もう、別れるわ」と・・。

私は珍しく逆らって「頼むから受験が終わるまで待ってほしい」と訴えて、一旦収束し、その後も結局離婚することなく今に至ります。そしていまだに「あんたが止めたから、別れられへんかったんや」と恨み言を言われます。

母の話を3話お届けしましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。次回は、本文でも少し触れた、母を構成する要素にかかせない、祖父母のお話をします。

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