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【ゆるっと映画こうろん3】人生を少し振り返りたくなる映画2選

私、映画は結構見ます。ド派手エンターテイメント系は、主にメンタルやられ気味の時に現実逃避として、ちょっと落ち着いているときには、他の人生をちょっと垣間見れる映画が見たくなります。
今回はそんな人生を少しだけ振り返りたくなるような映画のお話です。

🎬重力の光

先日久しぶりに訪れた、独立系映画の殿堂「シネ・ヌーヴォー」で見た映画です。

映画×アート

あらすじ

福岡のとあるキリスト教会に集う元生活困窮者を中心に、それぞれの人生を振り返ったインタービュー映像、その人々の日常、そして彼らが挑む新約聖書を基にした舞台の練習風景を交錯させた、挑戦的な映画です。

感想

8回服役経験のある元極道、フィリピン人の妻に逃げられた元ホームレス、家族から虐待を受続けて人を信用できない女性・生きる意味を見出せず悩む男性など、各々に大きすぎる事情を抱えた姿が、インタビューから浮かび上がります。重すぎる人生を淡々と語り、多分居酒屋で隣の飲んでても、そんな事情は想像もつかない笑顔が、逆に生々しく不思議な感じがします。

注目ポイント

印象深いのは虐待を受けた女性の話。人から裏切られ続け、だから人に好かれようとするのかと思いきや、好きになってくれる相手に、早く裏切られたくて行動していたと・・・。信用して裏切られるより、最初から裏切られる方がまだいいという、ただ閉塞感しかない状況を想像して息苦しくなってしまいました。

🎬教誨師(きょうかいし)

おしくも閉館したテアトル梅田で見た作品で、大杉連さんの遺作となった映画です。

今はなき、地下のミニシアター

あらすじ

大杉連さん演じる牧師は、拘置所で執行を待つ死刑囚と話し、聖書の言葉を伝えることで、死の恐怖を少しでも和らげる教誨師(きょうかいし)。饒舌な関西弁のおばさんは、現実逃避の為に嘘ばかりを話し、やくざの親分は、死刑を先延ばしにしようと画策を図ります。又、年老いたホームレスや家族に見離された男性、ずっと反抗的な態度を取り続ける若者など、みな一様に心を開きません。

感想

注目すべきは、NHKの朝ドラなどにも出演していた玉置玲央さん。最後までああいえばこういう反抗的な態度の彼が、対話を通し最後に牧師を受け入れた矢先の死刑執行というショックに、映画が終わっても椅子から立ち上がれませんでした。

クールで尖ってる・・・玉置玲央

注目すべきは

そして何より印象的なのは、映画全編通して、音楽がまったくかからないということです。常に空気の音だけの無音・・・。犯罪・死刑という非日常が、実は隣にあって、ふっと一線を越えられるところにある日常かもしれないという恐ろしさを感じました。

🎬〆

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は、ちょっと重めの内容でしたね・・・。芸術の秋、もしご興味があれば見てみてください。ただし、メンタルがやられたいない状態の時に見ることをおすすめします。

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