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【ゆるっと傍聴よもやま話4】そこまで言わなわからんか

またもや行ってきました!人間の業が吹き溜まる裁判所へ。今回は2つほど傍聴をはしごしてきました。いずれも「そんなん言わんでもわかるやろ」って突っ込みたくなる事件ですが、渦中にいるとわからなくなるものなんでしょうか・・・。

😞それでも親か!

覚醒剤使用の罪で現在執行猶予中の夫が、無免許運転でおこした交通事故の罪を、自分の娘に押し付けて出頭させた、親として絶対やっちゃダメなやつの裁判でした。

完全無免許運転

👉被告

年齢は50代女性、小柄でぽっちゃり、白髪の目立つ髪を伸ばし、頭の上部だけお団子にした髪型。
以前も、自身の無免許運転中の事故を当時の夫に身代わり出頭させた罪、覚醒剤使用の罪で現在服役中。今回の事件は仮釈放中におこした事件。

👉事件概要

犯人隠避罪教唆(いんぴざいきょうさ)の裁判。
(人をそそのかして犯罪を実行させたものは、身代わり出頭したものと同等の罪を追う)

娘に罪をかぶせるとは・・・

👉その場しのぎすぎる

事故を起こした夫は、モラハラで殴る蹴るが日常。そんな夫から、「事故を起こしたのはお前のせい」と謎に責められ怖くなったとの事。そして娘は免許を持っているし車の名義も娘だし、娘に罪を着せても無免許運転よりましとの理由。ちなみに娘は、今回事故を起こした夫の子ではない。
・・・罪を着せるに至る理由がもうむちゃくちゃ。

👉何回同じ事するの

裁判官「前回も今回も、無免許運転で同じ罪を犯しているが、なぜ同じことを繰り返すのか」
被告「そんなつもりはなかったが、結果そうなってしまった」
裁判官「同じことを次はしないと約束できるか」
被告「信じてもらえないかもしれませんが、もうしません」
裁判官「次、同じことをしないためにどうすればよいと思うか」
被告「免許をちゃんと取る事、そして深呼吸してよく考える」
・・・対策がえらいフワっとしてるな

😞闇ってついてるやん

Twitterの闇バイトで犯罪に加担した青年の裁判。闇バイト=違法とは思わなかったと言い切るけど、それは無理があるよ、さすがに・・・。

闇ってついて健全なわけない

👉被告

年齢は20代後半から30代前半の男性、長身でグレーのジャージ上下、おそらくかなりの長髪だが、頭の上で大きなお団子にした状態。又、質問されていないの自ら釈明のためしゃべる、いままで傍聴した裁判の中で、一番饒舌な被告。

👉事件概要

Twitterの闇バイトで、「人を運ぶ」仕事と言われて応募したところ、対象者が高級時計を強盗した後の移動手段だったことから犯罪に加担。

👉丁々発止のやり取り

ここでは、被告が犯罪になるとわかっていたかどうかが争点の、検事VS被告の手に汗握るやり取りが展開
検事「闇バイトとは、どんな仕事だと思っていましたか」
被告「仕事仲介人からは、タクシーで人運ぶだけの仕事と言われた」
検事「それなら、普通にタクシー使えばいいんじゃないですか?そうしないってことはできない理由があったと考えませんでしたか?」
被告「そうは思いませんでした」
検事「あなたが運んだ人が、大きなリュックサックから時計をたくさん出していたのを見て、何も思いませんでしたか」
被告「運転してますし、時計を出してきたからってそれが犯罪かどうかは普通わかりませんよ」

そう、矛盾しています!

検事「では、取り調べでは罪を認めていますが、この法廷では事件について罪を犯していない、つまり否認するということですか」
被告「結果やったことは悪かったと思ってますが、罪の意識はなかった」
検事「ですから、否認ってことでいいかどうか聞いています」
被告「そうっすね・・・そういうことになりますね・・・それに闇バイト=法に触れるっていう認識はないので」
弁護士「今の否認については、こちらでも再度被告人に聴取を希望します」(ちょっと慌ててるように見えた・・)
・・・たたみかける検事とのらりくらりかわす被告、え、マジで?!的な弁護士。

😞〆

裁判になる事件のほとんどは「それはやったらあかんやろ」なんですが、今回は特に「わかるやん、普通」って突っ込みたくなる裁判でした。育ってきた環境やら刷り込まれた常識、少しずつメンタルがむしばまれたり、何らかの理由で「わかるやん、普通」がわからなくなるだろうか、そのラインはなんだろうか、って考えると、わからなくなってきました。


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